
昨年、中学受験の実態を写したドラマとして「二月の勝者」が放送され、コロナ禍で増々注目を集める中学受験。
Comiruはコロナ禍で2回目となる2021年度の中学受験について、受験直前の子どもを持つ保護者に対して調査を行った。
保護者の意向、学習塾の選び方、親子関係の3つの観点を軸に、今年・来年度の保護者、学習塾の経営者に向けて考察をまとめている。
受験直前の子どもを持つ保護者に聞いた「2021年度の中学受験実態調査」
中学受験に対する保護者の意向
子どもに中学受験を受けさせようと思った理由
子どもの受験にかかったトータル費用の平均は「約94万円」
学習塾代、夏期・冬期講習、出願費用などを全て含め、受験には平均約94万円の費用がかかることがわかった。
コロナ禍の受験における志望校選びのポイント
受験校選びにおいて「偏差値」よりも「校風」が重要視されていることがわかった。「質の高い教育を受けさせるため」に中学受験を行う保護者が多いことを踏まえると、質の高い教育は高い偏差値よりも、校風が影響すると考える人が多いと推測できる。
中学受験を決定する前に戻っても、また中学受験を受けさせたいと考える親の割合は9割以上
9割以上の保護者が多くのお金・時間がかかる中学受験・私立校への進学に価値を感じているということがわかった。
学習塾の選び方
来年度受験の保護者におすすめする学習塾選びのポイント
授業や実績ではなく「コミュニケーション」を取りやすい学習塾への注目度が高い。学習塾が今後新規の入塾者数を増やしていくためには、講師(学習塾)と保護者がコミュニケーションを取りやすい環境づくりをしていく必要があるだろう。
コロナ禍で4割以上が学習塾の切り替えを実施/検討
塾の切り替えを実施/検討する理由
受験生の保護者にとって、学習塾とのコミュニケーション不足が大きな不安となっている。新型コロナウイルスの感染者が繰り返し増減する不安定な状況下で、以前にも増して塾と家庭のコミュニケーションが重要視されているのかもしれない。
学習塾は保護者とのコミュニケーションが取りやすい環境を作ることによって、生徒の退塾を減らすことができると考えられる。
子どもを学習塾に通わせる上で、デジタル化されていて欲しい項目
成績通知のお知らせや入退管理、学習塾からの連絡などのコミュニケーション関連の項目がTOP5に選ばれており、デジタル化の重要性が可視化された。
授業のオンライン化に注目が集まりがちだが、今後学習塾はコミュニケーション部分のデジタル化を進めていく必要がある。
学習塾に対して不満・ストレスを感じた
学習塾への不満として、成績だけでなく、3人に1人が学習の進捗がわからないことにストレスを抱えていることがわかった。
学習塾は成績の向上だけでなく、保護者へ子どもの学習状況を伝えていくことで、不満感を与えにくくなると考えられる。
受験期の保護者の状態
最終話全国平均視聴率7.7%の約8倍
中学受験に向き合う中で大変だったこと
中学受験は子どもだけでなく、金銭・精神的に保護者も追いつめていることがわかった。
「学力差が原因でいじめられた」「親子の喧嘩が増えた」
受験期間中の家族間、子ども間での衝突が多いという声が多数上がった。新型コロナウイルスの流行によってオンライン授業などが普及する中で、講師と保護者のコミュニケーションが希薄化しているとの声も上がっている。
学習塾はコミュニケーションを円滑かつ密にし、授業外でも保護者・生徒のサポートを行うべきだと考えられる。
調査対象
調査の方法:WEBアンケート方式
調査の対象:2021年度の中学受験をする子どもを持つ保護者(N=300)
調査実施日:2022年1月17日~20日
調査主体 :スクール専用業務管理&コミュニケーションアプリ「Comiru」
構成/ino.