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採用担当者の7割が求人応募者と連絡がとれなくなる「ゴースティング」の経験あり

2022.01.05

アメリカなど欧米の企業では、採用担当者は採用業務のみを専任としていることが多いと言われる。では、日本ではどうだろうか?

Indeed Japanがこのほど実施した「採用担当者の業務実態」に関する調査によると、日本において採用担当者の多くが、採用以外の複数の業務を兼務している状況にあることが明らかになった。なお、本調査は、企業において直近1年間で採用実務に従事している方1,647名を対象に行われた。調査の詳細は以下の通り。

1.採用担当者の業務実態

■採用・人事業務以外も従事している採用担当者は72.4%にのぼる。販売・営業や総務などその他部門との兼務が多い傾向。

採用実務担当者に、直近1年間で実務に携わった業務内容を聞いた。その結果、「採用業務」のみに携わったと回答した人は24.1%にとどまった。また、採用以外も含め「人事業務」だけに携わったと回答した人は27.6%だった。72.4%が「総務」や「労務」などの人事・採用以外の業務を兼務している実態が明らかとなった。

■採用に割けている時間は業務全体の43.4%、採用も含む人事関連業務に割けている時間は51.0%。

それでは、各業務に割いている業務時間の割合はどうなっているのだろうか。各業務に自身の全体業務のどの程度の割合を割いているかを聞いたところ、採用業務に割けている時間は全体業務の43.4%だった。採用も含む人事関連業務に割けている時間は51.0%。日本の採用担当者は、採用以外のさまざまな業務に従事している実態が明らかとなった。

また、企業規模別で従業員2~299名の企業で採用業務に割けている時間は平均35.5%で、従業員300名以上の企業になると、平均5割以上の時間を割けている違いもみられた。

■採用業務の中で、人材採用のために最も重要なのは「面接」。

それでは、人材採用業務における業務実態はどのようになっているのだろうか。最初に、人材採用業務フローの中で最も重要だと思う業務をたずねたところ、1位は「面接の実施・同席(12.5%)」、2位は「人材要員計画・採用計画の立案(10.0%)」だった。

採用担当者が最も重要であると考えている「面接の実施・同席」には、どの程度時間をかけることができているのだろうか。求職者から応募があって以降、内定を出すまでのフローは何度も繰り返されるフェーズとなるため、特に、応募以降のフェーズに絞って、かけている業務時間の割合を調査した。

その結果、「面接の実施・同席」には、平均16.1%しか時間をかけられず、面接実施前の各種調整業務に平均52.4%の時間がかかっていることがわかった。

2.採用担当者の課題/問題意識

■74.9%が、応募者と連絡が取れなくなる『ゴースティング』を経験。

それでは、採用担当者が、採用業務においてかかえる課題にはどのようなものがあるのだろうか。

Indeedのアメリカで2019年に実施した調査結果からは、採用担当者の83%が応募者の『ゴースティング』を経験していることがわかっている。本調査から、日本においては、この『ゴースティング』を経験したことのある採用担当者は74.9%にのぼることがわかった。

応募者の『ゴースティング』の内容についてみてみると、44.2%が「応募を受け付けた後、応募者へ連絡をしたが、何の返信もなかった」、40.7%が「約束した面接に応募者は来ず、更にその後も連絡はなかった」、33.4%が「面接の日程調整に入ってから連絡が途絶えた」といった経験の実態があった。

■採用業務における課題/問題意識で多かったのは、1位「求める人物像と異なる人の応募が多い」(41.9%)

人材採用業務における課題・問題意識について聞いた。最も多かった回答は「求める人物像と異なる人の応募が多い」(41.9%)、続いて「求人に対する応募が増えない」(40.7%)で、ともに4割を超え、3位以下の約2倍の結果となった。

採用業務における課題としては、求職者の応募に関するものが多いことがわかる。自社が求める人物からいかに応募してもらうかに頭を悩ませている採用担当者が多そうだ。

次いで、3位は「面接日程・方法の調整にコスト(時間、人手)などがかかっている」(21.7%)、4位「書類選考のコスト(時間、人手)などがかかっている」(19.5%)で2割程度が該当した。求職者の応募に関する課題の次に、面接調整業務や書類選考にコストやリソースがかかっているなど、各種調整業務の効率化が課題になっている様子がわかる。

