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副作用もなく様々な病気に効果的な治療法「和温療法」にサウナの新たな可能性をみた!【前編】

2021.12.22

副作用もなく、様々な病気に効果的な気持ちいい治療法「和温療法」にサウナの新たな可能性を見た!〔前編〕

『和温療法』……サウナマニアならば、一度はその言葉を聞いたことがあるかもしれない。

 一見家庭用サウナにも似た、しかし純然たる医療器具である“和温療法器”を用いた、保険治療としても認められた治療法である。

 その考案者こそ、元鹿児島大学医学部内科教授、現・和温療法研究所・所長であり和温クリニック東京院長の鄭忠和先生である。

 サウナではないが、もともとはサウナから派生したという和温療法について、そしてサウナについて、サウナ好きならば知っておきたい話を鄭忠和先生にタップリとうかがった。

今回の前編、そして後編2回に渡ってお届けする!

体が温まって血管が拡張するメカニズムでノーベル賞

 和温療法というのは、室内を均等の60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ“和温治療器”で全身を15分間温めた後、30分間の安静保温を追加して、最後に発汗に見合う水分を補給するという治療法なんです。

 体の深部体温が1度暖まると、全身の血管が拡張する。すると血管抵抗が低下して、心不全に有効な全身の血液循環を促進するわけです。

 もともと体が温まると血管が拡張するということは、事実としてズーッと前からわかってたんですが、実はその医学的な仕組みというのはわかってなかったんですよ。

 それをちゃんと解明したのが今年の『ノーベル生理学・医学賞』ですよ。受賞したのはカリフォルニア大学サンフランシスコ校のデェビッド・ジュリアス教授と、スクリップス研究所のアーデム・パタプティアン教授。

 英語では“熱い”も“ホット”。そして“辛い”も“ホット”でもこれは偶然ではないんです。

 熱さを感じる温度受容体……これをトランジェント・レセペター・ポテンシャルといいますが、これにはいろんなチャンネルがある。その中でも43度以上の熱を感じるチャンネルと、辛さの元であるカプサイシンを感じるチャンネルは同じチャンネルだったということです。

 そして1998年の『ノーベル生理学・医学賞』は、ロバート・ファーチゴット博士、ルイ・イグナロ博士、フェリド・ムラド博士による、血管内の血管を拡張させる情報伝達物質は一酸化窒素だったという発見なんですが、これも和温療法と密接に関連している。

 つまりどういうことかというと、和温療法というのは本当に医学的根拠に基づいて治療効果をだしているということなんです。

 トランジェント・レセプター・ポテンシャルが和温治療器で温かさを感じる。そして血管内皮から一酸化窒素が情報伝達物質として発生し血管を拡張させる。これによって心臓の負担が減るということです。

 でもただ温めるというのでも、どういう温め方すればいいのか? そこが大事なんです。

 熱い所に入れば入るほど、深部体温というのは上がるわけだけれども、どの程度で上げればいいのか? と。深部体温をたくさん上げればそれはそれで大変なことになるんです。

 体温計に42℃までしか目盛りがないのは42℃超えたら人間は生きていけないからなんです。だから体が暖まるというのはいいことだけれども、許容範囲の中でしなければいけない。

 サウナでも、健康増進を考えればとってもいいことなんですけれども、入りすぎると大変なこともあるわけなんです。

 今から10年くらい前に、フィンランドで毎年サウナの我慢退会が行われていた。その大会で一人亡くなってしまったんです。そういう極端なことやっちゃうと大変なことになるワケです。

 ロウリュが今流行ってますけれども、そのうちハメを外して、とんでもないことやりだす人が出てくるかもしれません。いつかトラブルがおきるかもしれない。健康な人だったらそういう事故を起こす確率は低いですけど、みんながみんな健康なわけじゃない。

 若くても心臓になにか疾患がある人もおるかもしれない。肺に問題を抱えてる人もおるかもしれない。特に高齢の方は、いろいろ合併症を持ってるかもしれない。

 そういう人がね、ハメ外してロウリュとかやった時に、事故が起るかもしれない。

 私は医者だから、一人もそういう事故を起こしちゃいけないという立場だから、サウナの普及は非常に喜んでいるんだけど、事故をおこしたら大変じゃないかと。だからけっして事故を起こさない安心安全に普及していただきたいなぁと、これは真剣に思いますね。

 食べ物でもほらあの~大食い大会とか、やっぱり気をつけなければいけないですね。やりすぎは止めてほしいですねぇ。

和温療法確立までの道のり

--ところで、和温療法はそもそもどういうきっかけで始まったのでしょうか?

