
「うどん」と弁当、一見ありそうでなかった組み合わせの商品が今年大ヒットを記録した。その開発の舞台裏には、〝手づくり・できたて〟にこだわり、店内と遜色ないクオリティーに仕上げるための試行錯誤があった。
発売から約7か月で1500万食突破!
丸亀製麺『丸亀うどん弁当』
390円〜
『丸亀うどん弁当』は、運びやすく持ちやすい四角い容器にぶっかけうどん(並・冷)1玉と、天ぷら、おかずを盛り付けたもの。『2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当』(390円/容器代含む。以下同)『3種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当』(490円)などコスパの高さも支持された。※店舗によって取り扱い商品が異なる場合があります。
〈 開発者はこの人!〉
トリドールホールディングス
商品開発部 商品開発課
アソシエイト・マネージャー
浦郷裕介氏
2020年末に企画が始動した当初はうどんで弁当ができるのか、不安だったという浦郷さん。弁当に何が入っているとうれしいか、どうしたらフタを開けた時に喜ばれるかを突き詰めていった。
麺のおいしさを味わってもらうためにおかずも独自に開発
丸亀製麺は2020年5月から、店内で提供するメニューのテークアウト販売を始めました。コロナ禍で急拡大したデリバリー需要に対応したものですが、定着するにつれて丸亀製麺ならではのテークアウト専用メニューの提供を模索。その末に誕生したのが、2021年4月から全国の店舗で販売を始めた『丸亀うどん弁当』です。
弁当の主役はもちろん、うどん。店内提供と同じ、お店で打ちたてのうどんを使っています。このほかに天ぷらと、彩りなどを考慮して専用のおかずも添えることにしました。おかずは麺のおいしさとだしの風味を味わってもらいたいので、主張が強すぎない、きんぴらごぼうと玉子焼きの2品にしました。
この2つに決まったものの、きんぴらごぼうは、だしの味のバランスが崩れないよう試行錯誤を繰り返し、独自に開発。玉子焼きも、十数種類の中からだしに合うものを選定していきました。
うどんに欠かせない天ぷらは、丸亀うどん弁当でしか食べられない野菜バラ天を使っています。これは野菜かき揚げに使われている玉ねぎ、にんじん、青ねぎ、さつまいもをバラバラにして揚げたもの。野菜かき揚げをうどん弁当でも楽しんでいただきたく、具材をバラバラに揚げて詰めています。天ぷらには、だしに油や具材の旨みをプラスする役割もあるんです。
うどん弁当はただ、店舗で提供している麺、天ぷら、だしを四角い容器に詰めたものではありません。弁当ならではの工夫が詰まったものなのです。
天ぷらに野菜バラ天とちくわ磯辺天を使った定番の『2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当』は390円。お客様からは「お得でうれしい!」「うどん、天ぷら、おかずが入ってボリューム満点」「時間がたってもおいしい」といった声をたくさんいただきました。発売後もお客様から、手づくりできたてのおいしさ、コストパフォーマンスの高さを評価いただいております。
『丸亀うどん弁当』は定番品だけではなく、季節ごとのメニューも販売しています。店舗以外でも手づくり、出来たてのうどんを、年間を通じて味わっていただきたいです。
秋の味覚、さんまを贅沢に1匹使用!
定番だけでなく旬の食材を使った商品も投入している。『さんま天と定番おかずのうどん弁当』(490円、すでに販売終了)も大ヒットを記録。
店内で打ちたてのうどんへのこだわり
「店内でお召し上がりいただく打ちたての麺のおいしさには自信がありますので、同じものを味わってもらうことにしました」(浦郷さん)
【ヒットの方程式】
コロナ禍のテークアウト需要を受け、
店舗と同じおいしさを店舗で食べる以上の驚きのコスパで実現して支持された。
取材・文/大沢祐司
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年11月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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