
2021年の日本株式市場は、海外市場と比べてどのような特色が認められるのだろうか?また、騰落率上位にはどのような傾向が見られるのだろうか?
三井住友DSアセットマネジメントではこのほど、今年のマーケットを振り返りとして「日本株式市場業績回復から堅調、好業績の小型株に物色の矛先」と題したレポートを公開した。詳細は以下の通り。
業績回復を支えに堅調も海外市場には見劣り
2021年の日本株式市場は堅調な展開となったが、大きく上昇した海外市場との比較では見劣りする頭の重い展開となった。
製造業を中心に好業績を映して年初から株価は上昇し、一時は日経平均株価で約30年ぶりの高値を付ける場面もあった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による景気の失速、中国市場の動揺、菅内閣の支持率低迷による政局不安への懸念などから、総じて伸び悩む展開となった。
好業績の小型株、海運株、アクティビスト関連株が好調
今年の日本株式市場(TOPIX採用銘柄)の騰落率上位を見ると、業績が上振れた小型株が多くを占めた。登山・キャンプ用品のスノーピーク、戸建て住宅分譲のケイアイスター不動産、賃料保証サービスのジェイリースなど、いずれも事前予想を上回る決算を受けて大きく上昇した。
大型株では海運市況の高騰から大幅増益となった、日本郵船や川崎汽船などの海運株が騰落率上位にランクインした。今年は「物言う株主」の動きが注目を集めた1年でもあった。投資ファンドによる買収期待が高まった新聞輪転機製造メーカーの東京機械製作所は約4.8倍に、大株主からの株主提案に対抗して自己株TOBを発表したNCホールディングスは約2.5倍に、それぞれ上昇した。
※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社
構成/こじへい