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4月から中小企業でも適用が開始される「パワハラ防止法」の気になる中身

2022.01.12

2022年4月1日より、「パワハラ防止法」が中小企業に対しても適用されます。

各企業は、厚生労働大臣が定める指針を踏まえて、職場におけるパワハラへの対策を講じなければなりません。

今回は、パワハラ防止法や関連指針に基づき、パワハラの要件・類型・各企業が講ずべき対策などをまとめました。

1. パワハラ防止法とは?

いわゆる「パワハラ防止法」とは、労働施策総合推進法※30条の2から30条の8の規定を意味します。

※正式名称:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

パワハラ防止法は、職場におけるパワハラが社会問題化していることを受けて、2020年4月1日から大企業向けに施行されました。

パワハラに当たる行為を定義したうえで、事業主が講ずべき雇用管理上の措置などを定めています。

経過措置の終了に伴い、2022年4月1日より、中小企業に対してもパワハラ防止法が適用されるようになります。

2. パワハラに当たる行為とは?

労働施策総合推進法で定義されるパワハラの要件と、厚生労働大臣の指針で示されているパワハラのパターンをまとめました。

2-1. パワハラの要件

労働施策総合推進法30条の2第1項では、パワハラを以下の要件を満たす言動と定義しています。

①職場において行われること

→会社のオフィス等のみならず、出張先なども「職場」に含まれます。

②優越的な関係を背景としていること

→「上司・部下」のみならず、「集団・個人」「知識や経験のある労働者・ない労働者」なども、「優越的な関係」になり得ます。

③業務上必要かつ相当な範囲を超えていること

→必要かつ相当な範囲の指導であれば、パワハラには当たりません。

④労働者の就業環境が害されること

→平均的な労働者の感じ方を基準として、看過できない程度の支障が生じる言動かどうかが判断されます。

2-2. パワハラの6類型

労働施策総合推進法30条の2第3項に基づき、厚生労働大臣が定める指針では、パワハラの類型として以下の6つを提示しています。

参考:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針|厚生労働省

①身体的な攻撃

・殴る
・蹴る
・物を投げる
など

②精神的な攻撃

・人格否定的な言動
・過度に長時間の叱責
・他の労働者にも伝わるような形での叱責(口頭、メール)
など

③人間関係からの切り離し

・長期間にわたる別室隔離や自宅研修
・集団での無視
など

④過大な要求

・長期間にわたり、過酷な環境下での不要な業務を命ずること
・能力に見合わない目標を課し、達成できなかったことを厳しく叱責すること
・業務とは無関係の私的な雑用を強制的に行わせること(例:お茶くみ)
など

⑤過小な要求

・能力に見合わないほど簡単すぎる業務を命ずること
・嫌がらせのために仕事を与えないこと
など

⑥個の侵害

・職場外での継続的な監視
・私物の写真撮影
・個人情報の不当な詮索、本人に無断での暴露
など

3. 中小企業が講ずべきパワハラ対策

パワハラ防止法の適用開始に対応して、中小企業においては、以下のパワハラ対策を講ずることが求められます。

①パワハラに関する方針の明確化・周知・啓発

・パワハラの禁止および行為者への懲戒規定などを、就業規則等に記載する
・社内報や会社ホームページなどを通じて、パワハラの禁止および行為者への懲戒規定などを労働者に周知する
・パワハラに関する研修、講習などを実施する
など

②パワハラに関する相談体制の整備

・パワハラ相談窓口を設置し、労働者に周知する(外部機関への委託も可)
・相談窓口担当者と人事部門が連携を行い、パワハラ事案に対応する
・パワハラ対応のマニュアルを整備し、相談窓口担当者に習熟のための研修を行う
など

③発生したパワハラへの迅速かつ適切な事後対応

・パワハラ事案の事実関係を迅速かつ正確に把握する
※相談者の心身の状況に十分配慮し、事実確認が不十分な場合には、必要に応じて第三者機関に紛争処理を委ねる
・パワハラの事実を確認した場合、速やかに被害者のための配慮措置を講ずる
※例:関係改善の援助、配置転換、行為者の謝罪、労働条件の不利益の回復、メンタル不調に関する相談対応など
・パワハラの行為者に対して、懲戒処分を含めた適正な措置を行う
・従業員研修などを通じて、再発防止を図る
など

④その他

・パワハラに関する相談者や行為者のプライバシーを保護する措置を講じ、労働者に周知する
・パワハラ相談をしたことによって、解雇その他の不利益な取り扱いをされない旨を就業規則等に明記し、労働者に周知する
※就業規則等に定めがなくとも、パワハラ相談を理由とした解雇その他の不利益な取り扱いは違法(労働施策総合推進法30条の2第2項)
など

4. まとめ

パワハラ対策のポイントは、

・従業員研修や相談窓口の設置を通じて十分な予防策を講じること
・実際に発生したパワハラにつき、個々の事情を十分に汲み取って迅速・適切に対応すること

です。

できる限りすべての従業員にとって、職場が快適な場所になるように、パワハラ対策を含めた企業努力を尽くしましょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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