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新型コロナ患者へのモノクローナル抗体は皮下注射でも有効、ピッツバーグ大学医療センター研究報告

2021.12.20

モノクローナル抗体は皮下注射でも有効

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対するモノクローナル抗体の投与は、発症後5日以内に投与された場合には、入院と死亡のリスクを劇的に低下させることが示されている。

しかし、臨床試験では、投与方法として静脈注射のみが用いられていたため、FDAの緊急使用許可でも、同薬の静脈注射での投与が強く推奨されている。

そのため、投与できる医療従事者と投与可能な設備の整った場所に限りがある点が問題となっている。

そんな中、米ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)のErin McCreary氏らが、モノクローナル抗体を皮下注射しても、静脈内投与と同等の効果が得られるとする研究結果を発表した。

この研究の詳細は、査読前の論文のオンライン・アーカイブである「medRxiv」に12月1日掲載された。

モノクローナル抗体は、体内に侵入した抗原にある多数の目印のうち1種類の目印とだけ結合するように人工的に製造された抗体である。

新型コロナウイルスでは、ウイルスがヒトの体内に侵入する際に必要となる、ウイルス表面のスパイクタンパク質と特異的に結合する。

上述のように、FDAが緊急使用を許可したモノクローナル抗体は静脈内投与を基本とするものだが、その一方でFDAは、「静脈内投与ができない場合、または静脈内投与では治療の遅れにつながる可能性がある場合」には、2種類のモノクローナル抗体のカクテルであるカシリビマブ/イムデビマブ(日本国内商品名ロナプリーブ)の皮下注射を認めていた。

同薬は、米リジェネロン社とロシュ社(スイス)が共同で製造・開発・販売している。

McCreary氏によると、FDAのこの対応を受けて、UPMCの医師たちは米国でデルタ株が大流行した9月より、新型コロナウイルス検査で陽性が判明して間もない患者に、皮下注射による抗体カクテル療法も始めたという。

McCreary氏らはまず、傾向スコアをマッチさせた軽症~中等症COVID-19患者1,956人(抗体カクテル皮下投与群652人、同薬剤による抗体カクテル療法を受けなかった対照群1,304人)を対象に、28日間でのCOVID-19による入院または死亡リスクを比較した。

その結果、28日間で入院または死亡した患者の割合は、抗体カクテル皮下投与群で3.4%(22人)、対照群で7.8%(101人)であり、リスクは抗体カクテル皮下投与群の方が56%低いことが明らかになった(リスク比0.44)。

次に、カシリビマブ/イムデビマブの皮下投与を受けた患者969人(皮下投与群)と、同薬剤を静脈内投与された患者1,216人(静脈内投与群)を対象に、28日間での入院または死亡リスクに関する解析を行った。

その結果、入院または死亡した患者の割合は、皮下投与群で2.8%(27人)、静脈内投与群で1.7%(21人)であり、調整後のリスク差は1.5%(P=0.14)であった。

より有害な転帰、すなわち28日間での死亡、集中治療室(ICU)入室、人工呼吸器の装着のリスクについて両群間で比較したところ、リスク差は0.3%未満であった。

McCreary氏は、「これらの結果は、より多くのCOVID-19患者がモノクローナル抗体療法を受けられるようになることを示すものだ。皮下注射での投与なら、薬剤師や他の医療従事者でも行うことができる。

また、患者がモノクローナル抗体療法を受けるために点滴機能を備えた医療センターに行く必要もなくなるのだから」と話している。

その一方で、米エモリー大学医学部のCarlos del Rio氏は、「ワクチン接種に消極的な人は、モノクローナル抗体療法があるからワクチンを接種しなくてもいいと考えるべきではない」と警告する。

同氏は、「Frontiers in Medicine」に最近発表された研究で、COVID-19により入院した患者は、COVID-19罹患歴のない人に比べて、回復後1年間での死亡リスクが2.5倍高くなる可能性が示唆されたことに言及し、「COVID-19の潜在的な重症度を軽減する最善の方法は、ワクチン接種を受けることだ」と強調している。(HealthDay News 2021年12月7日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.11.30.21266756v1

構成/DIME編集部

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