本来、どのようなアート作品も鑑賞用として購入する人が大多数だ。が、資産としての保有を目的に購入する人がいるのは、実際の美術品もNFTも変わらない。NFTの〝価値〟がどれくらいなのかといった情報は、どこでどのようにして集められるのか。投資目的でない人も、まがい物をつかまされないためには知っておいたほうがいい。
一点モノのコンテンツは手が出しにくい
NFT化したデジタルイラストの斬新さ、奇抜さに目を奪われる人が増えている。というのも、NFTマーケットで流通しているコンテンツは、クリエイターが〝手作り〟した一点モノだからだ。そのため、有名俳優が購入しているといった理由で注目を集めているクリエイターの作品であれば、値上がり益を得ることはできるかもしれない。しかし、市場が過熱し、コンテンツの品質が玉石混交になりつつある今、青田買いするのは大きなリスクが伴うことを知っておきたい。一点モノだからこそ、自分以外の誰も価値を認めてくれないということもあり得るのだ。
●NFTコレクション群の流通量
仮想通貨をはじめとした相場情報を提供するウェブサイト「CoinMarketCap」などでNFTコンテンツの流通量が調べられる。
●OpenSeaでの取引履歴は参考になるが······
OpenSeaでは図のように取引価格の履歴が確認できる。取引量が多く価格が右肩上がりのものはもしもの時に売却しやすい。
ブロックチェーンゲームのNFT価格分析サイトを活用するのも手!
NFTの中には、イラストやムービーのような単純なコレクションとして保有できるものだけでなく、「ブロックチェーンゲーム」と呼ばれるゲームの中で使用できる〝実用的〟なものもある。このタイプは比較的値段が下がりにくいのが特徴だ。例えば、現実世界のカードゲームなら強いカードが高値で売買されるように、ブロックチェーンゲーム内でも強かったり人気なNFTに高い値段がつきやすいだろう。
また、ユーザーが多いゲーム内でのNFTは、流通量が多いゆえに価格が安定しやすくなるというメリットもある。大企業ほど多くの株式を発行していて多少の売買では株価が変動しにくいのと同じように、多くの人が参加しているゲームの、多く発行されているNFTのほうが資産価値としては安定しやすくなるというわけだ。
●流通量が多いゲームを調べる
例えばBlockchain Game Infoというサイトでは、アセットアナライザーというツールを提供し、NFT取引の統計情報が手に入る。
●価格推移から割安なものを狙う
流通量が多いコンテンツで、長期的に価格が右肩上がりなものだと比較的購入しやすいかもしれないが、急落には要警戒だ。
Twitterやオンラインコミュニティーで、新規取引開始情報を集める
続々と新しいNFTコンテンツが取引されているこの状況下で、最新コンテンツの情報をいち早く手に入れるにはどうしたらよいのだろうか。マーケットプレイスや新規コンテンツの情報は、クリエイターが多く集うTwitterで集めるのが現状では最も有効な手段だ。とはいえ、フォロワーが多い発信者だからといって必ずしも信用できるわけではないので、情報の真贋は自分自身の目で見極める必要がある。仮想通貨に関連して詐欺行為が横行しているように、NFTについても十分警戒しなくてはならない。
Twitter以外にも、「Discord」というチャット・音声通話SNS内に情報交換コミュニティーを作っている人もいる。こういった場所で情報を集めて、投資に生かすのも有効な戦略だ。Discordのコミュニティー情報についても、Twitter上で公開されているケースが多い。
●詐欺情報なども手に入る
Discordでは、Twitterでは手に入らない情報が手に入ることも。こちらも情報の取捨選択は自己責任だ。
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