
「就職人気企業ランキング」を2014年卒~2023年卒で比較
就職人気企業トップ10は、毎年入れ替わりを見せるなか、10年間トップ10に入り続けた企業は、伊藤忠商事(2023年卒ランキング1位)の1社のみだった。
学情は「就職人気企業ランキング」の結果に関して、2014年卒~2023年卒の10年分を比較した。
(1)10年前は、トップ10に「商社」3社、「金融」2社がランクイン
10年前にあたる、2014年卒の「人気企業ランキング」では、1位の伊藤忠商事を筆頭に、4位に丸紅、10位に住友商事がランクイン。トップ10に「総合商社」が3社入っている。
2位に三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)、9位にゆうちょ銀行が入るなど、「金融」も2社が名を連ねた。
また、2015年卒の「人気企業ランキング」でも、6位に三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)、10位に三井住友銀行が入った。
三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)は、2017年卒のランキングまで上位10位に入り続けており、現在の社会人5年目にあたる世代が就職活動をしていた時期まで、「金融」が高い人気を誇っていたことが分かる。
(2)2016年卒~2019年卒は、ANA(全日本空輸)が4年連続で首位を独占
2016年卒~2019年卒は、ANA(全日本空輸)が4年連続で首位を独占。JAL(日本航空)もトップ10に入っており、現在の社会人3年目から6年目にあたる世代が就職活動をしていた時期は、「航空」が高い人気を誇っていたことが伺える。JTBグループや、オリエンタルランド、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)など、「旅行」や「レジャー」も人気を集めていた。
(3)2020年卒~2023年卒は、伊藤忠商事が4年連続で首位を獲得
2020年卒~2023年卒は、4年連続で伊藤忠商事が首位を獲得。味の素やアサヒ飲料など、「食品」も高い人気を誇っている。任天堂が、2021年卒9位、2022年卒6位、2023年卒5位にランクインし、「ゲーム」も、この3年間で人気が高くなった。
2023年卒のランキングは、4年連続の首位を更新中の伊藤忠商事に続き、2位に講談社、3位に集英社がランクイン。出版業界は、漫画・アニメブームに合せて、ビジネスのデジタル化が進んでいる。
漫画コンテンツのデジタル化により、漫画に強い出版社は、「出版不況」を抜け出し成長軌道に乗ったことが人気を集めた要因と考えられる。人気の食品メーカーは今年も強く、前年と同じくアサヒ飲料、味の素、ロッテがトップ10に入った。
業績が好調なイオングループも、2022年卒から順位を1つ上げ9位に入っている。コロナ禍で「巣ごもり消費」や「ステイホーム」を支える企業は、引き続き支持を集めていることが分かる。
(4)10年間トップ10に入り続けた企業は、伊藤忠商事のみ
10年間トップ10に入り続けた企業は、伊藤忠商事の1社のみ。伊藤忠商事は2020年卒~2023年卒の調査で、ANA(全日本空輸)(2016年卒~2019年卒のランキングにて1位)以来2社目となる、4年連続首位を誇っており、人気の高さが伺える。トップ10に入る企業は毎年入れ替わるなか、伊藤忠商事は、継続して学生からの人気を集めていることが分かる。
「2023年卒対象 就職人気企業ランキング」調査概要
調査対象:2023年3月卒業予定の全国大学3年生、大学院1年生
調査方法:(1)あさがくナビ登録学生へE-MAILにて告知。Web上の入力フォームによる回収。
(2)同社主催のイベント来場学生へのWeb入力フォームによるアンケート調査及び回収。
調査期間:2021年4月1日(木)~2021年10月31日(日)
回答方法:選択式(最大5社)
有効回答:8,249名
構成/ino.
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