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これぞ究極のオールラウンダー!三菱「アウトランダーPHEV」の進化を新旧モデル比較で解説

2022.02.08

三菱アウトランダーPHEVは日本における最強のSUVと言っていい。その理由は電欠のないBEVとハイブリッドの中間的な電動駆動車であるとともに、三菱自慢のS-AWCによるオールラウンダーな走行性能、走破性、そしてPHEVに用意されるAC100V/1500Wコンセントがもたらすアウトドアなどでの電源供給車としての便利さや、災害、地震大国の日本における、緊急時の給電車になりうる機能まで備わっている、まさに究極のオールラウンダーだからである。

そんなアウトランダーが約8年ぶりにフルモデルチェンジし、3代目となった。最大の進化ポイントはプラットフォームの刷新で、日産、ルノーとのアライアンスによる新プラットフォームを新採用。しかし上屋、駆動方式はもちろん三菱、アウトランダー独自のものとなる。そして日本仕様は先代のPHEV販売比率が約80%に達していたことと電動車時代に合わせ、なんとPHEVのみの展開となっている。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーでの、栄えあるテクノロジー・オブ・ザ・イヤー受賞車でもあるのだ。

エクステリアデザインも先代から大きく進化している。デリカD:5、最新のエクリプスクロスとも共通するダイナミックシールドを新世代化。フードを高めた厚みと迫力あるフロントデザイン、筋肉質なフェンダーフレア、エッジの効いたボディサイドのキャラクターライン、そして飛行機の垂直尾翼をモチーフとしたDピラー、大径20インチのタイヤ&ホイールの採用など、先代と比べ、はるかに立派で堂々とした幅広感、存在感を発散。ボディカラーに2トーンカラーが用意されるのも新型ならではである。

部分的には先代より最大約40%のボディ剛性向上を達成した、アルミボンネット&樹脂フェンダー採用のボディは全長4710×全幅1860×全高1745mm(Mのみ1740mm)、ホイールベース2705mm。先代の同4695×1800×1710mm、2670mmから拡大し、トレッドも先代比+53mmの1593mmまで広がっている。そしてタイヤもG、Pグレードは先代になかった大径20インチ(255/45R20)となって足元を引き締め、もはやクラス的には2クラス上の存在感がある。こう言ってはなんだが、2012年デビューの先代モデルとは時代の違いもあって、別格の力強さ、頼りがいまであるエクステリアデザインに仕上がっていると言っていい。

先代アウトランダー

先代アウトランダー

新型はパッケージの面でも新しい。先代モデルはガソリン車に3列シートが用意され、しかし人気の中心だったPHEVは2列シートのみで3列シートは選べなかった。が、PHEVのみとなった新型では7人乗り3列シートが最上級グレードのPに標準、中間グレードのGでは5/7人乗りの2/3列シートが選択でき、ベースグレードのMは5人乗り、2列シートの設定となっている。先代のPHEVモデルに3列シートを望んだユーザーにとって、3列目席の実用性はともかく、これは朗報ではないか。

パワートレーンは先代からキャリーオーバーされた、発電を担う2.4Lガソリンエンジンの改良版を搭載する。エンジンの最高出力は5ps増しの133psとなり、フロントモーターは60kWから85kWに、リヤモーターも70kWから100kWに。加えて駆動用バッテリーは13.8kWhから20kWhへと増強しているのだ。結果、EV走行可能距離はWLTCモードでP・Gグレードが83km、Mグレードが87kmまで延長。実質65~70km(先代は55~60km)はモーターだけで走ることが可能だ。ちなみにEV走行可能最高速度135km/hは先代同等である。なお、WLTC総合モード燃費はP・Gグレードが16.2km/L、Mが16.6km/Lを達成している。

同時に、燃料タンク容量を先代の45Lから56Lに増やし、暖房を先代の温水ヒーター式(気温5度でエンジンが始動)からヒートポンプ式(気温0度でエンジンが始動)に改めたことで、ガソリン満タン、満充電からの航続可能距離は、先代の約800kmから約1000kmまで延長。日常使いであれば、ガソリンスタンドに立ち寄る機会が激減するということでもある。なお、アウトランダーPHEVの充電は普通充電と急速充電に対応。ライバルとなりうるトヨタRAV4 PHVは100/200Vの普通充電のみに対応する。

