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オンラインショッピングでは購入したことがないブランドを購入する割合が3倍高い

2022.02.01

ニールセン デジタル「2021年の日本におけるEC利用動向」調査

ニールセン デジタルは、「ニールセン オンラインショッピングレポート2021(Nielsen Online Shopping Report 2021)」のデータをもとに、2021年の日本におけるEC利用動向を発表した。

2019年に発生した新型コロナウイルスの流行によって、生活のあらゆる場面でデジタルの活用が定着してきた。

ECも日本での流行が始まった2020年以降利用が拡大し、「ニールセン オンラインショッピングレポート2021(Nielsen Online Shopping Report 2021)」によると、インターネット利用者の30%が、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令された2020年4 月以降に、オンラインショップの閲覧や購入が増加していたことがわかった。

マーケティング担当者には、オンライン購入を拡大させるために直接売上につながるコンバージョン目的のマーケティングが魅力的に映るかもしれない。

実際にコンバージョン目的のマーケティングは予算に対する成果も見えやすく、目の前の売上というROIを達成するために活用する企業も多いことだろう。

しかし、コンバージョン戦略に重点を置きすぎると、長期的な成長への鍵となる潜在的な顧客を逃してしまうリスクにも繋がる。

アッパーファネルマーケティングはより多くの消費者にブランドを認知してもらい、長期的なブランド・エクイティを構築していくことが目的となるが、ニールセンの知見によると、認知や検討などのアッパーファネルのブランド指標が 1 ポイント上昇すると、売上が平均 1%増加することが分かっているという。

つまり、ブランド認知や検討などのブランド指標の改善を重点においたマーケティング戦略は、売上を確保する上でも重要な役割を果たす。

EC利用が拡大するのとともに、以下2つの傾向からアッパーファネルマーケティングの重要性は今後さらに増していく。

消費者が新しいブランドや製品と接触する場所は、性年代などの属性やライフスタイル、興味関心などで大きく異なり、日々変化。

ブランド認知や検討などのブランド指標を向上させ、長期的な売上達成を実現するためには、ターゲットのメディア利用状況や動向を正しく把握し、ターゲットに適したコミュニケーションプランを考案することが今後更に重要になる。

1. オンラインでは、今まで購入したことのないブランドを購入する割合が高い

米国の消費財(CPG)市場では、Nielsen Commspointによると、実店舗で「過去に購入したことのないブランド」を購入する割合はわずか4.3%だったのに対して、オンラインでは、12.1%と約3倍になっていた。

日本市場も同様に、オンラインでは過去購入したことのないブランドを購入する傾向が見られた。化粧品を実店舗で購入した人では13%が過去に購入したことのないブランドを選択したのに対し、オンライン購入では過去購入したことの無いブランドを購入した人は22%にのぼる。

日用品の場合でも、実店舗の7%と比べてオンライン購入では19%と、倍以上になっていた。特に若年層の化粧品の購入においては、オンラインで新しいブランドを購入する可能性は高く、実店舗購入と比べると新しいブランドを購入した人は約2倍になる(図表1)。

実店舗と違い無限に棚があるとも言えるオンラインショップで新しいブランドと接するようになると、それまで定期的に購入していたブランドを買わなくなる可能性もでてくる。

EC利用の拡大によって消費者が実店舗で過ごす時間が少なくなると、その分商品やブランドロゴに触れる機会が減少することになる。

ブランドと接触する機会が減れば、その分ブランド・エクイティ構築の機会を失うことを意味する。つまり従来は実店舗で行なわれていたようなブランド体験をオンライン上のマーケティング活動で補う必要性が高まっている。

消費者に継続的に自社ブランドを購入し続けてもらうためにも、マーケティング担当者としては、商品購入のニーズが現れた際に真っ先に想起されるよう、事前にアッパーファネルマーケティングを通して認知を高めておくことが重要になるだろう。

2.実店舗での購入においてもオンラインの重要性が増加

購入場所がオンラインに移行しているだけでなく、実店舗での購入においてもオンラインは重要な情報源となっている。

例えば化粧品では、実店舗で商品を購入した場合、その商品を実店舗で認知したという人が36%を占める一方で、同程度の34%もの人がオンラインで認知していた。

検討段階においても、実店舗で化粧品や日用品を購入した人の10%前後が、検索サービスやオンラインショップなどのオンラインサービスを活用している(図表2)。

ターゲットの属性や商品カテゴリーによって商品の購入検討をする際に必要とされる情報は異なるが、店舗で実際に手にとって商品の使用感を確認する代わりに、オンラインで代替しているケースもあるだろう。

例えば、若年層は購入検討する際に動画による製品説明を参考にする傾向があり、また女性では商品の口コミが重要な役割を持っている。

実店舗での体験だけに頼ることができなくなった環境では、このようなブランド体験をオンラインで提供し、購入の意思が現れた時に真っ先に想起してもらえるように潜在的な顧客にアプローチすることが、自社ブランドを選択してもらうための一つの手段となる。

さらに、同じ商品やターゲットの属性によって活用されるオンラインプラットフォームも異なることから、マーケティング担当者は自社ターゲットの動向を理解し、使用するプラットフォーム見直すことも重要。

例えば、18-34歳では30%が商品の購入を検討する際にTwitterやYouTubeを活用しているのに対し、35歳以上では検索エンジンやオンラインショップを活用する傾向がある(図表3)。

つまり、ターゲットが商品を検討する際に求める情報が異なるのに合わせて、ターゲットにアプローチできる適切なプラットフォームを見直す必要がある。

ターゲットのメディア利用状況を把握し、ソーシャルメディアプレゼンスを高めるべきか、それともSEOに力を入れるべきか、認知や検討などの指標を最大化するためにどのようなプラットフォームを活用すべきかといった判断ができる。

そして、これらの特徴を正しく理解し、自社商品の情報がターゲットに適した内容やフォーマットで、最適なプラットフォームで提供されているかを再確認する必要があるだろう。

同社シニアアナリストのコヴァリョヴァ・ソフィヤ氏は、次のように述べている。

「購入体験のデジタル化は、実際に商品が購入される場所だけではなく、購入に至るまでのプロセスにも影響を及ぼしています。

今までもオンラインショッピングの浸透が進んでいた一方で、新型コロナウイルスの流行によって、その利用は更に加速しました。オンラインで商品を購入する際に、消費者は過去に購入したことのないブランドを選択する可能性が高くなります。

また、実店舗の購入においても、オンラインの情報源を活用して消費者は様々な情報を収集し、ニーズに合わせて日々選択を繰り返しています。

無限にある情報量とメディアチャネルの断片化が進むにつれ、ブランドを目立たせるための手段も様々で一つの正解はありません。

長期的な成長を実現するためには、オンラインショップでのプレゼンスを高める場合でも、動画サービスやSNS広告を活用する場合でも、まずはターゲットの特徴を正しく理解し、その情報をもとにブランド認知や検討などの指標を改善するための戦略を見直す必要があるでしょう。」

関連情報:https://www.netratings.co.jp/

構成/DIME編集部

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