コロナ禍で過熱した使い捨てマスクの開発競争により、ついに大手の地位を揺るがす新定番が誕生した。それがDIME2・3号の特別付録でもある『大人の贅沢マスク』だ。その大躍進の理由を紐解く。
原田産業
コンシューマープロダクトチーム
小田晋介さん
2006年入社。2011年から赴任した中国で贅沢マスクのビジネスに携わる。帰国後は現チームでマスクの品質管理と営業を行なっている。
コアなファンが支えるマスク界のダークホース
新型コロナウイルスの蔓延で変化したのは、生活様式だけではない。商品数が爆発的に増えたことでマスク選びの基準も変わった。フィルター性能や見た目の好み、何よりも着け心地を比較できるようになったことが大きい。
そこで売り上げを大きく伸ばしたのが、今月号の特別付録である『大人の贅沢マスク』だ。2014年の出荷開始以来、右肩上がりで売れ続けており、コロナ禍に見舞われた2020年の売り上げは昨対比約200%を記録した。
「『贅沢マスク』はコロナ禍以前からコアなお客様に支えられてきた人気シリーズ。中でも一番人気の『大人の贅沢マスク』は〝一度使うとほかのマスクが着けられなくなる〟といううれしい声を多数いただくなど、リピート率はさらに高まっています」。そう話すのは、原田産業で長年にわたってマスクの開発に携わる小田晋介さん。
とはいえ、『贅沢マスク』を初めて知ったという読者は多いはずだ。それもそのはず。同シリーズは、雑貨などを扱うライフスタイルショップを中心に展開している商品。パッケージに使う写真を公募するためにインスタグラムを活用し、2017年11月から翌年1月にかけて「パケわんグランプリ」、2018年11月から翌年1月にかけて「パケわんにゃん総選挙」と題したキャンペーンを実施してユーザーとの接点を積極的に増やすなど、ドラッグストアやコンビニで扱う他社製品との差別化を図ってきた。この施策は功を奏し、2016年は約15万箱だった年間出荷量を約18万箱へと伸ばした。もちろん、そのこだわりはファンシーな魅力にとどまらない。
原田産業『大人の贅沢マスク 50枚入』
メーカー小売希望価格各1080円
素材・形状・機能にこだわった不織布マスク。細菌や飛沫などを99%カットする※フィルターを備える。男女兼用サイズ。※BFE、VFE、PFE試験。
右から小田晋介さん、梁本皓平さん。ともに『贅沢マスク』シリーズを企画・開発する同社のコンシューマープロダクトチーム所属。