
Comiru「21年度の中学受験 実態調査」
昨年、中学受験の実態を写したドラマとして「二月の勝者」が放送され、コロナ禍で増々注目を集める中学受験。そんな中、スクール専用業務管理&コミュニケーションアプリ「Comiru(コミル)」がコロナ禍で2回目となる2021年度の中学受験について、受験直前の子どもを持つ保護者に対して調査を行なった。
保護者の意向、学習塾の選び方、親子関係の3つの観点を軸に、今年・来年度の保護者、学習塾の経営者に向けて考察をまとめている。
中学受験に対する保護者の意向
子どもに中学受験を受けさせようと思った理由第1位は「質の高い教育を受けさせたかったから」
子どもの受験にかかったトータル費用の平均は「約94万円」
学習塾代、夏期・冬期講習、出願費用などを全て含め、受験には平均約94万円の費用がかかることがわかった。
コロナ禍の受験における志望校選びのポイント、偏差値を上回り「校風(21.7%)」が1位
受験校選びにおいて「偏差値」よりも「校風」が重要視されていることがわかった。「質の高い教育を受けさせるため」に中学受験を行なう保護者が多いことを踏まえると、質の高い教育は高い偏差値よりも、校風が影響すると考える人が多いと推測できる。
中学受験を決定する前に戻っても、また中学受験を受けさせたいと考える親の割合は9割以上
9割以上の保護者が多くのお金・時間がかかる中学受験・私立校への進学に価値を感じているということがわかった。
学習塾の選び方
来年度受験の保護者におすすめする学習塾選びのポイント、半数以上が「講師とのコミュニケーションの取りやすさ(50.0%)」
授業や実績ではなく「コミュニケーション」を取りやすい学習塾への注目度が高い。学習塾が今後新規の入塾者数を増やしていくためには、講師(学習塾)と保護者がコミュニケーションを取りやすい環境づくりをしていく必要があるだろう。
コロナ禍で4割以上が学習塾の切り替えを実施/検討
塾の切り替えを実施/検討する理由、「成績が上がらないから」が最も多く3割以上が回答
受験生の保護者にとって、学習塾とのコミュニケーション不足が大きな不安となっている。新型コロナウイルスの感染者が繰り返し増減する不安定な状況下で、以前にも増して塾と家庭のコミュニケーションが重要視されているのかもしれない。学習塾は保護者とのコミュニケーションが取りやすい環境を作ることによって、生徒の退塾を減らすことができると考えられる。
子どもを学習塾に通わせる上で、デジタル化されていて欲しい項目、保護者コミュニケーションがTOP5に集中
成績通知のお知らせや入退管理、学習塾からの連絡などのコミュニケーション関連の項目がTOP5に選ばれており、デジタル化の重要性が可視化された。授業のオンライン化に注目が集まりがちだが、今後学習塾はコミュニケーション部分のデジタル化を進めていく必要がある。
学習塾に対して不満・ストレスを感じた理由1位は「成績が志望校の基準にとどかないから」
学習塾への不満として、成績だけでなく、3人に1人が学習の進捗がわからないことにストレスを抱えていることがわかった。学習塾は成績の向上だけでなく、保護者へ子どもの学習状況を伝えていくことで、不満感を与えにくくなると考えられる。
受験期の保護者の状態
中学直前の子どもを持つ保護者の6割以上が「二月の勝者」を視聴
中学受験に向き合う中で大変だったこと1位「金銭的な負担」
中学受験は子どもだけでなく、金銭・精神的に保護者も追いつめていることがわかった。
講師・保護者・子ども同士の人間関係など、受験期に実際に起きたトラブル
受験期間中の家族間、子ども間での衝突が多いという声が多数上がった。新型コロナウイルスの流行によってオンライン授業などが普及する中で、講師と保護者のコミュニケーションが希薄化しているとの声も上がっている。学習塾はコミュニケーションを円滑かつ密にし、授業外でも保護者・生徒のサポートを行うべきだと考えられる。
考察
株式会社POPER Excecutive Advisor 大澤 一通氏
【プロフィール】首都圏大手塾を経て、2002年に関西大手塾に入社し、個別指導部門責任者から2009年に取締役に就任。コーチングも基にした教授法、保護者面談などを自ら実践すると同時に社内研修を担う。生徒が主体的に学ぶための保護者や教師の関わり方を中心に社内外で活動。前職では全国の大手塾で最初にComiruを導入。ユーザーとしての経験もある。これまでお世話になった教育界に貢献したいという想いから、2020年5月に株式会社POPERにExcecutive Advisorとして入社。
今回の調査は中学受験経験のある保護者を対象としていることもあり、塾に対して不満やストレスを感じることは合格するための学力に達しているかどうかという項目がトップでした。
しかしながら、その学力についで「コミュニケーション」に関する項目への不満が多く上げられます。これは中学受験は本人だけではなく、保護者の精神的、経済的な負担も多くなるため、より密なコミュニケーションが求められている結果と考えられます。よって、塾側からの一方的なコミュニケーションだけではなく、保護者が気楽に相談できる仕組みや関係構築が必要だと言えるでしょう。
また特に中学受験の場合、志望校に合格することが目的になりがちで、合格するためにはどうすれば良いかという考えに支配されることが多い環境と言えます。
しかし、子どもの人生がその後数十年続くことを考えると中学受験は一つの通過点であり将来幸せになるための手段にしか過ぎません。そこで塾としては、手段を目的とせずに、保護者の不安に寄り添いながら長い目で子どもの成長を見守る大切さなどを保護者に発信し続けることも重要であると考えます。
今回の調査結果からもおわかりの通り、塾とのコミュニケーションを求めておられる保護者に対してタイムリーな情報提供、悩みや不安に寄り添う姿勢、長期的な視点に立ったアドバイスなどを計画的かつ効率的に行っていくためにComiruというプロダクトをご活用いただければ幸いです。
【調査対象】
調査の方法:WEBアンケート方式
調査の対象:2021年度の中学受験をする子どもを持つ保護者(N=300)
調査実施日:2022年1月17日~20日
調査主体 :スクール専用業務管理&コミュニケーションアプリ「Comiru」
※Comiru調べ
関連情報:https://comiru.jp/
「二月の勝者」とは?
主人公は、新6年生全員を第一志望に合格させると宣言する塾講師・黒木蔵人。圧倒的なカリスマ性、受験知識と戦略を兼ね備え、熾烈な競争にさらされ、試練に次ぐ試練を乗り越える小学生たちを合格まで導いていく。
構成/DIME編集部