
コロナショックにより相場が荒れる中にも個別銘柄で見ればゲーム関連、物流、衛生用品など上昇銘柄は多数存在している。そこで前ページまでで2022年相場について見解を示した3人に〝個別では強気〟の銘柄を教えてもらった。
日常生活の中から有望銘柄を見抜く
三井住友DSアセットマネジメントの市川さんは「岸田内閣が誕生以降、日経平均株価は低調ですが市場では『岸田銘柄』に注目する動きもあります」とし、こう続ける。
「『分配』政策の中ですでに賃上げの話が出ている医療、介護、保育の関連株は投資家の物色対象になりやすいと思います。政権の掲げる『デジタル田園都市国家構想』では、システム開発やITサービス、コンサルティングなどが関連銘柄になるでしょう」
新型コロナウイルスの感染者数の減少傾向が続き、にわかに注目が集まっている「リベンジ消費」だが「コロナ以前の水準に回復するのは難しい」と経済アナリストの中原さんは警鐘を鳴らす。
「コロナ前には忘年会をやっていた企業の一部では、コロナが落ち着いても飲み会はもはや必要ないという声が出てきている。仮にそういった企業が2割でも出てくると、以前のような消費水準にはならない。航空業界もこれまではビジネス客の利益率が高かったが、これだけリモート文化が根づいてきてしまうと出張の必要性が再検討されている。事実、出張費の削減で利益を出している企業もある。こういった理由からリベンジ消費によって100%戻るのは難しい」
プロのアナリストの共通の見解では、我々消費者の日常生活の中にヒントが隠れているので、アンテナを張って投資につなげるのがよいということだ。
アナリストたちが口を揃えて注目する投資ジャンル
アフターコロナの社会でも日常的に旅行に行けるのか?
「withコロナの観点から見ると、ワクチンの接種率が上がってもワクチンパスポートが進まないと経済を回すのは難しい」(中原さん)
再生可能エネルギーは”国策に売りなし”?
過去には電力自由化やマイナンバーカード事業で関連銘柄は上昇している。再生可能エネルギーバブルも近い?
DX(デジタルトランスフォーメーション)関連は引き続き「CAMBRIC」に注目!?
最近よく耳にする「DX」だが、その言葉が指している対象は実に広い。ITを活用したビジネスモデルの変革を指す言葉だが、フリマアプリやオンライン診療サービスといったBtoCサービスから、クラウドサービスやセキュリティーソフトなどのBtoBサービスまで含まれる。成長が期待される「CAMBRIC」で示される7つの分野に注目だ。
IT業界の成長分野の頭文字
C = クラウドコンピューティング
A = AI(人工知能)
M = モビリティー
B = ビッグデータ
R = ロボティクス
I = IoT
C = サイバーセキュリティー
「CAMBRIC」は2015年にアメリカのブロガーが提唱したことをきっかけに広まった今、注目しておくべき7つのテクノロジーのこと。
12月16日発売のDIMEの特集は「ヒット商品総まとめ&2022トレンド大予測」
※電子版には付録は同梱されません。
取材・文/峯 亮佑