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労働時間の削減より重要な〝時間を生み出す〟マインドセット

2022.02.01

労働時間を削減するだけが働き方改革ではない!

働き方改革の多くが労働時間の削減

 2019年に史上初めて労働時間の上限が罰則付きで規制され、企業は一斉に残業時間の抑制に走りました。各企業の経営陣はその管理徹底を人事部に丸投げし、人事部は各管理職に部下の労働時間の管理徹底を要請。月30時間を超える長時間労働の社員に対して注意喚起もしました。2019年以降に企業が行なった働き方改革のうち、約76%が、このような労働時間の削減を目的としたものだとわかったのです。

 社会人生活20年以上の間に、私は2度も精神疾患を患いました。寝る時間を惜しんで働いた結果、29歳の時に靴の履き方が突然わからなくなり、気づいたら左にサンダル、右に革靴を履いていたのです。同じように睡眠時間を削って、海外のメンバーたちとやりとりしていた30代後半にも、軽鬱病を発症しました。

 私は幸運にも数週間で復帰できましたが、何年たっても仕事に戻ることのできない友人は周囲にたくさんいます。働きすぎて体調を崩したら、元も子もありません。

 そのため、労働時間を削減したり上限を決めたりすることには「賛成」です。その上で、会社の要求する仕事と自分の人生を豊かにすることを両立するためには、短い時間で成果を残す方法を自ら探し、実践していく必要があります。

VUCAの時代では成果を出し続けることが難しい

 私が社会人になった1990年代後半は、研究開発室でイノベーションが起きて、高性能で低価格なものを製品化すれば売れる〝モノ消費〟の時代でした。売り方は、役員会議室で特定の人だけで決められ、それを全国にあまねく浸透させれば、売り上げが右肩上がりに。その当時は、消費者や企業のニーズがシンプルで同質的なものが多いことから、解決策が見つけやすく、トップダウンで展開していけばよかったのです。

 しかし、状況は変わりました。市場と顧客のニーズは年々複雑になり、ニーズ自体が見えなくなって〝シーズ〟(=種植え)が必要な状態になっています。

 市場の変化はわかりにくく、ひとつの解決策で多くの課題をクリアできなくなりました。

 VUCA(Volatility Uncertainty Complexity Ambiguity)といわれる、環境変化が激しい現在は「全体最適」ではなく「個別最適」が求められます。研究開発室で生まれたひとつの解で、顧客すべてを満足させることはできません。

 個々の課題を把握し、それを瞬時に解決することがソリューションと呼ばれ、現場の営業が「紹介」ではなく「提案」を求められるようになってきました。企業としては、自由と責任の裁量権を現場に渡し、現場の社員が自発的に考えて行動する「自走する組織」を作る必要があるのです。

時間削減ではなく時間の再配置が必要

 現場の社員それぞれが変化に対応するためには、新たなことに挑戦して行動を変え、コンフォートゾーンから抜け出る必要があります。これを実践する時間を生み出すために、まずは現在の無駄な時間を短縮する、という考え方を持ったほうがいいでしょう。ただ単に労働時間の削減だけに取り組む企業は、働き方改革を成功させることはできません。

 仕事が終わらないのに無理して帰ったら、思うように成果を残しにくくなり、達成感を得られず、給与も減ります。これでは納得できず、自然ともとの働き方に戻ってしまうはずです。

未来に必要なことに時間を費やすという考え方を

 階層社会で育った大企業の社員たちは従順なので、20時にオフィスフロアの電気が消えたら渋々と帰社します。ただし、仕事が終わってないままにしておくわけにはいかず、社外で〝隠れ残業〟が蔓延します。テレワーク環境ではなおさらです。

 働き方改革で成功している企業は時短を手段と捉えて、未来に必要な挑戦へ時間を再配置する考えを社員に浸透させています。個々が自ら考えて動く「自走する組織」を作ろうとしているのです。

 この考え方を理解してから行動実験をしていけば、変化は必ず起こります。「自走する組織」を目指し、働く個人が行動実験を継続していけば、成果を出し続けることができるはずです。

全国就業実態パネル調査

総務省がまとめた調査資料「全国就業実態パネル調査」によれば、1週間に60時間以上労働している人の割合(青のグラフ)と年間就業時間(緑のグラフ)は、ともに右肩下がり。労働時間が削減されている実態はあるものの、それを時間の創出にどうつなげられるのかが働き方改革のキモだ。

越川慎司/全員がリモートワーク・複業・週休3日を実践するクロスリバーの代表。約700名のほぼ全員がリモートワークのキャスター社における事業責任者も務める。自著16冊・累計40万部。『最速で結果を出す資料の作り方』(DIMEデジタル新書)が好評発売中。

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