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宇宙ビジネスの起爆剤となるか?ロボティクス技術を最前線で支える注目の企業

2021.12.28

宇宙空間でのロボティクス技術というと、どのようなことを思い出すだろうか。宇宙に詳しいかたであれば、おそらく国際宇宙ステーションISSに搭載されているロボットアームCanadarm2などを一番初めに想像されるかもしれない。もしくは、NASA火星ローバーPerseveranceのロボットアームだろうか?宇宙でも様々なフィールドでロボットアームが活用されている。これらのロボットアームを含むロボティクス技術は、将来の宇宙ビジネスが拡大していく上で、大きな役割を果たすと考えられる。今回は、そのような話題について触れたいと思う。

将来、宇宙空間で拡大する製造、組み立て?

2021年12月、前澤友作氏が国際宇宙ステーションISSに無事到着。前澤友作氏は、宇宙へと行く前からロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターからの訓練の様子や国際宇宙ステーションISSでの宇宙での生活の様子などを、我々が興味のある視点で有益な情報を発信している。彼の発信している動画を見ていると今後の身近になるだろう宇宙旅行がイメージできてとてもわかりやすい。

少し話がずれたが、このように宇宙というフィールドは、我々にとって身近になりつつあり、本当に宇宙ビジネスへ参入している様々な民間企業にとって”真のビジネス”として活性しはじめるのではないか、そんな雰囲気を感じる。

我々が宇宙というフィールドを身近に感じ、宇宙ビジネスが活性化するには、宇宙空間に様々なインフラが整備される必要がある。インフラという表現は、少し語弊があるかもしれないが、例えば、宇宙ホテル、スペースコロニー、月面基地、宇宙太陽光発電設備などで、それに付随する装置、設備、施設なども含む。これらに共通するのは、大型であること。現在人類が宇宙空間で建設した最も大きな構造物は、国際宇宙ステーションISSだろう。

国際宇宙ステーションISSは、今の形のものを一気にロケットで打ち上げたのではない。徐々に徐々にモジュール、機器などを分割してロケットに搭載し、宇宙へと輸送し、その後宇宙空間で、接続して、今のような大きさになったのだ。とても平たく言えば、レゴのブロックを繋ぎ合わせるように。この接続の際に、ロボティクス技術が活躍するのだ。

国際宇宙ステーションISSのロボットアーム

スペースコロニーはロボットで建設する?

Gateway Foundationは、幅448m、高さ76mもの巨大のスペースコロニーを建設する計画を立てている。しかも2027年までにというから驚きだ。国際宇宙ステーションISSの100m程度の大きさと比べると、本当に可能なのかと疑いたくなる構想だ。しかし、彼らによると、この構想は現時点でフィージブルだという。ではどのように建設するのだろうか。

公開されている情報によるとGSAL(Gateway Segment Assembly Line)が活躍する。GSALとは、直方体の形状をしたもので、ロボットアームや溶接する機能を具備している。GSALはこのスペースコロニーの外側の部材を溶接で繋ぎ、あるパーツを作ることができる装置。そしてロボットアームによってすばやく接続し組み上げていくという。これによって宇宙空間へとヒトが、大きな宇宙服を着用して、作業するEVAを実施する必要がなくなるという。もちろん、ヒトによる遠隔操作も可能。Podというキューブ型のロボットで、スペースコロニー船内の作業員によって遠隔操作しながら、組み立てることもできるという。

GateWay Foundationが構想するスペースコロニー
(出典:Geteway Foundation

衛星も宇宙で修理、組み立てる時代へ?!

上述でGateway Foundationという財団が構想する大規模なスペースコロニーの構想を紹介した。他にも、衛星を宇宙空間で修理、組み立てる計画も動いている。MAXARは、NASAと共にSPIDERというロボティクス技術を開発している。2021年3月時点で既にCDR(詳細設計)を完了している。

SPIDERとは、Space Infrastructure Dexterous Robotの略。SPIDERにより、7つの個別のアンテナ反射器要素を空間に組み立てて、1つの大きく高精度な形状のアンテナ反射器を作ることができるという。他にも故障した衛星コンポーネントを取り替えるなどの作業も可能だとか。

MAXARの衛星組み立てロボット SPIDER
(出典:MAXAR

スペースデブリ除去ビジネスだってロボティクス技術が使われる?!

スペースデブリ除去ビジネスでもロボティクス技術が使われるケースがある。もちろん、スペースデブリを除去するには、ランデブードッキング技術はもちろんのこと、スカパーJSATらが計画するレーザーアブレーション技術を使ったスペースデブリ除去方法などもあるだろう。

ClearSpaceは、ロボティクス技術を使ってスペースデブリを除去する計画だ。衛星をスペースデブリまでランデブーし、4本のロボットアームの使ってスペースデブリを捕獲するのだ。このロボティクス技術は、スペースデブリをしっかりと捕捉、保持する技術、離脱させない技術など高い技術が詰まっているのだ。

ClearSpaceのスペースデブリ除去のイメージ
(出典:ClearSpace)

これまで、宇宙空間、宇宙船外のロボティクス技術を紹介してきたが、与圧部分、宇宙船内での取り組みもある。先日2021年10月に日本の宇宙ベンチャーGITAIは、国際宇宙ステーションISSのBishopエアロック船内にてGITAI宇宙用自律ロボットS1による汎用作業の遂行技術実証を完了している。もちろん、GITAIでは、宇宙空間、宇宙船外でロボティクス技術を使う計画もある。

GITAIの国際宇宙ステーションISS船内での技術実証の様子
(出典:GITAI)

いかがだっただろうか。他にも紹介しきれていない企業のロボティクス技術が多くあることをご了承いただきたい。宇宙空間で大型の構造物を建設することは、現時点では、ロケットの搭載面での制約やコスト面などの制約があり、困難であることは間違いない。そして、宇宙は、真空、太陽の日照、日陰での温度差、放射線環境などもあり、またそう簡単には宇宙へと行くことができず、ヒトが容易に作業できる環境でもない。

そのため、ロボティクス技術を活用することは、このような宇宙インフラを整備するためには必要不可欠である。現時点で、宇宙に特化したロボティクス技術を有する企業も正直なところ世界に多く存在しない参入障壁の高いフィールドだが、未来はどのようになっていくのだろうか。

文/齊田興哉
2004年東北大学大学院工学研究科を修了(工学博士)。同年、宇宙航空研究開発機構JAXAに入社し、人工衛星の2機の開発プロジェクトに従事。2012年日本総合研究所に入社。官公庁、企業向けの宇宙ビジネスのコンサルティングに従事。現在は各メディアの情報発信に力を入れている。

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