
熱いハートを持った世界中の凄腕シェフに密着する感動作。
2015年よりNetflixで独占配信中の『シェフのテーブル』は、エミー賞候補となったドキュメンタリーシリーズ。
本シリーズに出演したシェフのうち、11名のレストランが“世界のベスト・レストラン50”に選出された。
同シリーズの『シェフのテーブル:BBQ』も同じくNetflixで独占配信中。
あらすじ
アメリカ、フランス、イタリア、南米、北欧、アジア……世界中の個性豊かなシェフたちが、それぞれの熱い志を胸に独創的な料理を作る。
取材では、食材や料理の秘密だけでなく、シェフ一人ひとりの人生や食に対する使命感にも迫っている。
全6シーズン。
見どころ
同シリーズの『シェフのテーブル:BBQ』もそうだが、改めて“食べること=生きること”だと実感する傑作ドキュメンタリー。
日々忙しい生活の中では、食にじっくり向き合う機会がなかなか持てなかったりするもの。
本作を観ていると、食べ物とそれを作ってくれた人々(生産者とシェフ)に感謝しながら、毎日丁寧に食事をしたくなる。
たとえばロンドンのインド料理店『ダージリン・エクスプレス』の有名シェフ、アスマ・カーンさん。
出身地であるコルカタの屋台料理や、インドの伝統的な宮廷料理を融合させ、今までにない斬新なインド料理にチャレンジし続けている女性だ。
カーンさんがインド料理を探求し続けるのは、美味しい料理を求めて来店する客のためだけではない。
故郷のため、そして自分と同じ女性の地位向上のためでもある。
カーンさんは来店客とも積極的にコミュニケーションをとり、インド食文化の伝道師としての役割も担っている。
本作に登場するシェフたちは、優れた調理技術を持つだけでなく、食を通して社会貢献したいという責任感が強く、心意気も見事な人たちばかりだ。
ところで今回のコロナ禍をきっかけに、時間と手間のかかる料理を自宅で楽しむ人が増えたそう。
この年末年始は、本作を観ながら食のモチベーションを上げてみるのもいいかもしれない。
Netflixシリーズ『シェフのテーブル』
独占配信中
文/吉野潤子