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緊急事態宣言解除を受けて約2割の企業が出社率の引き上げや在宅勤務の取り止めを実施

2021.12.27

東京商工リサーチ、第19回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

東京商工リサーチは、第19回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査を公開した。

9月30日で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置は全面解除されたが、今度はオミクロン株のアンケートを実施した。今年11月の売上高が前年11月と比べ「半減」以下の企業(売上半減率)は、飲食業は「ゼロ」だった。

前回調査(9月)で、前年9月と比べた飲食業の売上半減率は31.9%で、全業種のうち、ワーストだった。コロナ禍で客足が遠のいた前年同月との対比という条件付きではあるが、緊急事態宣言などの全面解除、新規感染者数の減少で、飲食業の業況の底打ちを示している。

一方、緊急事態宣言などの解除を受け、合計2割近くの企業が出社率の引き上げや在宅勤務をとりやめたと回答した。「感染リスクの低減」のほか、「従業員間のコミュニケーション不足」や「生産性の低下」を理由に挙げた企業が多い。コロナ禍の緊急避難的な対応で導入された在宅勤務・リモートワークだったが、定着するには多くの課題を残しているようだ。

また、コロナ禍での赤字累積や借入金の増加による「過剰債務」が問題に浮上しているが、借入金の返済が「全く問題ない」と回答した中小企業は48.5%にとどまった。コロナ禍で膨らんだ債務への対応を含め、今後の支援のあり方も問われそうだ。
※ 本調査は12月1日~9日にインターネットによるアンケート調査を実施。有効回答7,446社を集計、分析した。
※ 前回(第18回)調査は、2021年10月21日公表(調査期間:10月1日~11日)。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。

Q1.新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)

最多は、「影響が継続している」で66.3%(7,446社中、4,942社)。一方、「影響が出たがすでに収束した」は13.9%(1,037社)で、第7回調査(2020年8月)に本選択肢を設定して以降、最多となった。

規模別では、「影響が継続している」は大企業が71.6%(1,259中、902社)に対し、中小企業は65.3%(6,187社中、4,040社)だった。前回調査では、それぞれ75.2%、69.3%で約4ポイントダウンした。

Q2.貴社の2021年11月の売上高は、前年同月(20年11月)を「100」とすると、どの程度でしたか?

今年11月の売上高を聞いた。Q1で「影響が継続している」、「影響が出たがすでに収束した」と回答した企業のうち、4,467社から回答を得た。「100以上」は57.4%(2,568社)で、42.5%が前年割れ(減収)だった。

規模別の「減収企業率」は、大企業が33.4%(633社中、212社)に対し、中小企業は44.0%(3,834社中、1,687社)で、中小企業が10ポイント以上上回った。中央値は全企業が100(2021年9月は100)、大企業が101(同100)、中小企業が100(同99)だった。中小企業も100を回復した。

業種別「売上半減率」(前年同月比50以下)、「飲食業」が大幅改善

11月の売上高が前年同月と比べて半減(50以下)した企業を業種別で分析した(業種45分類、回答母数20以上)。「売上半減率」が最も高かったのは、アパレル小売が含まれる「織物・衣服・身の回り品小売業」の10.0%(20社中、2社)で唯一、1割を超えた。

以下、「建設業」の9.8%(355社中、35社)、「宿泊業」の9.6%(31社中、3社)と続く。2021年9月の売上半減率が31.9%で全業種中、最も高かった「飲食業」はゼロ(全36社)だった。緊急事態宣言等の全国的な解除が影響したとみられる。

Q3.貴社の2021年11月の売上高は、コロナ禍前の一昨年(2019年)11月を「100」とすると、どの程度でしたか?

