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どこで運動量を増やす?日本人の活動量は「仕事」が6割、「余暇」が2割

2022.02.03

コロナ禍のステイホームで、どうしても運動量は減りがちだ。もともと日本人は運動量が少ないといわれる。世界的に見ても、働く時間が長いといわれる日本人はどこで運動量を増やすべきか。専門家のアドバイスのもと、探ってみよう。

日本人の活動量は「仕事」約62%、「余暇」約18%

公益財団法人 笹川スポーツ財団は2年に1度、運動・スポーツ実施状況などに関する調査を行い「スポーツライフ・データ」として刊行している。2020年度調査では、世界保健機関(WHO)が開発した、人々の身体活動量を把握するための「世界標準化身体活動質問票(GPAQ)」の質問項目が追加された。

その結果、日本人は日常生活の総身体活動量のうち、「仕事」における活動量が62.7%と高い一方、「移動」における活動量が18.5%、運動・スポーツを含む「余暇」における活動量は18.8%となった。

仕事における活動量の割合と余暇における活動量の割合が大きく開いたのが特徴的だった。

日本人の半数が推奨される身体活動量の基準に達していない

そもそも、日本人の身体活動量はどの程度なのだろうか。少ないほうなのか、多いほうなのか、気になるところだ。

この調査にコメントを寄せていた、追手門学院大学 社会学部 社会学科 特任助教 藤岡成美氏は次のように回答する。

【取材協力】

藤岡 成美氏
追手門学院大学 社会学部 社会学科 特任助教/笹川スポーツ財団 特別研究員
2021年早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 博士後期課程修了。専門はスポーツ政策、スポーツマネジメントなど。主にスポーツ参加者の増加に向けた方策や環境について研究。
https://www.ssf.or.jp/about/research_institute/researcher/fujioka.html

「身体活動は、全死因死亡率などさまざまな健康関連アウトカムに対してベネフィットをもたらすといわれています。こうした実質的なベネフィットを獲得するために、WHOは18歳以上の成人に対して『中強度の身体活動を週に150分、または高強度の身体活動を週に75分、またはこれらと同等の組み合わせ(GPAQにおける週600メッツ・分に相当)』を行うことを推奨しています(※1)。

この基準を満たすにはどれくらいの身体活動が必要かというと、中強度のウェイトトレーニングを1回60分、週2日行う場合や、1kmを9分20秒程度の速さで走るランニングを1回20分、週5日行う場合が該当します(注2)。

上記、WHOの身体活動基準の達成率は日本において53.3%、約半数が活動量を満たしています(図1)。男性は、30歳代63.2%、40歳代61.2%と若年ほど基準を満たす傾向がありますが、女性は30歳代37.9%と、40歳代41.8%の達成率が最も低い状況です。さらに、30~40歳代に着目すると、身体活動量基準を達成していない人のうち、1週間に何も身体活動を行わなかった人(0メッツ・分/週)の割合は、男性30歳代で25.2%、男性40歳代で23.1%、女性30歳代で32.0%、女性40歳代で32.8%でした。

基準に達していない人々は、『もうちょっと運動するようにすれば、健康のために必要な身体活動量に達しますよ』というよりは『今よりもだいぶ頑張って運動しないと基準値に達しないですね』という人々のほうが多数派であるといえるでしょう」

図1 世界保健機関(WHO)の身体活動量基準の達成率

※3 笹川スポーツ財団(2020)「スポーツライフ・データ2020」より作成

注1:身体活動の強度(きつさ)を表す際、メッツという単位を用いる。この強度について、3~6メッツ未満は中強度、6メッツ以上は高強度の身体活動に該当する。

注2:中強度のウェイトトレーニングは5メッツ、ランニングは時速6.4kmで6メッツとして計算(※2)。

余暇の身体活動が少ないのはコロナ以前から

余暇の身体活動が少ないという結果が出ているが、2020年度調査ということは、新型コロナウイルス感染症拡大後である。この結果は、コロナ禍による自粛生活も関係しているのだろうか。

