
コロナ禍2年、クリエイターの働き方はどう変わった?
クリエイティブ業界ではリモートワークはどれほど浸透したのか。クリエイターワークス研究所は「フルリモート」「ハイブリッド」「フル出社」の働き方別で徹底比較した。
クリエイターの働き方実態調査/クリエイターのリモートワークは浸透している?
現在の働き方について
今回は、会社員(正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト)とフリーランス・会社経営者のデザイナーを中心としたクリエイター(n=503)にアンケートをした。まず、会社員クリエイターの回答(n=276、単一回答)。
意外にも、コロナ禍2年経った現在もフル出社が多いということが分かった。一方、フリーランス・会社経営者は逆転している(n=227、単一回答)。
フリーランスのクリエイターはコロナ前からリモートワークをしている方がほとんどであるため、当然といえば当然の結果かもしれない。
しかし、会社員と比較すると「フル出社」は約30%も開きがあることが分かった。会社員クリエイターのリモート化が案外進んでいないということが浮き彫りに。
ハイブリッドで働くクリエイターの出社&リモートの割合は?
さらに、ハイブリッドの働き方をしているクリエイターを対象に、出社とリモートの割合を聞いた(n=176、単一回答)。
なかには「最近は基本は出社で、やむをえない場合はリモート」と答えるクリエイターもいたが、ハイブリッドの働き方をしているクリエイターは比較的出社の割合は少ないことが分かった。
また、その他のコメントには「体調が悪い時はリモート」という心配な声も。体調が悪いときはリモート・出社という選択ではなく、ぜひゆっくり休める体制があるといい。
働き方別で徹底比較!オンライン化促進された今、生産性は上がった?
コロナ禍において、チャットツールなどを導入しオンライン化が促進されてきている企業も多いだろう。
そこで、上記の「フルリモート」「ハイブリッド」「フル出社」の働き方別で、でコロナ前と比べて生産性が向上されたかどうか?をアンケートした。
※今回も、コロナ前後で働き方の変化が著しい会社員クリエイター(正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト)に絞り込み、実態を見てみた。(n=227、単一回答)
フルリモート
70%以上のクリエイターがは生産性が上がったと回答。やはりコロナ前から一番激変した働き方のせいか、効果も分かりやすいのかもしれない。
ハイブリッド
約半分が「変わらない」と回答しており、生産性の面ではさほど効果を感じていないクリエイターが多いようだ。一方で、「上がった」「かなり上がった」の回答が約40%以上となり、二極化している形になった。
フル出社
働き方別で徹底比較!どんなことが理由で生産性が上がった?
では、生産性が上がった理由は何なのか?上記の問いから、生産性が「かなり上がった」「上がった」と回答したクリエイターに聞いた。
(こちらについても、コロナ前と現在で働き方に変化が著しかった会社員クリエイターに絞り込んでいる)
フルリモート
「通勤時間がない分仕事ができるから」がトップ。通勤という習慣が全くなくなったことのインパクトはやはり強いようだ。
ハイブリッド
「作業を中断されることが減り、集中できるから」が最も多い結果になった。これは、出社と掛け合わせて働いているからこそ、強く実感するところなのかもしれない。
また、フルリモートもハイブリッドも共通して言えることだが、意外にもオンライン商談に切り替えたことでの生産性は上がっていない、ということも分かる。
フル出社
フルリモート、ハイブリッドで働いているクリエイターの「生産性が下がった」の声
「誰かの目がないときサボりがちになるから」という声や「相手の行動が見えず、相談したいときに気軽に相談できないから」といったリモートの障害とも言える回答もあり、社内コミュニケーションの希薄さも垣間見えた。
調査概要「クリエイターの働き方実態調査」
調査期間:2021年12月14日~2022年1月4日
調査方法:インターネット調査
調査対象:クリエイティブ業界で活躍中のクリエイター(ユウクリ登録クリエイターも含む):511名
(※クリエイターの内訳:グラフィックデザイナー、アートディレクター、Webデザイナー、Webディレクター、コーダー、エンジニア、マーケター、マネージャー、経営者など)
構成/ino.