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いつまで払う?相場は?払わないとどうなる?弁護士に「養育費」に関する疑問を聞いてみた

2021.12.28

子どもがいる夫婦が離婚をする際には、養育費の支払いについて取り決めるのが一般的です。

養育費の支払い負担は重くなりがちですが、親としての責任を果たすためには、きちんと支払う必要があります。

今回は養育費に関して、支払期間・金額相場・支払わない場合のリスクなどを、法律実務の観点からまとめました。

1. 養育費はなぜ払う必要がある?

養育費は、子どもと同居しない親(非同居親)が、子どもに対する「扶養義務」の履行として支払うものです。

親は子どもに対して、扶養義務(経済的な援助をする義務)を負っています(民法877条1項)。

子どもに対する扶養義務は、離婚をしても消滅せずに存続します。

しかし、子どもと同居しない親は、普段の生活の中で、子どものために直接生活費を支出するわけではありません。

そこで、同居親(元配偶者)に対して毎月養育費を支払うことで、親としての扶養義務を果たすことになるのです。

2. 養育費はいつまで支払う?

養育費をいつまで支払うかについては、

「20歳まで」
「大学卒業まで」

など諸説ありますが、実務上はどうなっているのでしょうか。

2-1. 「20歳まで」が目安?

養育費の支払いは「20歳まで」が目安と言われることが多いのは、明治9年(1876年)から現在に至るまで、日本の成年年齢が20歳とされていることに由来します。

しかし、養育費の支払い終期は、夫婦間の合意または家庭裁判所の審判によって、ケースバイケースで決められているのが実態です。

実務上よく見られるのは、「大学卒業までは養育費を支払う」という内容の取り決めです。

大学進学率が5割を超えている現在では、離婚の段階からこどもが大学に進学する可能性を十分予見し得るため、このような取り決めは合理的と言えるでしょう。

さらに、修士課程・博士課程への進学や海外留学などを想定して、子どもの在学期間中は養育費を支払う取り決めが行われることもあります。

このように離婚実務においては、必ずしも養育費は「20歳まで」とされているわけではなく、家庭の実情や夫婦双方の意向に応じて、柔軟に終期が決定されています。

2-2. 成年年齢が18歳に引き下げられることの影響は?

2022年4月1日に施行が予定されている改正民法では、成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられることになっています。

しかし、成年年齢が引き下げられたからといって、養育費の支払いを「18歳まで」と取り決める例が増えるかどうかは、やや疑問と言わざるを得ません。

法律上の成年年齢が引き下げられたからといって、18歳・19歳の生活実態が変わるわけではないですし、そもそも親の子どもに対する扶養義務は、子どもが成年・未成年のいずれであるかにかかわらず存在するからです。

また前述のとおり、養育費の支払い終期は、必ずしも「20歳まで(成年になるまで)」という形にこだわらずに決められている実態もあります。

したがって、養育費の支払い期間については、成年年齢が18歳に引き下げられる2022年4月1日以降も、従前と大きく取り扱いが変更される可能性は低いと思われます。

3. 養育費の金額はどのように決まる?

養育費には、大別して「毎月の養育費」と「特別費用」の2つがあり、それぞれ金額の決め方が異なります。

3-1. 養育費算定表に基づいて計算する

毎月の養育費は、裁判所が定める「養育費算定表」に従って計算するのが一般的です。

参考:養育費・婚姻費用算定表|裁判所

養育費算定表に従うと、以下の要素によって、毎月の養育費の金額が決まります。

・夫婦双方の収入バランス(自営業者か給与所得者かによって若干異なる)
・子どもの人数
・子どもの年齢

(例)
夫400万円(給与)
妻200万円(給与)
子ども1人
妻が子どもと同居
→0歳~14歳:2~4万円、15歳以上:4~6万円

3-2. 特別費用の精算は合意によって取り決める

養育費算定表に基づいて計算される毎月の養育費には、以下に挙げるような、一時的に発生する大きな支出や、日常生活外の支出などは含まれていません。

・私立学校への入学費用、授業料(公立との差額)など
・大学への入学費用、授業料など
・留学費用
・部活動の費用
・進学塾の費用
・習い事の費用
・病気やケガをした際の治療費

など

これらの「特別費用」については、夫婦間で個別に合意して、実費精算を行う場合があります。

4. 養育費を支払わないと、強制執行の対象に

離婚時に取り決めた養育費を期限どおりに支払わない場合、強制執行によって財産を失ってしまうおそれがあります。

強制執行認諾文言付き公正証書(執行証書)で養育費の支払い義務を定めた場合、不払いがあった際には、権利者は裁判などの手続きを経ることなく、直ちに強制執行を申し立てることが可能です(民事執行法22条5号)。

一方、執行証書が作成されていない場合には、支払督促や訴訟などの手続きを経てから強制執行を申し立てることになります。

養育費の不払いによって強制執行を受けてしまうと、生活に大きな支障が出てしまう可能性が高いです。

親としての責任を果たす意味でも、養育費は期限どおりにきちんと支払いましょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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