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親には聞きにくい終活の本音を引き出す5つのフレーズ

2022.01.15

聞きたいが聞きにくい、親の”終活”問題

新型コロナの感染拡大がピークダウンしたかに見えた年末年始。ひさびさに里帰りし、親の老いをあらためて実感した人も多いだろう。終活についてできれば親と具体的に話し合い、できるだけ希望をかなえたいと思っていても、そうしたことはなかなか話しにくいのが現実だ。

理想は、ふだんのなにげない会話の延長から、親の本音や必要な情報を引き出すこと。そのコツを、『ゆる終活のための親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)の著者で、終活や葬送の専門家である奥山晶子氏に教えていただいた。

◎奥山晶子(おくやま・しょうこ)

冠婚葬祭互助会を経て出版社社員時代に日本初の喪主向け葬儀実用誌『フリースタイルなおわかれざっし 葬』を発行(不定期)。著書に『葬式プランターまどかのお弔いファイル』(文藝春秋)、『「終活」バイブル』(中公新書クラレ)などがある。2013年より2年間、「NPO法人 葬送の自由を進める会」理事。

使えるフレーズ①「年賀状って、どこに置いてある?」

葬儀に関するほとんどのことは葬儀会社に任せることができるが、家族でなければできないことも多くある。そのひとつが、葬儀の日取りや場所を知らせるべき近親者や友人のリスト作成。親から直接、「葬儀に呼びたい人リスト」をもらえていればベストだが、なかなかそうはいかないもの。そこで役立つのが、年賀状だ。

「年賀状の文面は、親しさをおしはかるバロメーターでもあります。『葬儀に呼ぶべき人』『喪中はがきのみでいい人』を分ける判断に使えることもあります」(奥山氏)

使えるフレーズ②「たまには家族写真でも撮っておこうか」

親族でなければできないことのひとつが、遺影用の写真の用意。急なことでちょうどいい写真が無い場合、記念撮影など大勢での集合写真を使用することも多い。しかし胸元から上によけいなものが映り込んでいて修正や合成着せ替えが必要になり、費用や時間がかかることも…。フォトスタジオで撮れば、プロの手によるハイレベルな遺影候補写真が手に入るし、孫や家族といっしょだと、自然な笑顔が出やすいというメリットもある。

「あまり早く遺影写真を用意しても、葬儀の時に若すぎて違和感があるのでは?と思うかもしれません。でも実は、長寿で亡くなった方ほど、遺影写真は10年以上前の、元気だった面影が残っている写真がいいとされています。遺影はずっと残るものなので、できるだけはつらつとした表情のものを選んであげたいですよね」(奥山氏)

使えるフレーズ③「いい保険知らない?」

生命保険などは、受取人が請求して初めて支払われる仕組みになっている。そのため親の死後、親がどんな保険に入っていたのかわからなかったため、保険金を受け取り損ねてしまうという事態も…。保険証券が見つからない場合も、保険会社の営業職員を通して加入している場合、その職員の連絡先がわかれば、必要な手続きをとってもらえる。こうしたもろもろの情報を聞き出せる会話のきっかけとなるのが、このフレーズなのだ。

「保険証券が見つかったとしても、今のシニアはおつきあいでいくつもの保険に入っているというケースが多いので、ご注意を。親が入っている保険の情報を聞き出すことは、親自身がどの保険に入っているか、いくつの保険に入っているか、満期はいつかなどのことをあらためて確認するきっかけにもなります」(奥山氏)。

使えるフレーズ④「この前、散骨の番組見てさ」

墓石を使用しない「樹木葬」や、お墓自体を持たず海や川などに遺骨を散らす「自然散骨」のニーズも高まっている。特に散骨は、30年前であれば違法と思われていたが、今では8割ほどの人が葬送の方法として認知しているというデータや、15%の人が「自然散骨を希望している」というデータ(2019年楽天インサイト調べ)もある。上記のようなフレーズが会話の中で出れば、興味のある親なら具体的な話になるはずだ。

「散骨は現在、法律に違反しているわけでもなければ守られているわけでもない、いわばグレーゾーンの葬送。一部の業者がマナーを欠いた散骨を行い、条例で散骨が禁止されてしまった自治体もあります。もし親が散骨を希望しているのであれば、その希望を叶えるために散骨に関する知識やマナーの情報収集をしておきましょう。2021年3月に厚労省が散骨事業者向けのガイドラインを発表したため、これを遵守できる業者を選ぶのが安心です」(奥山氏)。

使えるフレーズ⑤「おじいちゃんのお墓って、遠いよね」

「親が死んだら、先祖代々の墓に入るもの」と漠然とイメージしている人が多いが、お墓や仏壇の考え方は近年、シニア層でも大きく様変わりしている。そこで、そもそも両親が、先祖代々の墓に入る意向があるかどうかを知るきっかけに使えるのが、上記のフレーズ。

少子化が進む今後は、父方の実家、母方の実家、そして自分の墓と複数の墓の管理が大きな負担になり、悩む時代が来る可能性も大。そうした事態を避けるための「墓じまい」「永代供養」という方法もある。またお墓は相続税がかからない「祭祀(さいし)財産」なので、存命中にお墓を買っておくと節税になる。

「実は母親が、父親や義家族といっしょのお墓に入りたくないと考え、自分ひとりで入れるお墓を探しているというケースも珍しくありません。「よく考えたらお母さんって、全然知らない先祖のお墓を掃除したりしてるんじゃない、大変だね」といった会話も、そうした本音を引き出すきっかけになります」(奥山氏)。

よい終活ができれば、親は死してなお子供の心を支え続けられる

最後に、奥山氏から親の終活を考えている方々にアドバイスを。

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私が葬儀社で働いていた時、葬儀担当者としてのミッションは、「喪主や遺族にヒアリングして、より故人らしい葬儀をつくりあげること」でした。でも親の生前、特に関係性が悪くなかった子供達でも、ヒアリングの答えに詰まることはよくありました。中には「親の好きな花も知らなかったなんて」と自分を責める喪主も…。一方で、ストレートに尋ねてわからなかったことも、故人の思い出話からヒントを見つけるなど、ヒアリングに工夫すれば思い出してもらえることもありました。そうした経験が2021年に出した『ゆる終活のための親にかけたい55の言葉』という本の源泉になっています。

私は極論すれば、葬儀やお墓は生きている人のためのものだと思っています。やがて来る親との別れのために準備をするのは、少し寂しいことです。でも、いざという時の圧倒的な寂しさを、いろいろ準備していた頃の親と自分が支えてくれるとしたら、終活もいいものだと思いませんか。終活を考える親との何気ない会話そのものが、後にあなたの心を支える記憶として、ずっと生き続けることを願っています。

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▲「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」(奥山晶子著/オークラ出版)。「葬儀の心構えをしておくために」「希望のお墓や供養の方法を知るために」「介護や医療で迷わないために」「スムーズな生前整理のために」「財産や相続でモメないために」など、親とフランクに話すきっかけ作りのフレーズと解説がきめ細かく紹介されている

取材・文/桑原恵美子

取材協力/奥山晶子氏、オークラ出版

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