なお、自由回答で、人材採用の業務全般において「変革させたい」と思うことを聞いたところ、以下のような回答が得られた。採用業務の中で最重要視されている「面接」を、いかに効果的に行えるかという点で、変革を望む人が目立った。

◆「応募要項と異なる条件の方が来ることも多く、面接前に天秤にかけ、面接を効率的にできたらより使える時間も多くなる。」(女性/32/東京/会社員(事務系))
◆「オンライン面接を取り入れることで、面接希望者が会社まで来なくて済み、負担を軽減させたい。また、オンライン面接により、日本全国から応募しやすい状況にしたい。」(男性/33/東京/会社員(その他))
◆「要件を満たしていない人の応募は減って欲しい。連絡も無しに面接に来ない非常識な人は排除して欲しい。そのような人に費やす時間があったら他のことに時間を使いたい。」(女性/49/北海道/会社員(事務系))

調査結果に対する有識者コメント:株式会社人材研究所 曽和 利光氏

採用業務において最も重要なプロセスは言うまでもなく面接であり、面接をしない会社はありません。アメリカなどではプロのリクルーターという職務が確立されているくらい、面接は専門的スキルが必要でかつ重要な価値を持つプロセスです。それにもかかわらず、現在の日本の採用担当者が面接に2割にも満たない時間しか使えていないということは驚きの事実です。

加えて、面接以外の業務にそれだけの時間をかけているのに、ゴースティングが多数発生していることは残念なことです。私自身やクライアントの採用事例をみていると、ゴースティングが発生する最大の要因は、採用活動のスピードです。応募者への連絡や採用プロセスの進展が遅くなればなるほど、ゴースティングの割合が多くなっていきます。面接ができなければ、マッチングも何もありませんので、まずはきちんと面接にきてもらえるように、採用活動を効率化しスピードアップすることが必要です。

採用業務は、広告出稿や求人依頼、応募受付、日程調整、データ管理など、様々な業務があり、どの作業一つ抜けても採用はできません。しかし、候補者とのコミュニケーション以外の作業にいくら時間を費やしても、採用におけるマッチングの精度向上にはつながりません。

ですから、採用活動の遂行スピードを上げるだけでなく、面接などのマッチングにリソースを割けなければ、本来はフィットしない「間違った人を効率的に採用する」ことになってしまいます。欲しい人が必要数集まらない現状においては、経歴や第一印象とは違い、自社に合う人をみつけ出すためにも、面接にしっかりと時間をかけていくことは大変重要です。

以上から、現在の採用における問題の中心は、面接「以外」の採用活動の効率化と、その分できたリソースを面接などのコア業務に振り分けられるかにあると思います。さらに、今後も長らく続くと思われる少子化を背景とした構造的な「売り手市場」においては、面接では企業が応募者を評価するだけでなく、応募者の意向度を高めていく場としても重要です。

ですから、限られた面接時間をWEB面接(録画面接含む)や構造化面接などを導入することで効率化し、残った時間は応募者が自社をきちんと理解し入社意欲がわくような情報提供をする場としても活用していくことも必要です。

【有識者プロフィール】
曽和 利光(そわ としみつ)氏
株式会社 人材研究所代表取締役社長

愛知県豊田市生まれ、関西育ち。灘高等学校、京都大学教育学部教育心理学科。リクルート、ライフネット生命などで採用や人事の責任者を務める。その後、人事コンサルティング会社人材研究所を設立。日系大手企業から外資系企業、メガベンチャー、老舗企業、中小・スタートアップ、官公庁等、多くの組織に向けて人事や採用についてのコンサルティングや研修、講演、執筆活動を行っている。著書に「人事と採用のセオリー」「人と組織のマネジメントバイアス」「できる人事とダメ人事の習慣」「コミュ障のための面接マニュアル」「悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?」他。

<調査概要>
採用担当者の業務実態に関する調査
・調査主体:Indeed Japan株式会社
・調査対象:ここ一年間で実務を行っている企業の人事・人材採用担当者1,647名
・割付方法:実務担当(人材採用のみ/人材採用及びその他の業務)と従業員数(2~299人/300~999人/1000~4999人/5000人~)をそれぞれ掛け合わせてアンケートを回収。スクリーニングの出現率に基づいてウエイトバック集計を実施。
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2021年10月22日~11月2日

出典元:Indeed Japan株式会社
https://jp.indeed.com/

構成/こじへい

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