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戸建注文住宅購入者300人に聞いた「後悔した間取り」TOP3、3位ウォークインクローゼット、2位狭いバルコニー、1位は?

2021.12.09

見栄えがいい住まいと、暮らしやすい住まいはまるで別物だ。新築で家を建てる際、間取りを見た段階では好印象だった住宅でも、実際に暮らしてみると不便に感じ、「こんなはずじゃなかった…」と、後悔する人もいることだろう。

一級建築士兼宅地建物取引士として、不動産・土地の選び方などについて様々なノウハウを伝えている印南和行氏が代表を務める株式会社南勝はこのほど、自身または家族が建てた築1年以上10年以内の戸建注文住宅に居住中の男女全国297人を対象に「後悔した間取り」について調査した。

後悔した間取りTOP3は「窓の位置」「狭いバルコニー」「ウォークインクローゼット」

「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉は本当なのだろうか?自宅の間取りについて「後悔した」「失敗した」と思ったことはあるか聞いたところ、「ある」(56.6%)、「ない」(43.4%)となり、半数以上の人が後悔していることがわかった。

自宅の間取りに後悔している168人に、後悔している間取りはどこなのか聞いた。最も多かったのは「窓の位置」(26.8%)。次いで「狭いバルコニー」(17.3%)、「ウォークインクローゼット」(14.9%)、「リビング階段」(14.3%)、「ウォークスルー型シューズクローク」(12.5%)となった。

建築や不動産、土地のプロ・印南 和行(いんなみ かずゆき)氏が解説

新築で家を建てる時、間取りにはこだわりますよね。しかし、考え抜いて決めた間取りでも、実は後悔している人は多くいます。実際に住んでみないとわからない点も多いので、これから家を建てようと思っている人が変な間取りで大失敗しないよう、お勧めしない間取り9パターンについて解説いたします。

■1.窓の位置

広々としたリビング空間を演出するのに、窓は重要となります。しかし、この窓によって問題が起こるということがあります。窓の問題で多いのは、隣の家や近くの道路からリビングが丸見えになることです。隣人や道路からの視線が気になってしまい、四六時中カーテンを閉めっぱなしにしているという人は結構います。

窓の位置を決める場合は、必ず近所の家の窓や周りからの視線を確認して、その視線から窓の位置をずらして配置するようにしましょう。視線を避けるために、高い位置に窓を付ける「ハイサイドライト(高窓)」も良いでしょう。

ただ、これもうまくやらないと、ハイサイドライトの向こう側が隣家の2階の窓だったり、近所のマンションから丸見えになったりする可能性もあるので、高いところからの視線もしっかりと確認してから設置してください。

■2.狭いバルコニー

注文住宅では、当たり前のようにバルコニーを設置するご家庭が多いようですが、本当に必要なのか検討してみてください。洗濯物や布団を干すためにバルコニーが必要という人も多いかと思いますが、昨今、洗濯物は全て「部屋干し」という人が増えていませんか?

花粉やPM2.5、黄砂等のために洗濯物を外に干すのをやめたという人や、共働きで夜しか洗濯物を干せないため、部屋干しニーズが高まっているとも言われています。最近は、「洗う、干す、取り込む、アイロンがけ、たたむ」がすべて一室で行えるランドリールームを作る人も増えています。

このような特別な部屋を作るのが難しいという場合でも、部屋の中で物干しスペースをうまく作っている人多いですよね。布団を干す場合でも、布団乾燥機を使っている人も多いです。こうなるとバルコニーの必要性はどうなのかなと思いませんか?

