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世界的な人材不足といわれる「データサイエンティスト」に必要なスキルと求められる役割

2022.01.11

エスタイル「2021年の総括及び2022年の展望」

エスタイルは、データサイエンティストに関する「2021年の総括及び2022年の展望」を発表した。

世界的なデータサイエンティスト不足と高まる需要

近年のAI/機械学習技術の飛躍的向上により、AI関連人材の需要は大きな高まりをみせている。中でも、膨大なデータをAI/機械学習技術を用いて分析し、課題解決を行う職種である「データサイエンティスト」は今、世界的に注目を集めている。

しかしながら、注目の高さの一方で、データサイエンティストの育成は非常に難しく人数が少ないという問題がある。事実、2019年3月に経済産業省より発表された「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年にはIT人材は最大78.7万人の不足、AI人材は最大14.5万人不足すると試算されている。

データサイエンティストは上記資料におけるAI人材と近しい職能を求められることから、数字としてみても大きく人材が不足していることが推測できる。

データサイエンティスト人材獲得における3つの視点

このように、需要に対して大幅に不足しているデータサイエンティスト人材を育てる入り口として、大学をはじめとした教育機関がまず初めに考えられる。

アメリカではデータサイエンスを専門とする学部が一般的なものとして存在するが、日本でもデータサイエンスの学習に関しては大きな動きがある。

2019年6月に政府より発表された「AI戦略 2019 」では、2025年までに全ての大学・高専生(年間約50万人卒)が、データサイエンスの初級レベルを習得する目標を掲げている。

また、2021年8月4日に文部科学省が発表している「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)の 認定等について」では、国公立で31大学、私立で28大学の合計59大学が認定されている。

この認定は学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高め、かつ、それを適切に理解し活用する基礎的な能力を育成するため、数理・データサイエンス・AIに関する知識及び技術について体系的な教育を行う大学等の正規の課程(教育プログラム)に対して与えられる。このように、日本でもデータサイエンスの重要性への認識は高まり、急速に対応が進んでいる。

一方で、上述のような機関で教育を受けられなかった人材がデータサイエンティストになるための道は、いまだ未整備であるという現実がある。

事実、企業が掲載している「データサイエンティスト」の応募条件を確認すると、殆どの企業で「実務経験1〜3年以上」などの条件を提示しているといった現実がある。

データサイエンティストを「採用したい」という企業も、「なりたい」という転職希望者も数多くいる一方で、転職希望者がどんなに学習を積んだとしても実務経験不足により、企業が採用を敬遠しているというケースも存在する。

そのため、ごく少数の「経験のあるデータサイエンティスト」を採用すべく、多くの企業が熾烈な獲得競争を繰り広げている。

データサイエンスの「実務」を経験し、データサイエンティストとしての役割を担えるようになるための機会がまだ十分に存在していない実態は、構造的な人材不足を生んでおり、早急な人材獲得が求められる企業における喫緊の問題として認識を強める必要がある。

しかし、上述した即戦力人材を求めるという流れがある中でも、企業内で教育を行なう、すなわちデータサイエンティストを「育てる」企業も出てきている。

実際に2021年12月にも、大手IT企業ヤフーで全社員約8000人に対し、AIに関する社内教育を実施し、業務活用できるレベルまで育成する目標が報道された。

本事例のような動向により、企業における先端IT人材教育はますます加速するだろう。この流れには、オンライン学習プログラムの充実も背景にある。

今では日本語の自習教材の幅も広がり、自発的に学ぶことで、一定程度の知識やリテラシーを身につけることも可能だ。その上で、実務経験を積ませ、データサイエンティストとして成果を出せるようにする、このような中長期の視点を持つ企業も広がっている。

特にデータサイエンスチームが育ち始めている企業では、このような学習コンテンツを活用しつつ、教育機関との連携もはじまっている。

データサイエンティスト需要の複雑化

以前は「データサイエンス」という言葉について、ビジネスサイドからの関心事として取り上げられることは限られていた。しかし、AIやDXの流れがあるなかで、データを活用することが重要である、という認識が一気に醸成されてきている。

上記認識の醸成により、データサイエンティストへの需要の複雑性が増している。需要の内訳について、わかりやすいもので言えば、10年前から続いているデジタルマーケティングの分野。

オンライン上ではデータ取得が容易であり、アクセス分析やPDCAサイクルの運用によるグロース手法が日常的に使われている。

この点は変わらずだが、近年で言えば、デジタルマーケティング以外にもデータを活用しようという企業が多くなり、幅が広がっている。

2015年5月に経済産業省から発表された「新産業構造ビジョン」では具体的な各業界のビジョンが挙げられている。金融業界で言えば「共通基盤技術(AI、IoT、ロボット)」と「購買流通データ、金融市場データ」を組み合わせることで、「取引・決済データによる与信、資産運用アドバイスサービスの高度化」等の革新的なサービスを作れると紹介されている。

