小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

岐阜県多治見市で進む脱炭素と地域循環に向けた先進的な取り組みとは?

2021.12.09

2020年10月に政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする〝カーボンニュートラル〟を目指すと宣言しました。

その実現には、地域のすべての人が主役となって脱炭素へ移行していくべきとし、2021年6月に「地域脱炭素ロードマップ ~地方からはじまる、次の時代への移行戦略~」が決定されました。

地球の未来のためにできることは何か? 日本の様々な地域で脱炭素化への活動が始まっています。

そんな中、岐阜県多治見市で脱炭素と地域循環に向け、新たな取り組みの幕が上がりました。

ではなぜ、多治見市だったのでしょうか? その理由に迫ってみました。

【参考】
カーボンニュートラルとは-脱炭素ポータル|環境省
地域脱炭素ロードマップ ~地方からはじまる、次の時代への移行戦略~

地域電力会社が進めてきた地道な努力

岐阜県多治見市という地名から、多くの人は〝美濃焼〟や、〝暑い市〟を想像するのではないでしょうか。

多治見市は岐阜県の南南東に位置し、愛知県と接しています。人口は11万人強です。

様々な美濃焼を楽しめるショップやギャラリー、手軽に陶芸体験が可能な作陶施設などが充実し、〝陶都〟と呼ぶにふさわしい美濃焼文化があります。

また、2007年8月16日には、74年ぶりに当時の国内観測史上最高気温を更新する40.9℃を記録するなど、とても暑い市でもあります。

そんな〝暑い市〟は同時に、年間の降水量が2000mmに満たないことも多く、比較的少雨地域でもあります。つまり、ソーラー発電の導入に適しているのです。

そんな多治見市で地域電力会社として活躍するのがエネファント。代表の磯﨑氏は、地元に生まれ育った若き実業家です。

左から3番目が株式会社 エネファント 代表取締役 磯﨑 顕三氏。氏をはじめ、多治見市での脱炭素化と地域循環に取り組むみなさん。
左から、パナソニック株式会社 西川弘記 主任技師、AZAPA株式会社 代表取締役社長&CEO/CTO 近藤 康弘氏、左から4番目が株式会社米田モータース 代表取締役 米田一哉氏、SBテクノロジー株式会社 執行役員 グループ事業統括 副統括 児玉 崇氏、一番右がOpenSteet株式会社 代表取締役社長 CEO 工藤 智彰氏

エネファントは地域エネルギーの「創る」「配る」「蓄える」機能をつなぎ合わせて、脱炭素に向けた再生可能エネルギーの地域循環を目指す活動を行っています。

同社は自立分散型の電源ソーラーチャージャーの販売や、地域電力「たじみ電力」による電力供給、20年間電気代無料の家「フリーエネルギーハウス」の展開、通勤用EVレンタル「働こCAR」などの事業を通じて、地域循環共生圏構築を目指してきました。

その新たな取り組みとして、2021年11月に再生可能エネルギーを活用する次世代型充電インフラ「E-Cube」と、マルチモビリティサービスの展開を始めたのです。

「E-Cube」は、電動モビリティとインフラをワンパッケージ化したもので、トヨタの電気自動車「C+Pod」をシェアEVとして活用します。

この車両は多治見市の公用車で、公務に使われない時間帯に一般利用できるようにしたものです。

カーシェアリングのシステムには、ソフトバンクグループのSBテクノロジーとOpen Streetの技術を導入。EVシェアとCO2削減量の見える化を実現しています。

そんな、カーシェアリングのベースとなる充電インフラ「E-Cube」は、多治見駅北口と南口に2021年12月より配置されることとなっています。

また、シェアサイクルも開始されました。2021年10月以降、市内14か所90ラックが設置され、すでに市民の移動の足として親しまれています。

コンバージョン EVの実証実験も多治見市で進む

名古屋市に本社を構え、主に自動車エンジニアリングサービスを行うAZAPA(アザパ)の活動もユニークなものです。

AZAPAは市販のガソリン車を改造してEV化。エネファントをはじめ、パナソニックなど各社と連携して、EVの導入コストを下げ地域の脱炭素化への取り組みに寄与する実証実験を、多治見市で2021年11月に始めています。

同社はコンバージョンEVの設計と電子制御のシステムなどを提供。市内にある自動車整備会社の米田モータースでコンバージョンEVへの変更作業を行います。

米田モータースでは、市販の軽貨物車のエンジンや後輪の車軸などを外し、

モーター駆動部分などを設置します。

荷台部分には可搬型のバッテリーを搭載し、モーターを動かします。

このコンパージョンEVは車両代を含めると約350万円です。AZAPAの近藤氏によると、将来的には100万円程度でコンバージョンEVができるようにしたいとのこと。コストダウンに期待したいところです。

なぜ、多治見市で脱炭素への取り組みが進んだのか?

ここまで、多治見市における脱炭素と地域循環に向けた新たな取り組みを見てきました。

ではなぜ、多治見市でその活動が盛り上がっているのでしょうか? もちろん行政の支援もありますが、エネファントの磯﨑代表がその中核となっているからでしょう。

地域における脱炭素化の動きは、各所で見られます。しかし、実際の取り組みの段になると国などの補助金確保が優先され、活動自体のスピードアップがなかなか図れない実状があるようです。

エネファントは地域電力会社ですが、地元の電気工事会社でもあります。パナソニックと協業しながら、ソーラーパネルの導入やオール電化などの工事を通じて、地元の再生可能エネルギー導入に貢献してきたのです。

そんな地元密着の企業活動は決して営利目的だけではなく、例えば地域電力「たじみ電力」による電力供給には、多治見市を日本一電気代の安い市にしたいという願いがこめられていたり、通勤用EVレンタル「働こCAR」事業は、若者が地元へ就労しやすくするため、クルマの購入から維持までの負担をゼロにする取り組みでもあります。

磯﨑氏はエネルギーで多治見市の未来を変えようとしています。そして、その願いは地域にとどまらず、日本全体の未来を明るいものにしたいという願いでもあります。

その磯﨑氏の熱い想いに賛同したのが、ここに集った企業のみなさんなのです。

補助金をあてにするのではなく、企業人としてできることから始める……多治見市の取り組みはまだまだ小さな活動かもしれませんが、この活動がいつの日か、日本の未来を変える原動力になるのではないか……そんな夢を描いてしまうのは、筆者だけでしょうか?

取材・文/中馬幹弘

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年12月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「10インチデジタルメモパッドPRO」! 特集は「ヒット商品総まとめ」、「2022トレンド大予測」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。