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LIFULLのコリビングサービス「LivingAnywhere Commons」が目指すワーケーションの理想形

2021.12.20

新型コロナウイルスによってテレワークや在宅勤務を導入する企業が増え、場所を自由に選ぶ働き方が注目されている。リゾート地などで仕事をしながら休暇も楽しむワーケーションやバンで生活する「バンライフ」といった言葉も生まれて、特に複数の拠点で働きながら生活するスタイルはフリーランスで働く人や若い世代を中心に支持されつつある。

そんな中で注目を集めるのが、全国各地にある廃校や使われていない施設などの遊休不動産やコワーキングスペースが利用できるコリビングサービス『LivingAnywhere Commons(リビングエニウェアコモンズ、以下LAC)』だ。2019年8月にサービスがスタートし、場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方である「LivingAnywhere」ともに実践することを目的としたコミュニティを展開。コロナ禍でサービスを利用する人が急増し、11月には新たに2拠点が追加された。サービスの事業責任者であるLIFULL(ライフル)/地方創生推進部の小池克典さんは次のように語る。

「提供しているものは、簡単に言うと働く環境と寝泊りする環境が併設された施設です。施設の提供だけでなく、コミュニティメンバー(会員)になることで、全国で展開する複数の拠点を「共有して所有」し、好きな時に利用できます。そこにずっと住んで仕事をしている方もいますし、二拠点生活の第一歩という形で利用している方もいます。コロナ禍の前からフリーランスの方の利用者は多かったですが、コロナ禍後は企業に勤める方の利用が非常に増えました。テレワークでどこでも働けることが大きな理由ですが、働き方としてオフィスに行くよりも新しい交流や刺激を求めている人が増えていると思います」

ライフル/地方創生推進部『LAC』事業責任者の小池克典さん。

「『LAC』の前身として2017年に一般社団法人『Living Anywhere』の活動がスタート。活動を通じてリビングコストが安くなればチャレンジしやすくなるし、場所に縛られない自由な生活というワークスタイルに手応えや新しい発見を感じて、一般社団法人の活動ではなくLIFULLの事業として『LAC』を開始しました。最初の頃はフリーランスの方が多かったですが、施設が増えることで利用者が増え、コロナ禍が大きな節目となって企業に勤めるビジネスマンの利用が増えました。緊急事態宣言で移動が制限されたりすると利用は減りましたが、トータルでみるとそれでも伸びています」

『LAC』は、スタートから2021年7月までの2年間で延べ1万泊を突破し、特にコロナ禍の2020年8月から2021年7月の約1年間で、拠点数は10拠点増加したこともあり、宿泊数は253パーセントも上昇。2021年11月には1万5000泊を達成し、会員数も大幅に増加したという。やはりコロナ禍における働き方の変化が影響しているのだろう。実際に『LAC』の利用している通信会社勤務のNさんは、次のように語ってくれた。

「異業種交流会じゃないけれど、いろんな人と出会えたことが大きいです。地元の町役場の人と話したり、異文化の方と知り合えたのは大きかったです。それが『LAC』へ行く動機だったりしました。最初は新規開拓事業の仕事として利用しましたが、会社の求める収益を地方で達成するのは難しいと感じて、利用の仕方はビジネスから個人に切り替えました。一方でフリーランスや個人でやっている会社は、東京で起業するよりも『LAC』を利用しながらの方が自治体も周囲もビジネスをすることには協力的ですし、会社としての実績も作りやすいと思いました。個人的には、ワーケーションが業務なのかというのはあって、どうしても気分が開放的になってしまうので、会社の新規事業担当で許されていた部分もあると思いますが、通常だと許されないだろうなという気持ちはありますね。作業としては新規事業だけでなくアプリ開発も担当していましたが、クラウドを利用しながら自宅での作業と変わらず何の不自由もなくできました」

