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インスリンとともに血糖降下作用を持つFGF1が糖尿病治療に結びつく可能性、米ソーク研究所発表

2022.01.31

インスリンだけが血糖値を下げるわけではない

膵臓からのインスリン分泌が血糖値を下げるための主要なメカニズムであることは、100年以上前から分かっている。

しかし、血糖値を下げる仕組みはインスリン分泌ばかりでなく、FGF1というタンパク質も血糖降下作用を持つ。

そのFGF1の血糖降下メカニズムが明らかになり、詳細が「Cell Metabolism」に1月4日掲載された。

論文の筆頭著者である米ソーク研究所のGencer Sancar氏によると、この知見が糖尿病の新たな治療法に結びつく可能性があるという。

FGF1は、線維芽細胞成長因子1(fibroblast growth factor 1)の略。脂肪組織で生成されるこのFGF1に、インスリンと同じような血糖降下作用があることはこれまでにも知られていた。

今回の研究では、FGF1がどのように血糖値を下げるのか、実験用マウスを用いて検討された。

その結果、FGF1はインスリンと同様に、脂肪組織の分解と肝臓からの糖放出を抑制することで、血糖降下作用を発揮することが分かった。

ただしFGF1は、インスリンとは異なるシグナル伝達経路を介してこれを行っていた。

FGF1が、インスリンとは異なる伝達経路を介しながらも、同じような作用を発揮することが明らかになったことについてSancar氏は、「インスリン抵抗性のある状態では、インスリンシグナル伝達が損なわれている。

しかし、異なるシグナル伝達経路を機能させることで、脂肪分解の抑制と血糖制御の可能性が見えてくる」と、治療への応用に期待を寄せている。

実際に、インスリン抵抗性のある実験用マウスにFGF1を注射すると、血糖値は著明に低下することも確認された。

しかし、動物実験で認められた効果がヒトでも認められるとは限らない。本研究には関与していない米マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のEmily Gallagher氏は、「インスリン抵抗性のある人は、FGF1に対しても抵抗性を示す可能性はないのだろうか。また、2型糖尿病は、患者ごとに代謝状態が大きく異なる複雑な症候群だ。FGF1を標的とする治療は、一部の2型糖尿病患者には有効かもしれないが、他の患者には無効な可能性もある」と述べている。

インスリンの脂肪分解抑制作用は、ホスホジエステラーゼ3B(PDE3B)と呼ばれる酵素が、シグナル伝達経路の重要な鍵を握っている。

それに対して今回の研究により、FGF1ではPDE4という別の酵素が利用されていることが分かった。

論文の上席著者である同研究所のMichael Downes氏は、「新たなシグナル伝達経路の存在が明らかになったことで、今後は体内のエネルギー恒常性におけるこの経路の役割と、その制御方法の研究が進むだろう」と述べている。

Gallagher氏も、FGF1が脂肪組織に対して、インスリンとは別の経路で同じように作用する可能性があることは「非常に興味深い」としている。

ただし、まだ多くの不明点が残されていると指摘する。例えば、インスリンシグナル伝達とインスリン抵抗性に対するFGF1の長期的な影響の理解が欠かせないという。

同氏はまた、FGF1の糖・脂質代謝以外への影響が十分明らかでないことにも言及。「FGF1は炎症を含むさまざまな反応を体に引き起こし、腫瘍の成長も左右する可能性がある。FGF1を治療に用いるには、その全身的な影響をより深く理解することが重要」とのことだ。(HealthDay News 2022年1月5日)

Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(21)00623-9

Press Release
https://www.salk.edu/news-release/salk-researchers-find-a-new-route-for-regulating-blood-sugar-levels-independent-of-insulin/

構成/DIME編集部

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