狭いバルコニーでは、結局洗濯物も布団も干さず、全く使っていない人も結構います。また、バルコニーの下に部屋があると、防水メンテナンスに結構費用がかかってしまうので、バルコニーが必要なければ、思い切ってなくすのもありです。

■3.ウォークインクローゼット

収納スペースをどうやって確保していくかは、間取りの中でとても重要です。収納の中でまず思いつくのがウォークインクローゼットですが、うまく作らないと後悔の元になってしまいます。1帖程度のウォークインクローゼットだと、入って人が立っている所と奥の角部分がデッドスペースになってしまいます。

では、2帖程度あればどうでしょうか?この場合は、両側にハンガーパイプが付けられるので、角がデッドスペースになることはありませんが、やはり人が立つスペースはデッドスペースになってしまいます。その通路を有効にしようとすると、今度は通路が狭くなってしまい、結構動きづらいウォークインクローゼットになってしまうのです。

収納スペースの形は変わりますが、両側のハンガーパイプのスペースだけクローゼットとして部屋に付けると、デッドスペースはなく、面積が有効に使えるようになります。

ウォークインクローゼットを検討する際は、本当にウォークインクローゼットが必要なのか?単なるクローゼットではダメなのか?をしっかり検討してください。

1帖程度のウォークインクローゼット

2帖程度のウォークインクローゼット

お勧めのクローゼット

■4.リビング階段(リビングにある階段)

リビング内に階段を設けると、2階に行くためにはリビングを通らなければならないので、リビングに動線が集中します。①家族とのコミュニケーションが取りやすい、②リビングが開放的に見えるという2つのメリットがあります。

①は、特に子供が2階の自分の部屋に向かう時に必ずリビングを通るため、親御さんは子供の様子が分かり、声を掛けやすいので安心です。②は構造にもよりますが、リビングから2階に上がっていくスペースが吹き抜けになっている場合は、開放感が出て、オシャレ感も演出できます。

しかし、一見良さそうに見えるリビング階段ですが、子供が友達を連れて来るようになると、友達も通ることになるので、散らかっていると気になりますし、くつろぎづらい。また、開放的なスペースを作ると、吹き抜けと同じで冷暖房効果が落ちてしまうだけでなく、音やニオイが階段スペースから2階に上がってしまうというデメリットがあります。

もちろん、冷暖房効果は、家全体の断熱性や気密性を高めることで解決できますし、音やニオイも対策はできますが、それはそれでお金がかかってしまいます。

■5.ウォークスルー型シューズクローク(ウォークスルー型シューズインクローゼット)

靴以外にもコートや傘などの小物からベビーカー、三輪車だけでなく、ゴルフバッグや釣り道具など趣味の道具も置けるため、玄関がとてもスッキリするので、人気の間取りの1つです。

シューズクロークは、行き止まり型の「ウォークイン型」とそのまま家に上がっていく「ウォークスルー型」があります。ウォークスルー型の場合、家族がそちらを通って家に上がることを想定しているので、玄関がスッキリ片付くというメリットがあります。その分ある程度の広さが必要なので、無理に設置すると玄関が狭くなってしまいます。

また、クローク内にも通路を設けなければならないので、収納庫としてはデッドスペースが多くなり、家族も遠回りが面倒になってウォークスルーしなくなってしまう可能性も大いにあります。

ウォークスルー型のシューズクロークは、玄関を広くとれる余裕があって、玄関に靴を置きたくないというこだわりがなければ、お勧めしない間取りです。また、シューズクロークはニオイが籠りやすいため、窓や換気扇を設けることがポイントです。

ウォークイン型とウォークスルー型のシューズクロークの違い

■6.トイレの位置(リビングそば・玄関正面・脱衣所を通るトイレ)

家の間取りを考える上でどうしても後回しになってしまうのがトイレです。最後に帳尻合わせのように決まったトイレは後悔することが多いので、注意してください。トイレの位置としては、玄関の近くにする場合、水回りの近くにする場合、リビングの近くにする場合のパターンそれぞれの間取りで失敗があります。

・リビングそばのトイレ
リビングでくつろいでいる家族がいる時や食事をしている時などに、トイレの出入りが見えてしまうと気になりますが、何よりも自他共に問題になるのは音です。防音対策をしっかり施していれば良いかもしれませんが、ニオイなどの問題もあるので、お勧めしない間取りの1つです。

・玄関正面のトイレ
玄関に近いトイレはまあまああります。トイレのドアが玄関から見えると、家族の誰かが玄関でお客さんと話をしている時、トイレに行きづらくなってしまうので、トイレのドアは玄関から見えない位置にすることがお勧めです。

