
出勤する際に実践したい移動時間の有効活用
昨年に緊急事態宣言が発出されて以降、テレワークはすっかり定着しました。コロナ禍が終息に向かいつつある現在でもテレワークは推奨されています。その一方で、オフィスに出勤するビジネスパーソンが徐々に増えてきました。多くの企業は顧客への訪問や出張を、再開していくことでしょう。
コロナ禍を経験した我々にとって「実際に会って話すこと」は「特別な体験」に変わりました。「対面の際は情報共有よりも交渉事のほうがいい」「会った時に腹を割って話せるような関係性を築いておけばテレワークもうまくいく」というふうに対面とオンラインをうまく両立していく必要があります。
そんな柔軟な働き方が求められる今後、外出する際には〝マルチタスク〟をおすすめします。例えば出勤時には、ただ電車に揺られるだけでなく、何かの作業に充てたほうがいいでしょう。私がどのようにして移動中の時間を有効活用しているか紹介します。
移動時間を有効活用できるマルチタスクとは!?
私は移動の際、公共交通機関のほかにタクシーを使うことがあり、車内でオンライン会議に参加したり、ニオイがしないものなら許可を取って食事したりします。電車や地下鉄よりも目的地に早く到着することが多く、時間やエネルギーの節約にもなるのです。
タクシーで移動する際は配車アプリの「Go」を利用し、スマホで事前に予約します。アプリでは目的地の住所をあらかじめ指定できるので、運転手に行き先の詳細を説明する必要はありません。タクシーに乗車後、すぐに仕事に取りかかることができます。
移動する際には、タクシーの配車アプリとともに「Google Map」のような地図アプリも併用しましょう。頻繁に訪問する場所を地図アプリに登録しておけば、道路の混雑状況が確認でき、それをふまえてタクシーで移動するかどうかを最終決定できます。せっかくタクシーを使ったのに遅れて到着してしまうことを防げるのです。
自転車での移動中にはソーラーチャージが有効
天気がいい日には、都内での移動時に自転車を使うこともあります。予期せぬ渋滞にハマることがなく、次の目的地へスムーズに移動でき、タクシーより早く到着することも少なくありません。
なお、東京都の条例では、ヘッドホンやイヤホンで耳をふさぎながら自転車に乗るのは禁じられています。そのため、自転車での移動中には音楽を聴いたりオンライン会議に参加したりといった〝マルチタスク〟はできません。その代わりとして、身の回りの機器を充電するようにしています。
以前は「電源カフェ」というWebサイトで電源コンセントを利用可能な喫茶店などを探し、そこに立ち寄って充電することもありました。しかし、寄り道する時間も、スマホのバッテリー残量を気にしている時間も〝もったいない〟ので、最近では自転車や徒歩の移動が多い際にスマホなどの機器を充電できるソーラーパネル付きのバックパックを使うようにしています。
飛行機や電車の移動時間を睡眠に充てるのはNG
コロナ禍以前は、年に地球を4周するほど国内外を飛行機で移動していました。海外出張の際は到着地のタイムゾーンを確認しながら睡眠時間を調整し、機内では睡眠を取りません。国内の移動も飛行機と新幹線を問わず、寝ることはないです。ビジネスパーソンが日中の移動時間を睡眠に充てているのを見ると「時間がもったいない」と思ってしまいます(日中のビジネスアワーに寝ること自体どうかと思います)。そのような考えから、移動中に眠気が起きないよう、私が代表を務めるクロスリバーでは毎日7時間以上の睡眠時間を義務づけています。
また、飛行機や新幹線の移動中にPCで作業するのは、あまり効率的ではありません。揺れや騒音が作業の邪魔をするほか、隣に座った人の目も気になるからです。
そこで私は、書籍を読み上げてくれるオーディオブックを活用。「聞く読書」によって、インプットする時間に充てています。乗り物酔いをしやすく、移動中は目を使わないようにしたいことも、目を閉じながら読書できるオ―ディオブックを利用している理由です。
限られた時間で多くのことをこなすためには、テクノロジーの力を借りて、移動時間を有効活用することも大切です。
移動中に持ち運ぶ機器は、USBで充電できるものがほとんど。バックパックのソーラーパネルは高出力ではないものの、スマホ、ICレコーダー、ヘッドセットといった機器なら十分充電できます。
越川慎司/全員がリモートワーク・複業・週休3日を実践するクロスリバーの代表。約700名のほぼ全員がリモートワークのキャスター社における事業責任者も務める。自著16冊・累計40万部。『最速で結果を出す資料の作り方』(DIMEデジタル新書)が好評発売中。