Nさんは神奈川県在住。通信会社勤務、40代の男性。会社の新規事業立ち上げを担当していた時期に知人を通じて『LAC』を知って登録し、他企業の人とコミュニケーションする場があったことがきっかけで施設を利用した。利用頻度としては滞在1週間ぐらいを2か月に1回程度。コロナ禍以前から会社の働き方が在宅ワークを認める自由裁量だったのも利用する大きな理由だった。利用した施設は静岡県・伊豆下田と茨城県・ひたちなか(写真は施設写真)。

静岡県/伊豆下田

ワークエリア・コミュニティエリアとなる「NanZ VILLAGE」(写真)と「NanZ VILLAGE」から徒歩3分の場所に港と海を望む4階建てレジデンススペースを完備。
https://livinganywherecommons.com/base/izu-shimoda/

茨城県/ひたちなか

阿字ヶ浦海岸が目の前に広がる場所が拠点。複数の施設や事業者が手を組んで活動している背景もあり、気分やその日の仕事に合わせて多様な施設の使い方ができるのも特徴。
https://livinganywherecommons.com/base/hitachinaka/

地方自治体との連携で多拠点による働き方を加速させる

ワーケーションや多拠点生活をする場所・施設も重要な要素と考えられるが、宿泊業に該当するので拠点として利用する建物などが宿泊免許の取得が可能かどうかも大きなポイントだ。『LAC』は、自治体からの誘致が多く、廃校や使われていない施設などの遊休不動産を活用しているのも大きな特徴だ。各地にある連携施設の特徴や強みが重要で、景色の良さや観光地に近いなどの理由だけではワーケーションのリピーターを増やすことは難しいと小池さんは語る。

「みんなが考えるワーケーションというのは、海辺でノートパソコンを広げてとか絶景の森の中とかありますが、これを求めているのは『LAC』の利用者では2割ぐらいです。それよりも今まで出会えなかった人に出会えたとか、新しい交流があったなどの価値観が広がったというところに価値を見出している人が多いです。絶景や抜群のロケーションというのは、その土地に定着する理由にはなりにくくて、それよりもそこに行くと面白いプロジェクトや面白い人に出会えたとか寛容に受け入れてくれるなどの方が大事で、それがリピーターを生む価値になっています」

Nさんも施設のある地元の人との交流が重要な要素だと語る。

「景色とかアトラクションで行くよりも誰かに会えることが原動力になってリピーターになりました。ひとりで施設に行ったら、地元の人の誕生日パーティを偶然やっていて呼んでもらうサプライズを受けたことがあります。それは面白かったし、偶然ってすごいなと思いました。コミュニティがないとリピーターにはなりにくいし、そこはホテルとは大きく違う魅力です」

最近では、JAちちぶ、埼玉県横瀬町と遊休資産の利活用による地域活性化に関する連携協定を締結し、JAちちぶ横瀬支店移転後の施設を「LivingAnywhere Commons 横瀬」(イラストは1階イメージ)として利用することが決定。地方自治体と連携して全国で拠点開拓ができるのも『LAC』の強み。地元の人の協力もワーケーションでリピーターを増やす要因になりうる。

ワーケーションの今後の課題と未来は?

多拠点生活やワーケーションなどの新しい働き方の普及には、テレワークにどれだけ企業が対応していくかにある。企業によっては本社機能を地方に移転したり、テレワークだけの求人なども増えている。小池さんは働き方の自由度は今後も進んでいくと考えている。「テレワークができない業種もありますが、新型コロナに限らず、環境の変化に対応する会社が結果的に大きなメリットを享受していくだろうと個人的に考えています。ただ、マジョリティが一気にテレワークに転換する、というのはないとは思います。コロナ禍で仕事に関してわかったことは、ひとりで進められる「作業」は自宅やワークスペースでも可能ですが、人との交流や新しい発見は難しい。加えてリモートワークでは、仕事のチームメンバーとのコミュニケーションや会社のカルチャーが希薄化していく課題もあります。

それでも私はテレワークという労働形態は固定化すると考えています。イノベーターと言われる若い世代では、テレワークで働き方を描ける企業を選びたいという人が増えています。例えば『LAC』を利用する7、8割は20代から30代ですが、その世代はテレワークを認めている会社で働きたいと考える人が多い。企業がいい人材を獲得しようと思った時にテレワークを認めることが大きなイニシアチブになって、それに特化する会社も生まれてきています」

