待ち時間が苦手だった。
仕事中、少しでも空き時間があれば、
買い物に出たり散歩をしたり、
本を読んだりしたいタイプなのだが、
この業界では、いつ呼ばれるかわからない待ち時間が多い。
外に出るわけにもいかないので、
無駄な時間を過ごしているような気がしていたが、
最近は少しずつ、楽屋で家のようにくつろげるようになってきた。
まず大事なのは、靴を脱いでスリッパに履き替えること。
これだけでかなり変わる。
楽屋では、テレビを観たりラジオを聴いたり、
PCで仕事をしたりするのだが、
短時間でも、スリッパに履き替えるだけで、
オンからオフに気分が切り替わる。
ほかに大事なのは、きちんと食事をすること。
お弁当をいただく時は、机の上をキレイに片づけたり、
飲み物はきちんとコップに入れたりすることで、
仕事場ではなく、家で食事をしているような気分になれる。
そして、もうひとつ重要なのは、香り。
家ではお気に入りのディフューザーを置いているが、
楽屋では、好きな香水やリラックス効果のあるオイルを少しつける。
すると、急に心が軽くなって、疲れがとれたような気がしてくる。
こうして書いてみると、本当に簡単なことばかりだけど、
待ち時間を気分よく過ごせると、仕事のパフォーマンスも上がるので、
必ず行なうようにしている。
今も、楽屋で原稿を書いている。
待ち時間の有効活用ができるようになってきた。
写真は、楽屋の相棒のスリッパ。
モコモコでかわいくて、お気に入り。
Natsumi Uga
テレビ朝日アナウンサーを経て、2019年よりフリーとして活動。現在、『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)、自身初の冠番組『川柳居酒屋なつみ』(テレビ朝日)、『テンカイズ』(TBSラジオ)、MCを務める『土曜はナニする!?』(関西テレビ・フジテレビ系)などに出演中。
文/宇賀なつみ
※「宇賀なつみ 素顔のままで」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME2・3月号に掲載されたものです。