・脱衣所を通るトイレ
脱衣所や洗面所を通らないと行けないトイレはお勧めしません。入浴のため脱衣所に鍵をかけると、トイレに行けない事態が出てきます。トイレは独立させて、別のドアから入れるようにしましょう。

脱衣所を通るトイレ

■7.リビング吹き抜け

リビングの吹き抜けは天井が高く、開放感があります。また、吹き抜けの窓から光が射してリビング全体が明るくなるという大きなメリットがあり、オシャレ感もグッとアップします。しかし、後悔している人も結構います。

まず何と言っても光熱費。2階の天井まで通じる空間になっているので、リビングを暖めたり、涼しくしたりするのには2フロア分の温度調整が必要となりますし、これだけの空間を暖めたり冷やしたりするまでに時間もかかります。

もう1つのデメリットは、掃除や手入れが大変なこと。2階の高さにある窓や天井に付けた照明・シーリングファンは簡単に清掃やメンテナンスができないので、専門業者に頼まなければならない場合が多いのです。照明の電球1個の交換でも業者呼ぶことになるので、その点は把握しておきましょう。

また、吹き抜けを作ると、その分だけ上階の面積が小さくなります。その分の面積があれば、クローゼットを設置したり、寝室や子供部屋を大きくしたりすることができますよね。リビングの吹き抜けは、全体のバランスを見てから検討すると良いでしょう。

■8.広すぎるリビング

リビングはあまりにも広すぎると落ち着かなくなり、後悔する人もいます。4人家族なら、18~20帖程度のLDKが開放感のあるリビングの目安です。リビングが広すぎると、結局一部しか使っていない、日中1人しかいないのでとても寂しく感じるケースがありますので、広さも意識してください。

そして、ここでも問題になるのが冷暖房効率。広い部屋だと冷暖房効率が下がります。また、リビングを広くすることにより、それだけ他の部屋か収納スペースが小さくなるという影響が出ます。バランスを取って、ちょうど良い広さを見つけてください。

■9.大開口の窓

リビングの開放感を求めて大きな窓を付けるケースがあります。でも、気を付けてください。夏に部屋を暑くするその熱は70%が窓から入ってくると言われています。そして、冬には、暖めた部屋の熱が窓からどんどん逃げていきます。最近は、断熱性の高い窓が沢山出ているので、大きな窓を設置する場合は、必ず断熱性が高い窓を検討してください。

暑さ対策には庇(ひさし)もお勧めです。夏の暑い時間帯の日差しを遮ることができ、雨や風がダイレクトに窓に当たることも防いでくれます。大開口の窓にするのであれば、庇を検討してみてください。

リビングの窓を大きくした時に注意してほしいことは、壁の面積が少なくなってしまうことです。耐震性だけでなく、家具が置きづらくなり、収納力が低下します。大開口の窓を付ける場合は、全体のバランスを考えましょう。

<印南 和行(いんなみ かずゆき)氏 プロフィール>

一級建築士。宅地建物取引士。
株式会社南勝 代表取締役。
日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合技術顧問でもあり、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能試験合格など多くの建築・不動産関連の資格を保有している。

2014年には、週刊住宅新聞社から『プロが教える 資産価値を上げる住まいのメンテナンス』を発売し、翌年の「日本図書館協会選定図書」に選ばれる。

また、2020年に一級建築士ユーチューバーとして「住宅専門チャンネル YouTube不動産」(https://www.youtube.com/channel/UCu5pac3VmabJ-OvFiPxlzIA)を開設し、建築や不動産、土地などについて様々なノウハウを伝えている。

※YouTube不動産 調べ

<調査概要>
調査期間:2021年11月24日
調査手法:インターネット調査
調査地域:全国
調査年齢:25歳以上65歳未満
調査対象:自身または家族が建てた築1年以上10年以内の戸建注文住宅に居住中の男女
サンプル数:297人

出典元:株式会社南勝(なんしょう)
https://www.nansho.jp/

構成/こじへい


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