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新型コロナで大打撃を受けた航空業界はどこまで巻き返せるか?

2022.02.02

非航空事業の収益も好調!V字回復のスタンバイ

 新型コロナの影響が直撃し、需要が激減した航空業界。昨年度の搭乗者数はANA・JALともに国内線で約70%、国際線で約95%も減少し、2社合計で約8000億円という巨額の赤字となった。

「各社にとって一番想定外だったのは、行動自粛が長期化したこと。Go To トラベルで利用者が大きく回復しましたが、第3波の襲来で、先が全く見通せなくなりました」(航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗さん)

 リストラこそ回避できたが、コロナの収束が見えない中、給与カット、外部出向、経費節減を行ない、損益分岐点を下げていった。

「幸運だったのが、コロナ前の数年間、外国人旅行者が激増し、最高益に近い業績が何年間も続いたことです。もしリーマンショック級の経済危機とコロナが一度にきたら、両社の合併があったかもしれません」

 ただ、コロナ収束を黙って待っていたわけではない。ANA・JALともに、旅客機を使った国際貨物が黒字化して収益源となり、遊覧飛行の利用者数も好調に推移している。さらに、ANAは「ANAあきんど」を立ち上げ、地域創生事業にも注力。新発想のビジネスも好評で、応援消費を追い風に機内食通販は1億円以上を販売した。一方、JALは農家レストランが人気を呼び、ピーチ航空の5000円ガチャ「旅くじ」も想定以上のヒット商品となった。

 今後につながる新たな切り札としては、ANAが航空移動だけでなく、徒歩、電車、自転車、自動車による移動でもマイル交換可能なポイントが貯まるアプリ「ANAポケット」の提供をスタート。国際線よりも早い段階で復調を見込める国内線の集客を狙う。こうした非航空事業で収益をアップさせるためにまいたアイデアの種が、逆襲シナリオの強力な一手になると鳥海さんは読む。

「本格スタートを切った遠隔操作ロボット(アバター)を医療、教育、旅行などのコミュニケーションに生かすアバター事業に加え、2025年頃までには、コロナ前から実証実験を続けるドローンによる物流、空飛ぶクルマといった、気軽に空を移動できる〝エアモビリティー〟の事業化も予定しています。パンデミックで飛行機が飛ばなくても、違う領域で一定の利益を出せるビジネスモデルの構築が進めば、今後はより巨大な利益が生み出せると思います」

 想定どおりGo To トラベルが再開すれば来年度のV字回復は確実だ。

鳥海高太朗さん航空・旅行アナリスト
鳥海高太朗さん
世界の航空会社を利用しながら各メディアで積極的に情報発信や執筆を行なう。帝京大学非常勤講師。著書に『コロナ後のエアライン』(宝島社)がある。

駐機機材の活用と新戦略

駐機中のANA国際線の機体を1機貸し切りで行なう結婚式セレモニー

駐機中のANA国際線の機体を1機貸し切りで行なう結婚式セレモニー。

ネットオークション「ヤフオク!」に公式出店

ネットオークション「ヤフオク!」に公式出店。ANA機の部品や、本物のファーストクラスシートなどが出品され話題を呼んだ。

〈Case 01〉ANA

VR旅体験「SKY WHALE」もローンチ

新会社ANA NEOが提供するバーチャルトラベルプラットフォーム。仮想空間での旅行や医療、教育、行政サービスのほか、リアルな旅予約や買い物も可能なスマートシティーを体験できる。

ANA

ANA

〈Case 02〉JAL

機内食が楽しめる農家レストラン

成田空港近くにある、JALが手掛ける農家レストラン『DINING PORT 御料鶴(ごりょうかく)』。国際線の機内食を再現したメニューや、門外不出のJAL国際線ラウンジで提供するカレーを味わえる。

JAL

〈Case 03〉Peach

行き先を選べない旅「旅くじ」を企画

行き先を選べないおみくじ型カプセル自販機「旅くじ」。1回5000円で、カプセルには「行き先」を書いた紙とミッションなどが入っている。旅に出るワクワク感も魅力で売り切れが続出している。

Peach

Peach

渋谷・心斎橋・名古屋のPARCOに設置。カプセルにはピーチポイント6000円分以上とミッション、缶バッジを封入。

取材・文/安藤政弘 写真提供/鳥海高太朗

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年11月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

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