
着々と進む日本のキャッシュレス化だが、ありとあらゆるものを電子決済で完結するべきかといえば、疑問が残る。たとえば、お賽銭、冠婚葬祭費、お年玉などは現金のほうがいいと考える人が多そうだが、実際のところ、どうなのだろうか?
株式会社エイチームのグループ会社であるエイチームフィナジーが運営する「ナビナビクレジットカード」はこのほど、20歳以上の男女700名を対象とし「キャッシュレスと日本の贈り物文化に関する意識調査」を実施した。
約9割の人がキャッシュレス決済を利用
キャッシュレス決済が広まりつつある現代において、「キャッシュレス決済を使っていますか?」と質問したところ、約9割の人がキャッシュレス決済を利用していることがわかった。中でも、「クレジットカード・デビットカード」決済を利用している人が大多数を占める結果となった。
引き続き、”キャッシュレス”への注目度は高まっているようだ。
半数以上の人が「お賽銭・冠婚葬祭費・お年玉」のキャッシュレス化は望んでいない
「お賽銭・冠婚葬祭費・お年玉において、キャッシュレス決済ができるようになってほしいと思いますか?」と質問したところ、いずれも半数以上の人が「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した。
また、「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した人の中で、一番多かった理由が「気持ちがこもっていないように感じるから」と、便利さやお得さよりも気持ちの部分を問題に感じている人が多いことがわかった。昔から現金でのやり取りが当たり前とされていたこともあり、すぐに気持ちを切り替えるのは難しいのかもしれない。
「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した人の中で、以下のような理由もあった。特にお賽銭に関しては、”小銭を入れてジャリジャリと音を立てることで、神様に自分が来たことをお知らせする”という意味もあるようなので、キャッシュレスが浸透しない理由の一つなのかもしれない。
<お賽銭>
・どうすれば使えるようにできるのかわからないので(50代男性)
・小銭を投げるのが楽しい(50代女性)
<お年玉>
・子供にお金の重さを知ってほしいから(40代女性)
・お金のありがたみや使い方を実感してほしいから(40代女性)
調査前に、子どものいる人は「子供への昔からの文化の伝承」への意識が高く、それゆえ後ろ向きな回答が多いと考えていたのがそこまで差のない結果となった。
次に、「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人の中で、「現金・準備不要で楽だから」「プラスでポイントも貯まるから」といった理由の人が大多数を占めた。やはり、楽さやお得さにメリットを感じる人が多いようだ。
「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人の中で、以下のような理由もあった。
<冠婚葬祭費>
・受け取る側もデータ管理し易いだろうから(70代男性)
・盗難防止に有効(50代男性)
一部の人は、お歳暮や内祝いといったその他の贈り物はキャッシュレス対応でも良いと思っている
「今後、キャッシュレス決済の対応でも良いと思う贈り物はありますか?」と質問したところ、「その他・特になし」以外は、全て約2割の回答率だった。
また、「特になし」と回答している人が約6割もいることから、贈り物に関連するキャッシュレス化を望む声はあまり多くないことがわかった。
■専門家からのワンポイントアドバイス
今回の調査結果より、キャッシュレス決済の普及が進む一方で、贈り物関連のキャッシュレス化はあまり望まれていないことがわかりました。キャッシュレス決済そのものは便利と感じていても、贈り物のような”気持ち”の影響が強いものに関しては、あまり良いイメージを持たれないようです。
今まで現金でのやりとりが当たり前だと思っていたものも多いので、お得だとわかっていながらも良いイメージを持つことができないのも仕方がないでしょう。
また一方で、キャッシュレス化により、「便利になった」や「お得になった」という声もたくさん聞きます。「贈り物についてのキャッシュレス化が本当に必要なのかどうか」は、今後の議題にも取り上げられるようになってくるのかもしれませんね。(ナビナビクレジットカード 船戸朔夜氏)
<調査概要>
調査方法:インターネットによる調査
調査対象:全国にお住まいの20歳以上の男女
調査期間:2021年11月26日
調査エリア:全国
サンプル数:700名
出典元:株式会社エイチーム(Ateam Inc.)
https://www.a-tm.co.jp/
構成/こじへい
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