NFTコンテンツが円換算1300万円という高値で売れたことで、一躍話題となったせきぐちあいみさん。VRアートの第一人者でもある彼女は、なぜNFTに注目したのか? VRアートと親和性があると考えた背景など、インタビューからアーティストの抱える問題とNFTの将来像が見えてきた。
アーティストとして作品に値段がつくのがうれしい
「 NFTを知ったきっかけは、ブロックチェーン技術に明るい人に『VRとNFTとは相性がよいから早く参入したほうがよいよ』と声をかけられたからです。VRアーティスト活動の幅を広げようといろいろ考えていたのもあって、試しに販売してみようという気持ちで始めました」と、当時を振り返るせきぐちさん。「NFTによってデジタルデータが資産に換わるだけでなく、NFTの場合は2次流通などでもロイヤリティーが入ることがクリエイターにとって大きいと思います。作品を安く買い叩かれて理不尽な思いをすることがなくなり、作品価値が高まっていけばその恩恵も受けられます」
「販売するからには、買ってよかったと思ってほしいですし、世界中のコレクターと出会えてうれしいです」
●円換算1300万円で売れたせきぐちさんのNFTコンテンツ
3Dのバーチャル空間内で描き上げた作品で、見た人の誰もがその迫力に全身の感覚ごと引き込まれそうになる。「1300万円という、私にとっては超高値ともいうべき金額での落札で驚きました」
「OpenSea」で自身の最高値で売れた作品。
まずはチャレンジしてみることが大切
制作コンテンツの流通に悩むなら、NFT化し販売してみてください。新たな可能性に気づくはずです。私も、間もなくリリース予定の『クリプト神社』というメタバースコンテンツをはじめ、VRアーティストとして様々なNFTやメタバース関連のプロジェクトにチャレンジできるようになりました。
VRアーティスト せきぐち あいみさん
VR・メタバースの世界でのコンテンツには大きな伸びしろがある!
オンラインでのコミュニケーションが当たり前になりつつある今、高速通信が可能な5Gなどの新技術を活用して、インターネット上でリアルタイムにアクセス可能な仮想現実空間(VR空間)が、多数立ち上がりつつある。総称して「メタバース」という言葉で表わすのが一般的だ。メタバースは、超越(Meta)と宇宙(Universe)を組み合わせた造語である。このメタバースとNFTとの親和性が高いとせきぐちさんは説明する。
「デジタル空間の中に資産を持った時、それが本物でかつ権利を自分が有しているか、他人に売却する時に権利がきちんと移転して対価が支払われるのか、という課題があります。この課題を解決してくれるのがNFTです」。NFTは、そのデータが唯一無二、または個数限定であることを証明し、オンライン上で流通しやすくできるメリットがある。
一方で、NFTにはまだ様々な課題もあり、悪質な詐欺まがいの話もあるのも事実だ。だが、せきぐちさんはNFTを形作るブロックチェーンが持つデータを一度記録すると修正・削除できないという特徴によって、将来的には健全な方向へ進んでいくだろうと話す。「仮にNFTを使って悪いことをした場合、その履歴が半永久的に残ります。悪いことを考えている人の話もたくさん見聞きしてきましたが、その情報や仕組みが明らかになるにつれ、淘汰されていくでしょう」
せきぐちさんは自身が手がけるVRアートや、デジタル彫刻の分野について、「メタバース構築に必要な様々な3Dオブジェクトを作る仕事なんて以前はありませんでしたが、これからNFTによって新しい仕事や資産がどんどん生まれていくでしょう。まずは一歩を踏み出すことが大切、リスクをとらないことがリスクだと思います。私自身も新しいことにチャレンジしていきたいですし、今後はプロジェクトを主導していくような立場にもなっていきたいです」。
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取材・文/編集部
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