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リベンジ消費には期待できてもコロナ前には戻らない?アナリストが読む2022年の日経平均株価の動き

2022.01.25

一辺倒な右肩上がりではなかったとはいえ、コロナ禍以降、日経平均株価は異例というべきスピードで上昇してきた。2022年、その流れは変わってしまうのだろうか。まず2021年はどんな時に株価が上昇したのか、その原因を整理していこう。

金融緩和策が相場を牽引した

 コロナ禍の経済活動の自粛の一方で、株式相場は“絶好調”といえる動きを見せた。日経平均株価は、2021年9月に3万795円もの高値をつけた。

 この上昇を受け、「22年には史上最高値3万8915円を超えるのでは」と楽観視する声が聞こえてきている。米国ではダウ平均株価が2021年11月に史上最高値である3万6052ドル付近をつけており、それに牽引されて、日本の株価も上がるのではと期待する投資家は少なくない。

 20年から1年以上も続いた緊急事態宣言下での自粛生活で景気は冷え込んだのに、なぜ株価は上り調子なのか。その原因といわれているのが、「コロナ禍対策のための大規模な金融緩和」だ。

 各国の中央銀行は企業を支援しようと金融市場にお金を大量に流し込んだ。その恩恵にあずかろうとした投資家たちは、我先にと金融市場へ投資マネーを送り込んだ。市場には巨額のマネーが流れ込んだのに、我々個人への供給はごく僅かだったので、「国民の生活は苦しいのに株価は上昇する」という乖離が生じた。

 しかし、中央銀行の支援策にも終わりが見えてきた。2021年11月、米国の中央銀行FRBは「テーパリング」を発表した。これは、市場へのマネー供給を段階的に減らしていく施策である。つまり2022年は中央銀行の支援がなくなることで、株価が支えられなくなる懸念がある。

 だが、そもそも金融緩和を終了するのは「withコロナの見通しが立ったことで、今後の経済は上向くだろう」とFRBが判断したからだ。2022年は、「金融緩和がなくなる不安」と「コロナに打ち勝つ期待」のどちらが相場に優勢に働くのだろうか。

2021年の日経平均とNYダウ平均の推移

2021年の日経平均とNYダウ平均の推移

NYダウ平均は概ね右肩上がりだったが、衆議院選の期待感など、政治的な要因なども相まって日経平均株価は上下を繰り返した。

経済対策で市場の通貨供給量が増加した

経済対策で市場の通貨供給量が増加した

これは米国の例だが日本でも似たような供給量増加が起きている。コロナ禍以降、急激に増加した分が、株価に影響したといえる。

IMFの予想では世界経済のGDPは2022年に4.9%も上昇

IMFの予想では世界経済のGDPは2022年に4.9%も上昇

2021年以降の予測とコロナ禍前の2019年とでは、成長率は前者のほうが高い分、投資家の期待が高まる格好になっている。

【 プロはこう見る!】コロナ・リベンジで業績に期待も、〝コロナ前〟には戻らない

コロナで失われた人の流れが戻りつつある。自粛の反動によるリベンジ消費が、日経平均株価上昇に貢献するかと思いきや「楽観視するのは危険です」と、経済評論家の中原さんは警告する。いったい何がリスクとなるのか。

リベンジ消費に期待を寄せるのは悪い事ではありませんが、コロナ禍前水準に戻るというのは難しいでしょう

中原圭介さんアセットベストパートナーズ 経済アナリスト
中原圭介さん

2022年の日経平均最高値は3万1000円止まり?

ワクチンパスポートの整備遅れで悪影響!?

 コロナ禍前後で人々の生活様式にいくつもの変化があった。これが、リベンジ消費に対して期待できない理由だと中原さんはいう。

「飲食や旅行の需要が、コロナ禍前と同水準に戻るというのは難しいでしょう。例えば、会社の飲み会はリモートワークの普及で減っていますし、外国人の観光客によるインバウンド需要も回復は当面見込めないといっていい」

 日本経済が〝元どおり〟にならないとするもうひとつの理由が、「ワクチンパスポートの整備遅れ」だ。

「日本はワクチン接種率が高いにもかかわらず、肝心のワクチンパスポートの整備が遅れています。欧米では国を挙げての政策になっていますが、日本は自治体単位での取り組みにとどまっています」

 ワクチンパスポートはワクチン接種証明書となるだけでなく、サービスの優待をはじめとした様々な優遇措置を提供してくれるのだが、日本では自治体がそれぞれ独自の取り組みを行なっている。諸外国と比べても消費者にとって使い勝手が悪く、効果が薄いというのが中原さんの見立てだ。

「とはいえ、日経平均株価に対して、旅行や飲食業界の影響度は小さいので、リベンジ消費が少なかったとしても日本相場全体がガクッと下がるとまではいかないでしょう。そんな中で第6波がくればまた、経済が大打撃を受けるのは避けられません」

 消費者の〝自粛ストレス発散〟が、日経平均株価の上昇をもたらすと安易に考えてはいけない。

インフレの懸念が下落リスクとして襲いかかってくる

 個人のリベンジ消費に期待が持てないのなら、企業の視点ではどうだろうか。こちらも中原さんは、慎重な見方を示す。

「『国内企業物価指数』という企業取引でのインフレを表わす数値では、2021年10月は前年比8.0%と大きく増加しており、これが企業の業績に悪影響を与えそうです。物流の現場で人手不足が解消されれば、供給不足が解消して落ち着くと見られますが、2022年に完全に安定するのは難しいでしょう」

 5年、10年の長期視点で考えるとインフレは株価上昇によい効果をもたらす。しかし短期的に、特にBtoC(企業ー個人間)取引では悪影響をもたらすという。

「インフレで原材料費が高騰しています。例えば、大手牛丼チェーン店を手がける吉野家は10月29日、定番メニュー牛丼並盛を387円から426円へと39円値上げしました。こうした値上げはやむをえないものですが、どうしても個人消費者は離れて行ってしまう傾向にあります」

 牛丼業界でいえば、インフレ以外にも、米国産牛肉の需要増や、輸送や包装容器製造に欠かせない原油の価格上昇があるという。とりわけ原油価格の上昇は、生活費に直結しており見過ごせない。〝脱炭素〟が叫ばれて太陽光などの再生可能エネルギーの普及が進み、原油の需要は減っているはずなのに、なぜ価格は上がるのか。

「一連の脱炭素化の流れが悪い形となって表われてしまいました。2012年のパリ協定という脱炭素化に向けた取り組み合意で、原油関係への設備投資を縮小せざるをえなくなったのです。

 一方で再生可能エネルギーの供給はまだまだ不安定な状態が続いているため、現在では原油の需要に対し供給が追いついていません。11月24日に国家備蓄石油の放出が発表されましたが、効果は限定的でしょう」

〝脱炭素〟を目指しているのに原油価格の上昇が止まらないのはなぜ?

〝脱炭素〟を目指しているのに原油価格の上昇が止まらないのはなぜ?

需要に対して供給が追いついておらず、2021年11月にはレギュラーガソリンが160円/Lを突破し、家計にも企業にもますます打撃を与えている。

取材・文/久我吉史

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