コロナ前の2019年11月と比較した売上高を聞いた。Q1で「影響が継続している」、「影響が出たがすでに収束した」と回答した企業のうち、4,405社から回答を得た。「100以上」は40.5%(1,787社)で、59.4%が減収だった。規模別では、大企業の50.4%(621社中、313社)、中小企業の60.9%(3,784社中、2,305社)が減収だった。

業種別(業種45分類、回答母数20以上)の「売上半減率」では、旅行や葬儀、結婚式場などを含む「生活関連サービス業,娯楽業」が29.8%(77社中、23社)でワースト。以下、「織物・衣服・身の回り品小売業」の22.7%(22社中、5社)、「宿泊業」の20.6%(29社中、6社)と続く。中央値は全企業が94、大企業が99、中小企業が92だった。

Q2とQ3で売上高が「101」以上の業種、単価上昇の影響も

Q1で「影響が継続している」、「影響が出たがすでに収束した」と答えた企業のうち、Q2とQ3で売上高「101」以上の回答をそれぞれ業種別(業種45分類、回答母数20以上)で分析した。

Q2の前年9月との比較では、「木材・木製品製造業」が76.0%(25社中、19社)で最も高かった。次いで、「鉄鋼業」の73.9%(46社中、34社)だった。

ただ、これらの業種は販売数量の増加とは別に、原材料価格が高騰しており、単価上昇が影響している可能性もある。Q3のコロナ禍前との比較では、トップは「非鉄金属製造業」の57.6%(26社中、15社)。次いで、「鉄鋼業」の54.3%(46社中、25社)だった。

Q4.在宅勤務の状況について伺います。9月30日をもって緊急事態宣言が全国で解除されましたが、出社率(出社する人数、日数)の方針に変化はありますか?(択一回答)

最多は、「解除前も解除後も「在宅勤務」制度を導入していない」の41.8%(7,357社中、3,075社)だった。「解除後は出社率を引き上げた」は13.5%(993社)、「解除後に在宅勤務制度を取りやめた」は5.7%(423社)で、合計2割近い企業で出社率を引き上げたことがわかった。

また、中小企業の「解除前も解除後も在宅勤務制度を導入していない」は、46.4%(6,107社中、2,839社)で、半数近くにのぼった。

Q5.Q4で「解除後は出社率を引き上げた」「解除後に在宅勤務制度を取りやめた」と回答された方に伺います。理由は次のうちどれですか?(複数回答)

Q4で「解除後は出社率を引き上げた」「解除後に「在宅勤務」制度を取りやめた」と回答した企業のうち、1,409社から回答を得た。最多は、「感染リスクが低減されたため」の73.0%(1,409社中、1,029社)。

以下、「従業員間のコミュニケーション不足」は48.6%(686社)、「生産性が低下したため」の26.1%(368社)、「在宅勤務をできない従業員との不公平感を解消するため」の25.3%(357社)と続く。

規模別では、「情報セキュリティの不安を払しょくできないため」は、大企業では6.2%(445社中、28社)だったのに対し、中小企業は10.3%(964社中、100社)と4ポイント以上差が開いた。

Q6.コロナ禍の収束が長引いた場合、「廃業」(すべての事業を閉鎖)を検討する可能性はありますか?(択一回答)

廃業を検討する可能性が「ある」は5.8%(6,833社中、402社)、「ない」は94.1%(6,431社)だった。「ある」は前回調査(10月)より0.3ポイント悪化した。

規模別では、大企業で「ある」と回答した企業は1.0%(1,141社中、12社)だったが、中小企業は6.8%(5,692社中、390社)だった。

業種別 「飲食店」が大幅改善

廃業検討の可能性が「ある」と回答した企業を業種別で分析した(業種中分類、回答母数20以上)。構成比が最も高かったのは、「宿泊業」の28.5%(28社中、8社)だった。

以下、「その他の生活関連サービス業」の27.7%(36社中、10社)、「織物・衣服・身の回り品小売業」の22.7%(22社中、5社)、「飲食店」の17.6%(34社中、6社)と続く。前回調査では構成比35.7%で最も高かった「飲食店」は18.1ポイント改善した。

Q7.Q6で「廃業」を検討する可能性が「ある」と回答された方に伺います。検討するのは、いつ頃ですか?

Q6で「ある」と回答した企業401社から回答を得た。「1年以内」は30.6%(123社)だった。大企業の「1年以内」は33.3%(12社中、4社)、中小企業は30.5%(389社中、119社)だった。

一方、大企業の「25カ月以上(先)」は16.6%(2社)、中小企業は40.6%(158社)だった。

Q8.コロナ禍の収束が長引いた場合、再生支援協議会や事業再生ADR、民事再生法などを活用して「事業再生」を検討する可能性はありますか?(択一回答)

「ある」は5.0%(6,538社中、331社)。前回調査(10月)の5.9%から1ポイント近く改善した。「ある」と回答した企業を業種別で分析した(業種45分類、回答母数5以上)。構成比が最も高かったのは、「生活関連サービス業,娯楽業」の23.1%(82社中、19社)だった。

規模別でみると、大企業で「ある」は1.7%(1,112社中、19社)、中小企業は5.7%(5,426社中、312社)だった。前回調査では、大企業の「ある」は1.1%、中小企業は6.9%だった。

Q9.Q8で「ある」と回答された方に伺います。「事業再生」を検討する可能性があるのは、いつ頃ですか?

