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脱炭素の切り札?加速する「小型原子炉」開発競争の課題と現状

2022.02.06

脱炭素の切り札か、安全で低コストな『小型原子炉』

原油をはじめとするエネルギー価格の高騰が続いている。世界的な景気回復による需要拡大や地政学リスクの高まりがその主因とされてるが、背景には脱炭素の流れを受けた資源開発への投資不足がある。

こうした脱炭素の副作用ともいえるエネルギー価格の高騰を受け、低コストで安全な『小型原子炉(小型モジュール炉・SMR)』への関心が高まっている。

今回紹介するのは三井住友DSアセットマネジメントのマーケットレポート「脱炭素の切り札か、安全で低コストな『小型原子炉』」。

【ポイント1】エネルギー価格の高騰と欧州の原発回帰

北欧での風力発電の出力不足に端を発したといわれる昨今のエネルギー価格の高騰だが、一向に収まる気配がない。その背景は様々だが、中でも深刻なのは、エネルギー需給のアンバランス。

コロナ禍で低迷したエネルギー需要はその後の景気回復で着実に回復しているが、世界的な脱炭素の流れから化石燃料の開発投資は伸び悩んでいる。このため米国の天然ガス価格は2020年の初旬から約3倍に上昇しているが、油田やガス田の稼働数はコロナ禍前の8割弱に留まっている。

エネルギー価格の上昇から、昨年の日本の化石燃料輸入数量は前年比で微減となった一方で、輸入金額は約5割増加して16兆9,198億円となった。

こうした世界的なエネルギー価格の高騰に突き動かされる形で、欧州連合(EU)の欧州委員会は今年1月に条件付きで原発を「脱炭素に貢献するエネルギー」と位置づける方針を表明した。EUとして、今後の原発開発・投資促進に、大きく舵を切った格好だ。

【ポイント2】安全で低コストの『小型原子炉』

原発開発への風向きが変わる中、安全でコストも安い『小型原子炉』開発への期待が高まっている。

『小型原子炉』の特徴は、まず第一に原子炉のサイズが小さいこと。このため炉の容積の割に表面積が大きくなり、理論的には冷却が容易になる。

例えて言うなら、おでんに入れた大根や厚揚げはなかなか冷めにくいけれど、薄い(体積の割に表面積の大きい)昆布はすぐに冷めてしまうのと似ている。このため『小型原子炉』は緊急時の原子炉の冷却が容易となり、安全性に優れるとされている。

『小型原子炉』の建設は、モジュール化された部品を工場で生産・組み立てる方式をとります。このため、建設現場でゼロから組み上げる既存の原発と比べ、品質管理が容易で工期も短くなる。さらに、構造がシンプルなことからメンテナンスコストも低く抑えることができるため、トータルのコストを大きく削減できるとされている。

【今後の展開】加速する『小型原子炉』開発競争、ただし課題は残る

化石燃料への投資が先細りとなる一方で、再生可能エネルギーへのシフトが一足飛びには進まないことから、その隙間を埋める存在として『小型原子炉』の開発競争が今後は加速していくことになりそうだ。

現在開発中の『小型原子炉』は世界に73基あるが、イギリスやフランスは政府が開発を支援しており、米国でも米マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ氏などが『小型原子炉』を開発する企業を支援している。また、日本でも日立製作所が米ゼネラル・エレクトリック社との合弁で、カナダの大手電力会社から『小型原子炉』の建設を受注するなど、各国で『小型原子炉』の開発投資が活発化している。

ただし、原発をめぐる課題については未解決なものが少なくない。中でも放射性廃棄物の処分は政治的にも難しい課題で、最終処分場の建設が進むのはフィンランドなど一部の国に限られているのが実情だ。

こうしたこともあり、脱原発を既に決めているドイツやオーストリアは、原発を持続可能なエネルギーとする欧州委員会の新たな方針には反対の立場で、欧州の原発に対するスタンスも一枚岩とは言い難い状況にある。

今後も再生可能エネルギーの供給量や価格、そして地政学リスクの切迫感次第では、原発を取り巻く環境は様変わりするリスクがあり、その動向には注意が必要となりそうだ。

構成/ino.

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