「今回得られた調査結果の範疇を超えるため、個人的な推測となりますが、コロナ禍による自粛生活はそこまで関係ないのではと考えています。

まず、コロナ禍によって影響を受けた余暇の身体活動は種目によると思われます。団体競技や施設を利用する種目は、環境的制限を受けて実施状況が減少したかもしれません。一方で一人でも行える種目、例えばウォーキングや散歩、ジョギングやランニング、筋力トレーニング等は、もちろん『あまり外に出ないほうが良いのでは』『マスクをして運動しなければならないのか』といった心理的制限はあったと想定されますが、コロナ禍における環境的制限はそこまで大きくなかったとも考えられます。

実際、『スポーツライフ・データ2020』では、2018年調査時と比べた運動・スポーツ実施率に大きな差はなく、むしろ30~40歳代で定期的実施者が増加したという結果でした。また、特に若年層を中心に一人で行える種目の実施率が増えたとの結果もあります。このような結果の背景として『実施種目の振り替え』『外出自粛による身体活動減少により意識的に運動するようになった』などの可能性が考えられます。よって、コロナ禍の自粛生活によって余暇の身体活動が減ったとはいえないのではないでしょうか」

コロナ禍における余暇の身体活動を増やすためのポイント

藤岡氏は、同調査結果を受け「余暇の身体活動を増やせば生活全体の身体活動量を伸ばす可能性があると捉えることもできる」とコメントしていた。そこで、コロナ禍における余暇の身体活動を増やすためのポイントを聞いた。

「コロナ禍では、人が集まることが制限されています。さらに、先ほど1週間に何も身体活動を行わない人は決して少なくない点を指摘したとおり、いきなり身体活動をまったくしていない状態から、強度や専門性が高い種目を行うというのはハードルが高く現実的でないと考えられます。よって、一人でも気軽に行える種目から始めて、徐々に習慣化するほうが良いでしょう。例えば、ウォーキングやジョギング、筋トレなどのエクササイズ系種目と呼ばれるものなどが挙げられます。

なお、WHOのガイドラインでは、身体活動をまったくしないよりは少しでもしたほうが良く、10分未満の持続時間でも健康関連アウトカムの改善と関連すると述べられています。まずは短い時間の身体活動から開始、継続していくことが推奨されます」

余暇以外のところで身体活動を増やすには?

ところで、日本人は世界的に働きすぎと言われており、余暇が少ないのが現代ビジネスパーソンの特徴だ。余暇そのものが少ない状況で、余暇の身体活動を増やすのはなかなかむずかしいところもあるのではないか。余暇以外のところで身体活動を増やすとなると、どんなことが考えられるだろうか。

「ご指摘の通り、余暇の時間は限られている上に、他の活動と比較した身体活動の優先順位の低さもあるでしょう。実際『スポーツライフ・データ2020』では自由時間に行っている・行いたい活動を聴取していますが、スポーツに関連する活動はそこまで高くありませんでした」

表1 自由時間に行っている・行いたい活動(複数回答)

笹川スポーツ財団(2020)「スポーツライフ・データ2020」より作成

「そうなれば、仕事や移動での身体活動を効果的に増やすといった方法もあるでしょう。実際、コロナ禍前ではありますが、私の前の職場でも週1回、昼休みに有志が集まり、会議室で15分ほど体を動かすというワークアウトの時間がありました。私にとっては、これが週1回のお楽しみであり、重要な身体活動の機会となっていました。現在はまったく体を動かしていないという人たちにとっても、これぐらい気軽なものであれば続けやすいのではないでしょうか」

日本人は身体活動量が足りていない現状、そして、コロナ禍でいつもより運動不足を感じている人も多いだろう。とはいえ、時間は限られている。

余暇時間や昼休みを利用してできるだけ身体を動かすようにしたり、職場で、もしくはテレワーク中の昼休みにリモートで集まり、運動する機会を設けることは大事といえそうだ。

【引用・参考文献】
※1 World Health Organization (WHO). WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Geneva: WHO, 2020.(最終アクセス日:2022年1月15日)
※2 (独)国立健康・栄養研究所. 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』, 2012.(最終アクセス日:2022年1月15日)
※3 笹川スポーツ財団. スポーツライフ・データ2020, 2020.

取材・文/石原亜香利

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