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2050年のカーボンニュートラル実現に向けた欧州のグリーンディール政策と新循環型経済アクションプラン

2022.01.11

ローランド・ベルガーは、欧州のサステナビリティ動向に関する最新スタディ「欧州起点に加速するサステナビリティ対応 ~欧州グリーンディール政策と新循環型経済アクションプランの概要~」を発表した。

本スタディでは、欧州が2050年のカーボンニュートラルに向け、重点分野と位置付けた「包装」「プラスチック」「繊維」「食」「自動車・バッテリー」「建設・建物」「電子・情報通信機器」の7つの分野における政策動向についてまとめている。

2019年12月、EUではフォン・デア・ライエン委員長率いる新欧州委員会が発足し、その優先政策の1つとして欧州グリーンディールを発表した。

欧州起点に加速するサステナビリティ対応

欧州グリーンディールは環境保全に関する野心的かつ具体的な目標を掲げているが、単なる環境政策に留まらず、潤沢な資金と具体的な計画を伴い、環境対策に資するビジネスへの投資を通じた経済活性化と雇用創出を図っている。

2020年3月には、グリーディール実現に向けた循環型経済行動計画が発表され、環境負荷が高い「包装」「プラスチック」「繊維」「食」「自動車・バッテリー」「建設・建物」「電子・情報通信機器」の7つを重点産業と設定、具体的な施策を打ち出し、企業の行動変容を促している。

7つの重点産業の取り組み

重点産業それぞれの主な取り組みは以下の通りである。

「包装」

2025年の包装材リサイクル率の目標はEU全体で65%であり2018年時点で66.3%と既に達成。一方、成長するEコマースの影響を受け、過去10年間においてEU人口一人当たりの包装廃棄物は増加。より踏み込んだ成果創出に向けて2030年までにEUで使われる包装材を経済的に成立する形で全てリユース・リサイクル可能にするという目標が設定された

「プラスチック」

2030年までにEU域内で使用される全てのプラスチック包装材をリユースまたはリサイクルするという目標が設定。リサイクル材の使用や廃棄削減の義務化、マイクロプラスチックの利用制限や標準化・認証化が検討されており、EUの研究資金助成計画「Horizon 2020」を通じて巨額の研究開発資金も投入がされている。

「繊維」

2000年代には一部の先進アパレル企業により牽引されてきたサステナビリティへの取り組みは、2019年以降政策に波及し本格的な拡大期を迎えている。現在EUでは環境負荷軽減につながるデザイン・原材料・ビジネス環境・イノベーション等に亘る7つの包括的な施策が検討されており、今後規制や制約が設けられる流れにある。2023年中には、製品に一定の情報開示が義務化されるエコラベルが導入される見通し。

「食」

2020年5月に発表された「Farm to Fork戦略」にて、食品バリューチェーンの川上から川下までを網羅する形で、具体的目標値を設定。またフランスでは2016年には食品流通業者を対象に「食品廃棄物対策に関する法」が制定され、以降外食産業・農業食品部門に対象を拡大。民間企業でもサステナビリティを戦略の根幹に据える企業が増加している。

「自動車・バッテリー」

完成車メーカーに対し21年比で、25年で-15%、30年で-37.5%と非常に高い水準のCO2排出削減目標を設定。30年以降EU各国政府では将来的なガソリン・ディーゼル車の販売禁止を推進。バッテリーの需要が急拡大する中、ドイツではBEV用バッテリー向けツールであるデジタル・プロダクト・パスポートを開発、バッテリーの残存価値査定やリサイクル確立による循環型への移行、温室効果ガス排出量と環境インパクトの開示等の促進を図っている。

「建設・建物」

建物分野は温室効果ガス排出において36%を占めており、2015年比で2030年までに約60%の温室効果ガス排出削減が必要となる。欧州委員会は2020年10月に「リノベーション・ウェーブ戦略」を公表し、建物分野の最終エネルギー消費を14%、特にエネルギー消費を18%削減、これに伴い温室効果ガスの排出量を60%超削減する目標を設定し、実現に向けて建物のエネルギー効率に関する規定変更と実現に向けた資金提供を行う。

「電子・情報通信機器」

電子・情報通信機器のE-wasteは、レアメタル等の資源の無駄につながるだけでなく有害な物質を含む。EUでもE-wasteリサイクル率は40%以下でありかつ一人当たりのE-Waste発生量が16.2kgと世界で最も多く、早急な対応が求められる状況。「サーキュラー・エレクトロニクス・イニシアチブ」が提示され、デザイン・リユース・仕様共通化・有害物質等の観点から環境影響の削減に向けた取り組みが推進されている。

日本企業への示唆

欧州では重点産業それぞれに取り組み進捗に濃淡はあるものの、官民一体となってサステナビリティを推進している。一方、日本そして日本企業の取り組みは後れを取っていると言わざるを得ない。自動車産業におけるEV化の遅れ、グローバルの規制動向に対する予測の甘さはその典型例である。自動車産業だけでなく、かつて日本企業の競争力の高かった太陽光パネルや洋上風力発電機といった再生可能エネルギー分野などでも、その傾向が伺える。

一方で、欧州にて市民の意識の高まりがサステナビリティ推進の契機となったように、日本においてもCOVID-19を契機として人々のサステナビリティに対する意識が高まりつつある。特に、次代を担うZ世代において顕著に表れている(図)。就職・転職の場においても、多くのZ世代の求職者は、会社が社会的使命や存在意義を明確に持ち、社会課題と積極的に関わっていくことを期待するようになっている。サステナビリティ対応は、中途半端では済まされない社会からの要請であると言えよう。

日本企業はグリーン敗戦が決定的なものなる前に、サステナビリティ対応を企業戦略の最上位レイヤーに定め、トップダウンで自社の環境負荷の可視化、目標と施策の具体化を早急に進める必要がある。

図:年代別 COVIDを経たサステナビリティ関連の価値観重視者の増加割合1) (2021年ローランド・ベルガー調査)

構成/ino.

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