アウトランダー、三菱車の大きな武器となる高度な四輪駆動システムが、ツインモーター4WDをベースにアクティブスタビリティコントロール=ASC、アンチロックブレーキシステム=ABS、ブレーキで左右輪を制御するアクティブヨーコントロール=AYCを統合制御する三菱独自のS-AWC。その進化も著しく、先代では前輪のみだったブレーキ制御を後輪にも拡大。前後輪の分散制御が可能になり、タイヤ1輪あたりの制動力を小さくできることから、前後輪の左右輪間の駆動、制動力を最適制御しやすくなり、より高い旋回性能と安定性、つまりダイナミック性能をもたらしてくれるのだ。そう、スバルのXモードといった、脱出性のためにブレーキを”つまむ”制御とは別物、狙いが異なるあたりが、ランエボ譲りのS-AWCならではということだ。

S-AWCを操るダイヤル式ドライブモードセレクターの内容も刷新されている。左から時計回りにパワー、エコ、ノーマル、ターマック(ここまでが常用モード)、そして悪路、雪道用のグラベル、スノー、マッドの7種類となった。セレクター中央には下り坂を一定の速度で安心して降りるためのヒルディセントコントロールも備わる。しかも、各モードにセットすると、走行シーンをイメージできるイラストとモード名がメーター内に大きく表示される点が、分かりやすく先進的だ。

先代アウトランダー

PHEVだからEVモード、そして三菱初のワンペダル機能であるイノベーティブペダルオペレーションモードのスイッチが隣り合わせに並ぶほか、先代同様、B0からB5の回生ブレーキをコントロールするパドル式回生レベルセレクターも(+/-)も完備する。ちなみにイノベーティブペダルオペレーションモードは完全停止せず。減速後はクリープで前に出る設定となり、極低速域の走りやすさに貢献することになる(公共駐車場内でのソロソロ運転時など)。

アウトランダーだからこそ気になる悪路走破性については、最低地上高を先代の190mmから200mmに高めるとともに、アプローチアングル18.3度、デパーチャーアングル22.2度。ランプブレークオーバーアングル18.0度(20インチタイヤ/18インチタイヤ装着車は16.8度)となった。先代モデルは同19.5度、21.0度、16.5度だったから、アプローチアングルのみ後退している。その理由が、高さと厚み、迫力を増したフロントセクションにあるのはもちろんである。

さらにリヤサスペンションは先代のトーションビームから贅沢なマルチリンクに格上げされたほか、電動パワーステアリングもコラムアシスト式からデュアルピニオンアシストに変更。エンジン、足回りに防振対策として液封マウントを採用している点も新しい。このあたりは、走り出してすぐに分かる走りのスムーズさ、洗練度に直結する部分と言っていいだろう。

新型アウトランダーではそのほか、日産とのアライアンスの効果が発揮される先進運転支援機能や、三菱コネクトによるコネクテッド機能の充実も見逃せないポイント。例えば、ACC(アダプティブクルーズコントロール)作動時にカーブや標識を認識し、車速を自動制御してくれる進化版MIパイロット(日産のプロパイロット1.5相当)を用意。また、三菱コネクトでは、スマホ連動のリモートエアコン機能、タイマー充電などの充電管理機能、駐車位置確認機能、リモートボイスコントロール、自動ソフトウエアアップデート、オペレーターによる問い合わせサポートなどが利用できるほか、三菱初のエアバッグ連動型SOSコールまで用意されているのだから、完璧ではないか。

と、今回の新型三菱アウトランダーの飛躍的かつ多彩な進化のポイント、商品力の圧巻の高さの紹介はここまで。新型を語る上での情報量があまりにも多いため、パッケージング、激変した前席のかけ心地、公道試乗のレポートについては、別稿で報告させていただきたい。

文・写真/青山尚暉

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