NFTの仕組みを理解するためには、名称、市場規模、機能の3つを知ることが重要だ。ブロックチェーン技術と合わせて理解することで、NFTのどこが優れているのか。また、NFTによって世の中がどう変わるのかを理解しやすくなるはずだ。
1. まずはNFTの「正式名称」を理解しよう
大量に刷られている1万円札だが、どれも価値は等しく「1万円」だ。このようにどの個体でも価値が変わらないものを「代替性がある」という。同様に市販のスポーツウエアも代替性があるが、そこにプロスポーツ選手のサインが入ると〝1点モノ〟になり「非代替性」となる。NFTはこの「サイン」にあたる機能を持つ。
2. NFTの「市場規模」は右肩上がり、注目度も急上昇!
仮想通貨全体の市場規模に比べてまだ2%ほどでしかないNFTだが、2021年はNFT元年ともいうべき市場の急拡大が起こった。2021年1~3月期だけで前年比5倍(年換算で20倍以上)の取引高となり、莫大な額の投資マネーが集まりつつある。様々な企業がNFTコンテンツの提供を始め、個人クリエイターもNFT売買を始めているので、2022年は流通額が加速度的に多くなるだろう。
3. NFTの「機能」がわかると、何が便利なのかがわかる!
上の図は、NFTによって実現できる機能を模式的に表わした図解だ。
まずNFTの対象にできるのは、イラストや動画だけではなく、文字列や音楽などデジタルデータであれば基本的に何でもよい。
次にNFTを形作っているのはブロックチェーン技術。これに「NFTを発行した」というデータや対象にしたデジタルデータの情報を書き込むことで、他者との売買が可能になる。発行したNFTは「マーケットプレイス」で取引できる。マーケットプレイスは国内外に様々なものがある。売買されるのは所有権の証明とされるNFTだけだが、実際にはセットになる絵画などのデジタル資産を合わせて展示しているケースが多い。デジタル資産のデータ容量が小さい場合には、NFTを形作るブロックチェーンの中にNFTのデータとともに記録する場合もある。
NFTを受け取る対価として支払われる仮想通貨は、「スマートコントラクト」の機能がある「イーサリアム」などがよく使われている。「スマートコントラクト」とはブロックチェーンに付随する機能で、例えば所有権が移転する度に、原著作者に対して手数料を支払うといった契約を自動化することができる仕組みだ。
NFTを発行しているのは誰?
NFTは誰でも発行可能だが、基本的にはデータの原著作者であるクリエイターが発行する。NFT売買を行なう「マーケットプレイス」が原著作者の代わりに発行する場合もある。原著作者でない人が発行していないものを購入するのは避けるべきだ。
NFTと仮想通貨の違いは何?
NFTはブロックチェーン技術を用いたデジタルの世界での「商品」で、仮想通貨はNFTの購入に使用される「通貨」だが、ともにブロックチェーン技術を利用することで、誰にでもコピーされることを防いでいるなど共通点は多い。
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