
人事異動には、社員のやる気向上、適材適所への配置転換による業績UP、組織の活性化など、様々なメリットが想定される。一方で、部署のニーズと社員のミスマッチ、引継ぎがうまくできないなど、デメリットが生じる可能性もある。
では、2022年度はどれくらいの企業が人事異動を予定していて、また、現状、人事異動に関してどんな課題が存在するのだろうか?
そんな「人事異動」に関する実態調査がこのほど、株式会社アッテルにより、人事・採用担当者300人を対象にして実施された。詳細は以下の通り。
2022年度は約6割の企業で異動を予定
「2022年度の人事異動の予定」を聞いたところ、「ある」と答えた人は60.3%だった。また、「異動に関して昨年と異なることはあるか」という問いには、20.7%が「昨年より異動人数が減った」と回答したが、一方で「昨年より転勤を伴う異動人数が減った」と回答した人は7.3%と、23.3%だった昨年の調査※結果より16pt減少した。
さらに、「昨年より異動人数が増えた」は昨年に比べて約9ptの上昇、「昨年より転勤を伴う異動人数が増えた」は昨年に比べ約8ptの上昇を見せた。その理由としては、「コロナの影響で昨年転勤を伴う部署異動ができなかったから」20.7%、「コロナの影響で昨年部署間異動ができなかったから」が20.3%と続いた。
しかし、コロナ禍の影響が完全に消えたわけではなく、「今年もコロナの影響で部署間異動を減らしたい」18.3%、「今年もコロナの影響で転勤を伴う異動を減らいたい」14.7%と、今年もまだ影響が残っていると言える。
※人事・採用担当者300人を対象に2021年1月29日~2月2日に行ったインターネット調査
3割を超える企業が異動の目的を実現できず課題と感じている。
「異動・配置はどんな理由で行われることが多いか」という問いには、「各個人の能力を引き出すため」が57%、「部署のニーズに人材の能力をマッチングさせるため」が45.7%と続いた。
しかし、「人材配置の課題」を聞くと、35%が「各個人の能力を引き出せていない」、33.7%が「部署のニーズに人材の能力をマッチングできない」など、異動・配置の目的を実現できずに課題に感じていることがわかった。
「データに基づいて客観的に最適な異動・配置ができているか」という問いには、半数以上の58%が「できていない」と回答したことからも、多くの会社でデータや科学的根拠を用いた人事異動が行われていないことがわかる。
「従業員の最適配置を行うために、データに基づいて客観的に異動・配置したいと思うか」聞くと、「はい」と回答した人が73.3%と、昨年調査時の64.7%から約9pt上昇しており、人事異動における課題の解決策として、データ分析の必要性を感じている人が多いことが明らかになった。
<調査概要>
調査対象:人事・採用担当者300人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年1月17日~1月19日
出典元:株式会社アッテル
https://attelu.jp/
構成/こじへい