一方でNさんは多拠点生活が普及していくには、情報発信をしていくことが大切だと考えている。

「ワーケーションや多拠点生活を実践している人も地元のコミュニティも発信はSNSです。それは仲間内で情報を回していることなので、外の人には情報が伝わりにくい。周囲でワーケーションを知っている人はあまりいないと思うし、僕も連絡が来なかったらワーケーションをやってなかったと思います。今後はいかに知らない人に情報を発信できるか、興味がないという人をどれだけ取り込めるかが重要になっていくと思います」

ワーケーションをサービスとして利用する動機が、観光や気分転換といった理由よりも地域の人との出会いになるのは意外だ。企業もリモートワークによって働く環境が大きく変化し、新しい労働形態を考えていくことが重要になった。アフターコロナでは働き方がどう変化していくか。それによって多拠点生活がより現実味を帯びてきそうだ。

『LivingAnywhere Commons(リビングエニウェア コモンズ)』
https://livinganywherecommons.com/

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」などを展開する(ライフル)のサービス。個人だけでなく、スタートアップや企業のサテライトオフィスや社員研修施設としても利用可能で、各拠点には快適なWi-Fiや電源などを完備したワークスペースと長期滞在を可能にしたレジデンススペースを用意している。現在は月額2万7500円(税込み)で全国の施設を利用できる定額払いと1回6600円(税込み)の都度払い(回数券)でサービスを展開。利用者比率では定額払いが約6割で、継続して利用している人は全体の1割から2割。滞在期間で多いのは仕事をしながら4泊~5泊で、週末にレジャー的に利用する人はマイノリティだという。

今年11月に徳島県・三好と福岡県・八女に古民家施設をオープンし、全国19都道府県27拠点が利用可能。東北から九州・沖縄までさまざまな場所を定額で利用できるメリットは大きい。2022年度中に50拠点に拡大することを予定。

関東圏から屋久島まで! 『LAC』で利用できる主な施設

●群馬県/みなかみ

「みなかみ18湯」の「真沢温泉」唯一の宿「さなざわTERRACE」内に『LivingAnywhere Commonsみなかみ』はある。上越新幹線の上毛高原駅から車で5分という好立地ながら、目の前には日本の原風景とも言える棚田が広がり、温泉も有する場所。
https://livinganywherecommons.com/base/minakami/

●東京都/高尾

年間200万人超と世界一登山者数が多い山として知られている高尾山にある複合型施設「タカオネ」が連携拠点として利用可能。東京から電車で約1時間と都市部からアクセスが良く、気軽に豊富な自然を満喫しながら活動できる。
https://livinganywherecommons.com/base/takao/

●長野県/信州乗鞍

北アルプスの南端、中部山岳国立公園内の標高1500mに広がる自然豊かで美しい信州乗鞍。「LivingAnywhere Commons信州乗鞍」の連携拠点として利用できるのが「温泉の宿ゲストハウス雷鳥」。温泉を完備して子供を預かる自然保育サービスもあるので、親子でワーケーションを楽しめる。
https://livinganywherecommons.com/base/shinsyu-norikura/

●静岡県/熱海

静岡県の温泉地である熱海にある「LivingAnywhere Commons熱海」は、熱海銀座商店街に拠点がある。かつての倉庫や店舗など複数の施設がリノベーションされており、快適な環境でさまざまな取り組みができる。
https://livinganywherecommons.com/base/atami/

●鹿児島県/屋久島

「洋上のアルプス」とも称される屋久島の南にゲストハウス、シェアハウス、食堂、コワーキングスペースなどを備えた拠点「LivingAnywhere Commons屋久島」がある。海、川、山のすべての自然環境がそろった屋久島の豊かさを感じながら暮らすように滞在できる。
https://livinganywherecommons.com/base/yakushima/

取材・文/久村竜二

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