コロナ禍において、ホテルスタッフとの接触を最小限にすることで少しでも安心して利用できる宿泊施設が増えている。
これまでは、チェックイン時にスタッフから詳しく案内してもらうことが常識で、それがホテルのホスピタリティーの見せどころでもあった。だが今は最新のIT技術を駆使し、自動チェックイン機やスマートフォンを使って、コンタクトレスでチェックイン、さらにはスマートフォンや自分の顔が部屋の鍵になるように。
これらにより、フロントでの行列からも解放され、ストレスなく過ごせるホテルが続々と登場している。
滞在中に必要なホテル内の情報や観光情報などは客室内のスマートスピーカーやタブレットなどからアクセスでき、中にはチャットやビデオ通話機能もある宿泊施設もあり、困ることはほとんどない。
最近の傾向としては、宿泊料金おり、自動チェックイン機での手続きもすぐに終わる。またホテル内の支払いもクレジットカード、QRコード決済、交通系ICカードのみ対応する〝完全キャッシュレス化〟ホテルも増えている。
新型コロナウイルスの拡大によって思わぬ形でチェックイン手続きなどの非対面・非接触化の動きが加速した。アフターコロナにおいても、チェックイン手続きのコンタクトレス化が進むだろう。
オミクロン株の心配はあるが、2022年にはGo Toトラベルの再開も予定され、新型コロナ新規感染者数の減少傾向が継続すれば、国内旅行が増えることが予想される。Go Toトラベル利用時にはワクチン接種証明書もしくは陰性証明書の提示が必須となるが、オンライン化への対応にも注目したい。
【アプリで非接触】プリンス スマート イン熱海
[住]静岡県熱海市春日町17-14 [電]050・3184・1143
プリンスホテルが展開する宿泊特化型の新ブランド。熱海のほか、東京・恵比寿、京都・四条大宮に展開する。部屋はコンパクトでありながらも居心地のよい空間を追求。スマホアプリで予約からチェックアウトまで、さらに部屋の鍵にもなる。
熱海駅から徒歩3分の距離で新幹線からもホテルが見える。熱海観光の拠点としてはもちろん、ワーケーションのステイ先としても便利だ。
〈WRITER’S VIEW〉ロビーに設置されたマップ型のデジタルサイネージで、地元ならではディープな情報を紹介。ひと味違う観光を楽しめる。
ICT、AI技術を駆使。最新の観光情報も
館内には最新のIT機器を設置。顔認証機能付きの自動チェックイン機、スマホキー、客室には館内案内対応のスマートスピーカー、スマートミラー(一部客室)を設置。
【顔認証で非接触】sequence SUIDOBASHI
[住]東京都千代田区神田三崎町2-22-17 [電]03・3222・3131
東京ドームからも至近距離にあり、チェックイン17時・チェックアウト14時が基本となっており、朝はゆっくり起きてお昼過ぎまでは部屋でテレワークする際にもおすすめのホテル。事前にアプリに顔情報などを登録しておくと顔認証で部屋に入れる。
仕事に適したデスクも用意。客室は8タイプで、バンクベッド(2段ベッド)を備える部屋もある。
〈WRITER’S VIEW〉チェックインも部屋の入室も顔認証でOK。特にルームキーを持たずに外に出る快感を一度味わってしまうと、やみつきになる。
事前に専用アプリに顔写真情報登録でルームキーに
「NEC Smooth Check-in」のアプリから顔写真データを登録して、予約情報と紐付けることで顔認証、もしくはQRコードでチェックインでき、そのまま顔認証で部屋に入ることができる。
【完全宿内完結で非接触】るうふ 書之家
[住]山梨県南巨摩郡身延町中山1784 [電]055・288・9016
山梨県の身延町にある一棟貸しで築100年の古民家を改修し、書道体験や呼吸法など様々な体験プログラムがある体験型宿泊施設。最大8人宿泊でき、部屋には檜風呂もある。館内にある『iPad』を使ってオンラインでつないでのチェックイン・アウトが可能。
築100年の古民家を改装しているが、貸し切りなので周りを気にせず過ごすことができる。
〈TORIUMI’S VIEW〉ひなびた古民家タイプの宿泊施設だが、コンタクトレスな接客はイマドキ! 多くのサービスを一棟で受けられるので家族旅行に最適。
スタッフと接触せずビデオ通話で手続き
部屋に入ったら宿内の『iPad』を使い、ビデオ通話でオンラインチェックイン&アウト手続きをする。困った時はいつでもオンラインで顔を見ながら話せるほか、チャット機能もある。
取材・文/鳥海高太朗