 私はもともと鹿児島大学病院にいたのですけど、分院の霧島のリハビリテーションセンターちゅう所に、赴任した時があったんです。分院には温泉があるんで、いつも温泉ばっかり入ってたんですが、週に一回外来診療に行ってた鹿児島市のある病院で、

「死ぬ前に一度温泉に入りたい」

 という重い心不全患者の話を聞いたわけです。医学的に入浴というのは重い心不全にはいけないといわれていたんです。たしかに入浴は身体に負担がかかる。一分間あたり体重1kg当たり何ccの酸素を吸うかというと、例えば立ったりして話すだけでも、安静状態の1.5倍使ったりする。お風呂なんか入るともっと使う。私は入浴中の心エコー図と呼気ガスのデータをとってみると、自動昇降式浴槽を使えば、それがせいぜい1.3倍くらいで、負担をかけずに患者さんを温めることができると確信したんですよ。

 それで重い心不全の患者さんを温泉に入れることができたんです。

 それからその患者さんを自動昇降式浴槽を用いて毎日入浴させてあげると、“死ぬ前に一度温泉に入りたい”どころか、どんどん健康になって、2カ月後には歩行退院するまでになった。

 それから本格的に研究していったワケです。

 それが平成元年ですか。もう30年以上立ちましたけど、お風呂に入ると心拍出量というのが増えるワケなんです。心拍出量というのは心臓が血液を送り出す量のことで、それが増えるというのは、弱ってる心臓にはいい。心不全は全身に充分な血液が回り行ってないわけですから。ところが、その水圧というのがどうしても問題になってくる。

 お風呂に入ると、静脈が水圧で圧迫されて心臓に入ってくる血液量が増える。心臓に負担をかけるわけだから、これはもう気をつけないかんな、と。

 水圧の問題は心臓以外に肺にも影響があるんです。肺の慢性呼吸器疾患なんか持ってる人もいるワケなんです。

 それで心臓や肺に負担をかけずに深部体温を温めるにはどうしたらいいのか? と考えました。

 浴槽に浅く入っても、シャワーでも、深部体温はなかなか上がらないしね。

 浴槽から出たあと、体にタオルを巻いてね、そこに時々お湯をかけたりとかね、色々トライした後、ふと遠赤外線サウナのアイデアがでてきたワケ。でも、当時いたリハビリテーションセンターでは、サウナ施設を治療目的で作るなんてことは認められてない。

 それで駐車場に、それも天井とくっついていたら施設になっちゃうからダメだっていうことで、いつでも撤去できるように天井を外してサウナを作りました。

 霧島の冬は九州っていっても吹きっさらしで寒いんです。それでカーテンをサウナの回りに張ってね、ものすごく苦労したの、サウナをひとつ作るのにもね。

 もう思い出すと涙が出てくるよ。

 すると今度は、どういう温度で、どういう時間でやればいいか? と。暗中模索ですよ。

 それにサウナっていうのは天井と床では最低でも20度以上温度差がある。高さで温度が全然違うから、座って入るのか、寝て入るのか、全然違うワケよ。

 それでボクがしたのは、特殊なベッドに寝れるサウナを作ってね…寝てると全身同じ温度だから。また側面や頭側に窓を作成してサウナ中に吸気ガス、心エコー図、心内圧などを測定した。

 色々調整して時間を測りながら、パラメーターを測定して。患者さんの疲労感とかものすごくいろんなことを測定したあげくにね、乾式サウナの場合だったら60度、そして15分。それが患者さんに負担なく、そして必要な深部体温を1℃上げることができて、いろんな治療効果が出るという結論に至ったんです。

 それでその有効性を色々と発表したんだけれど、その時点ではまだなかなか支持してくれる所はない。それでアメリカにいって、その効果を証明してみようっていう気になった。

 アメリカに「メイヨ・クリニック」っていう、そこの循環器部門のボスが友達だったんだけど、和温療法のことを話したら、

「メイヨーに来い、オレが応援する」 ちゅうわけ。

(※編集部注/メイヨ・クリニック-アメリカで最もすぐれた病院として知られる、ミネソタ州ロチェスターの総合病院)

 それで1994年、僕は単身でメイヨ・クリニックに行った。48歳だった。臨床研究のプロトコールを説明して認めてもらうのに1年かかったけど、『Circulation』っていう循環器系の最高のジャーナルに霧島のデータの論文が出たら、メイヨ・クリニックがお金だしてくれて、サウナ室をちゃんと作ってくれてね。

 それでボクは日本に帰ってくるんだけど、その10年後。その時に取ったデータが重要だから論文にさせてくれってメイヨから連絡がきてね。普通、論文のラストオーサー…最終著者っていうのは、そこのボスがなるもんだけど、ワタシがなってたっていう特別扱いさせてくれたっていうこともありましたよ。

 それでアメリカから帰ってきたら、神様が僕を見捨てんかったんかなァ……第一内科の教授になったワケなんだよ。そしたらちゃ~んと大きなサウナ室も作れてね、それで和温療法の有効性が証明することができた。

 つまり治療としてやるには、方法をキチンと確立せにゃいかんということ。そして和温療法が確立されたということです。

渡米によってその効果がついに認められた和温療法。後編では、その大いなる未来と最大の特徴について、鄭先生がさらに熱く語る!

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-9-1 神田神保町メディカルモール401
【診療時間】
月:14:00〜17:00 
火·水·木·金:10:00〜13:00 / 14:30〜17:30
休診日 土·日·祝祭日
https://www.waon-clinic.com/

取材・文/カーツさとう 撮影/小倉雄一郎

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定価1320円(税込)
B5判/132ページ
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