Q8で「ある」と回答した企業330社から回答を得た。「1年以内」は42.1%(139社)だった。大企業の「1年以内」は21.0%(19社中、4社)、中小企業は43.4%(311社中、135社)だった。

Q10.貴社の借入金について、返済の見通しは以下のどれですか?(択一回答)

借入金のある5,754社から回答を得た。最多は「全く問題ない」の51.9%(2,989社)で5割を超えた。企業規模別では、「全く問題はない」は大企業が71.9%(839社中、604社)だったのに対し、中小企業は48.5%(4,915社中、2,385社)だった。中小企業の半数以上が、コロナ禍で膨らんだ借入金の返済が万全の状態でないことが浮き彫りになった。

Q11.原油などの原材料価格の上昇が貴社の利益に与える影響は以下のどれですか?(択一回答)「影響あり」が7割

最多は「利益をやや圧迫している」の52.3%(7,030社中、3,678社)だった。「利益を大きく圧迫している」は19.6%(1,380社)で、合計71.9%の利益に悪影響を及ぼしていることがわかった。

規模別では、大企業の71.0%(1,146社中、814社)が「圧迫」と回答。また、中小企業では72.1%(5,884社中、4,244社)だった。

Q12.貴社が使用する原材料の価格は、今年度末(2022年3月末)までの間にどう変化すると見込まれますか?(択一回答)

「上昇する」が77.5%(6,748社中、5,235社)、「変わらない」が20.7%(1,398社)だった。「下落する」は1.7%(115社)にとどまった。

規模別では、大企業の75.4%(1,091社中、823社)、中小企業の77.9%(5,657社中、4,412社)が「上昇する」と見込んでいる。

前々回調査(8月)、前回調査(10月)で改善した「廃業検討率」が再び悪化した。全企業で5.8%(前回比0.3ポイント増)、中小企業では6.8%(同0.4ポイント増)で、今年3月の水準に逆戻りした格好だ。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置は9月30日で全面解除されたが、オミクロン株の世界的な感染拡大、日本国内への入国制限などで、再び企業心理が冷え込んだとみられる。

原材料価格の高騰の影響について、7割を超える企業(71.9%)が利益を「圧迫」と回答した。今年度末(2022年3月末)までの原材料価格の見通しについては、77.5%の企業が 「上昇する」と回答している。経済の再活性化への期待は高まっているが、現実は厳しい見方を持っている。

感染拡大を抑え込み、コロナ禍の収束への道筋をつけたとしても、「利益なき売上回復」に帰結しかねない状態だ。

また、「過剰債務」への対応も避けて通れない。借入金の返済について、「全く問題ない」と回答した中小企業は48.5%にとどまる。半数以上が万全ではないことが、今回の調査で改めて浮き彫りになった。金融債務のリスケ(返済猶予)やデフォルトは、企業のレピュテーション(風評)に直結し、取引先の信用収縮など企業活動に大きな影響を与えかねない。

返済の確実性を高めるには単なる紋切り型でなく、資金供給の枠組みの発想転換と同時に、過剰債務の企業に寄り添った多様な支援策が求められる。再生支援協議会や事業再生ADR、民事再生法などを活用して「事業再生」を検討する可能性(抜本再生検討率)については、5.0%が「ある」と回答した。業種では、旅行や葬儀、結婚式場などを含む「生活関連サービス業,娯楽業」が23.1%で最も高く、アパレル関連、飲食業、宿泊業も10%を超えた。

コロナ禍に直撃された業種が上位に並ぶ。事業再構築に向けた支援策は評価されるが、その恩恵は企業全体では一部にとどまるとみられる。コロナ禍で厳しい状況に立たされた業種を念頭に、企業が前に向かって動き出す施策が急務だ

関連情報:https://www.tsr-net.co.jp/

構成/DIME編集部

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