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高効率、高耐久の半導体を実現する次世代型の半導体素材「GaN」とは?

2021.12.07

次世代型の半導体基板「GaN」とは

高効率・高耐久な半導体を実現する素材「GaN(窒化ガリウム、ガリウムナイトライド)」は、次世代型の半導体基板として量産化を進めている。そんな中、三菱ケミカルが注目の素材「GaN」についてのニュースレターを公開したので紹介しよう。

未来社会を支える素材「GaN」とは?

「GaN」は、金属の一種である「ガリウム」と「窒素」の化合物で、結晶構造をもつ半導体材料。2014年にノーベル物理学賞の受賞理由になった青色LEDの材料として知られている。

ブルーレイディスクプレイヤーやプロジェクターの光源であるレーザーデバイスにも使用されている。その物性から高速動作が可能で、かつ抵抗が小さく電力ロスが少ないパワー半導体の実現を可能とする。

従来のシリコン製の半導体は電力消費量、電力のロスが大きく、これを「GaN」製に置き換えると約10%の消費電力の削減につながるとされている。

一方で、従来は、高品質な「GaN」基板は製造するのが難しく、製造コストの面などからも量産が困難とされていた。

「GaN」の働きと関連のあるトレンドワード

パワー半導体

未来の生活は、パワー半導体によって大きく変化するといわれている。パワー半導体とは、高い電圧や大きな電流を扱うことができる半導体で、主に電圧、周波数を変えたり、直流を交流、交流を直流に変えるなど電力変換に使われる。

モーターを低速から高速まで精度良く回す、太陽電池で発電した電気を無駄なく送電網に送るなど、様々な家電製品、電気器具に安定した電源を供給する場面でパワー半導体は欠かすことができない。

適用領域は太陽光発電、鉄道、風力発電など産業向けから、EV、家電まで、多岐にわたる。パワー半導体は、高い電圧、大きな電流に対しても壊れないよう通常の半導体とは違った構造を持っている。

また大きな電力を扱うことから、熱を発して高温となりやすく、それが故障の原因につながってしまうため、発熱の要因であるパワー半導体自身の電力損失を少なくし、さらに発生した熱を効率よく外に逃がす工夫が必要とされている。

近年、省エネ化・省電力化への意識の高まりからも、無駄な電力使用を極力少なくできるパワー半導体の需要がより高まっている。現在はシリコン系基板が主流だが、それよりもさらに大電流での動作が可能で電力損失が少なく、加えて小さなサイズで大きな電力を扱うことができるパワー半導体が求められている。

「GaN」は、幅広い電圧で高速動作し電力損失が少ないという特長がある。サイズが小さくても大電流動作が可能で、機器や装置を小型化できるため需要が増加している。今後、基板の大型化の実現でデバイスコストが下がり、より多くの用途で使用されることが期待される。

次世代EV技術

政府による「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」内の実行計画・「自動車・蓄電池産業」の中心は自動車のEV化推進。政府は「2030年半ばまでに乗用車新車販売で電動車100%を実現」を目標にかかげている。

こうした流れを受けて、今、車のEV化が急速に進み、技術が日進月歩で開発されている。特に、今後は「走行するEVを非接触充電する」など、さらなる機能向上に向けた研究開発が見込まれている。こうした次世代EV技術の実現を支えるため、電子機器などの効率化、大電
流での動作の実現が求められている。

「GaN」は、大容量の電力変換に対応することができるため、電力コンバータに使用することで排熱を抑えたより高効率な電力変換が可能となる。EVの非接触充電やインホイールモーター、走行可能距離の延長や再生エネルギー発電の効率改善などへの貢献が期待されている。

5G

「5G」とは、現在携帯電話やインターネット通信で主に使用されている「4G(LTE-Advanced)」の次世代となる第5世代移動通信システム。2020年に日本でもサービスが開始された「5G」は、「4G」からの世代交代によって暮らしやビジネスを大きく変えると考えられている。

「5G」の大きな特長は超高速大容量・超低遅延・多数同時接続です。スピードは毎秒20ギガビットとなり、2時間の映画のダウンロードが3秒で済む速さとされている。

さらに、スマートフォンなど個別の機器と基地局の間の通信は「4G」の10分の1の、0.001秒しかかからず、タイムラグも大幅に改善。これにより、遠隔地のロボット操作なども遅延なく可能となり、医療分野などでのロボットの活用も期待されている。

日本政府が目指す超スマート社会の実現に向けて、「5G」は重要なポジションとなる未来の通信システムだ。

「GaN」は、電子を高速で動かすことができるため広い帯域の高周波動作が可能となり、「5G」の高周波デバイスとして期待されている。「5G」をはじめとする次世代通信の無線基地局への採用などが拡大すると見込まれている。

カーボンニュートラル

2020年10月、菅義偉内閣総理大臣は、「2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出を全体としてゼロにする。すなわちカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。

GHGとは、CO2のほか、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスをいう。完全な排出ゼロは不可能なため、排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにすることで実現するとしている。

つまり、排出せざるをえなかった分については、植林を進めることで光合成に使われる大気中のCO2の吸収量を増やす、CO2を回収して貯蓄する「CCS」技術を利用する、CO2を原料とする人工光合成などで、差し引きゼロにするという意味合いだ。

そのため、ニュートラル=中立という用語が用いられている。

現在、日本を含む世界124か国1地域が2050年までのカーボンニュートラル実現を掲げており、2060年までのカーボンニュートラル実現を表明した中国を含めると、全世界の約3分の2を占めている。

カーボンニュートラルの実現に重要なカギはGHGの大部分を占めるエネルギー源からのCO2排出量を減らすこと。その多くは、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料を燃やし、エネルギーを生み出す過程で発生しており、エネルギー消費量自体を減らすことがCO2排出量の削減に効果的とされている。その手段として、デジタル化による節電、省エネ、IoTによるエネルギー利用の最適化などが考えられる。

「GaN」は、高輝度・高出力レーザー、高効率照明、新世代ディスプレイへの応用により省エネを実現。また、デジタル化やエネルギーの効率利用に関連する「パワー半導体」、「EV」、「5G」の重要素材として、私たちの日常生活におけるエネルギー消費量を減らすことで、カーボンニュートラルへ大きく貢献すると考えられる。

関連情報:https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/

構成/DIME編集部

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