他にも、「個別化医薬品、自立に向けた介護ケアプラン」は「共通基盤技術」と「健康医療データ、介護データ」を組み合わせることが事例として挙げられている。また、先に挙げた金融業界、製薬・介護業界だけでなく、製造業、建築業等などのさまざまな業界でのデータ・AIの活用が注目されている。

ここまでで見てきた通り、AIとデータは密接な関係を持っている。そしてAIの発達によって、データサイエンティストに求められる役割も高度化してきた。

AI発達以前は、データを分析し、インサイトをまとめ、プレゼンテーションするというレポートベースのコンサルティング的なアウトプットが主流だったが、最近はそれがAIとつながり、分析を通じて明らかになったロジック等をAIに学習させ、システム化する流れになっている。

この一連のプロセスを担うのがデータサイエンティストであり、そこから近年分化して認識されるようになってきたAIエンジニア、データエンジニアなどになっている。

かつては与えられたデータを分析することがデータサイエンティストに求められるものだったのに対して、今はより業務実装や業務に近い大きな課題を解決する、という形で複雑化している。

すなわち、より一層業務に落とし込むことが求められるようになったといえる。これらを全て行なえる人材はいないため、例えばビジネスサイドとしては、AIプロジェクトをどのように回すのかということ、技術サイドはビジネス課題をどのように捉えてどのようにKPIを変えていくのか、ということを互いに意識することが大切であり、ビジネスと技術をリンクさせることが大切だ。

複雑化している背景のもう一つは、技術の幅の広さだ。近年高度化するデータ解析ツールによって自動化されるタスクも多数あると同時に、ビジネス実装で使っていくなかで足りない部分や新たな課題が当然見つかる。徐々にAIを活用できる幅は広がっているが、そもそも当該課題を解決するシステムを作れるのか、仮に作れたとして業務の中でその自動化を取り入れていけるのかという話も出てくる。

AIの事業実装における人的・社会的課題

人間が現在行なっていることをAIにやらせてしまうと、AIと人とで言っていることが食い違う状況も発生している。AIは統計的な、人はエキスパートとしての正解を出すが、それが相容れない状況が生まれるケースもある。この最適解を見出し、システムを業務に利用するとなれば、また新しい知見が必要になってくる。

自動運転自動車の事故に関して議論されているように、AIが間違いを起こしたら損失に繋がるようなことがあった時、責任はどこにあるのかという同じ議論が存在する。

また、直近で言えば、2021年12月22日に国の個人情報保護委員会により、「犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会の設置(案)」が提出され、犯罪予防等の社会的な利益と個人のプライバシー保護とのバランスが議論されている。

これらの例のように、ミッションクリティカルな業務の中でAIをどのように使っていくかは非常に難易度が高いテーマだ。このような状況下では、誰か一人の責任ではなく、責任は分散されている。

そして、このようなテーマへの回答は、事業運営者が考えていくべきもの。このように、実際にビジネス実装すると今まで考えていなかった課題が出て来る可能性がある。それが技術者にとっても非技術者にとっても、知見や経験を求められる状況であり、技術的な解決策の幅が求められているものといえる。

データサイエンティストにはビジネス理解力が求められる

企業がデータ人材の獲得を重視し始める数年前ははデータサイエンティストは何でもできるスーパーマンのように期待されていたため、役割分担の議論がされることは少なく、データサイエンティストのスキル要求は拡張されるばかりだった。

上述のようにデータサイエンティストに求められる業務範囲と難易度が広がった今、関わる人材の幅も必然的に広がってきた。

例えばデータエンジニア、AIエンジニアなどのように、役割が細分化されている。以前は一つの「データサイエンティスト」という言葉で括られていたが、役割の細分化に伴い、データサイエンティストにとっても何を強みにしていくのかを考えることが重要になっている。特に最近企業側から求められているデータ・AI関連人材には下記のような種別の分類が一般的になりつつある。

また、自分が取り組んでいることがどのように企業の問題解決・課題解決に役立つのかを抜きにして、「この技術に興味がある」「もっと精度を上げたい」など、技術的な目線だけでは、ビジネスに繋がらない。

ここで必要な考えは、「精度を上げたとしてそれは本当に優先順位が高いのか?」など、ビジネスの目線が必要だ。そのためには、対象となる企業のビジネスを理解する「ビジネス理解力」がデータサイエンティストに強く求められるだろう。

関連情報:https://estyle-inc.jp/

構成/DIME編集部

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