小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

保存期間、電子と紙の違い、情報漏えい、弁護士が解説する「契約書」の基礎知識

2021.12.09

他社との取引に携わる方であれば、仕事の中で契約書を締結する場面があるかと思います。

契約書の存在意義は、平時にはわかりにくい部分があるかもしれません。

しかし、いざトラブルが発生した際には、契約書が重要な役割を持ちます。

万が一のトラブルに備えて、契約書の締結・保管等に関する注意点を理解しておきましょう。

1. 契約書の締結は必須?なぜ締結するのか?

取引に関する契約書を締結する場合、契約交渉や手続きなどに手間がかかります。

もし弁護士にレビューを依頼するならば、弁護士費用も発生します。

このような手間やコストをかけてまで、契約書を締結する意味はどこにあるのでしょうか?

1-1. 契約書がなくても契約は成立する

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、法律上、契約書がなくても契約を成立させることはできます。

契約の締結方式については、一部の例外を除いてルールが存在せず、口頭やメッセージなどでの締結も認められているからです。

たとえば、メールで仕事の発注依頼があり、それに対して「わかりました、お受けします」と返答するだけでも、法的には契約が成立したことになり得ます。

1-2. トラブル防止のため、契約書を締結する方がよい

ただし、口頭やメッセージで契約を成立させた場合、

・何を合意したのかが不明確になる
・事前に決めておくべき取引条件に漏れが生じる
・トラブル発生時の処理手順が決まっていない

などの不都合が生じる可能性があります。

特に問題なく取引が行われているうちは大丈夫ですが、もし相手方との間でトラブルになってしまった場合には、上記の問題点が原因となって、トラブルが深刻化してしまう事態になりかねません。

契約書を締結すると、

・合意内容が一つの書面にまとめられているので明確
・細かい取引条件を詰めたうえで合意できる
・トラブル発生時の処理手順も決めておける

などのメリットがあり、前述の問題点を解消することができます。

そのため多少面倒でも、将来トラブルが発生した際のリスクを軽減するため、契約書を締結することが推奨されるのです。

2. 契約書はいつまで保管すべき?

契約には有効期間があるのが通常ですが、有効期間が終わったからといって、すぐに契約書を捨ててしまってよいわけではありません。

契約書は前述のとおり、トラブルの発生に備えたものです。

したがって、トラブルが発生する可能性がある限りは、契約書を大切に保管しておくべきでしょう。

保管期間の目安となるのが、民法上の消滅時効です。

相手方が債務不履行に基づく請求権を有するとしても、消滅時効が完成し、それを援用すると、相手方の請求が認められることはなくなります。

そのため、消滅時効期間が経過して以降は、契約書を保管する必要性は減ると考えられます。

一般的な債権の消滅時効は、最長でも「権利を行使することができる時から10年」が経過すると完成します(民法166条1項2号)。

したがって、取引終了から10年間程度は、契約書を保管しておいた方がよいでしょう。

なお、守秘義務に関する規定などは、契約終了後も存続する旨が定められるケースがあります。

その場合、より長期間の契約書保管が必要となるので注意しましょう。

3. 電子契約書と紙の契約書の違いは?締結・保管に関する注意点

契約書は、紙に署名・押印等をして締結する方法のほか、電子上で締結することも可能です。

最近では、コロナ禍でのリモートワークとの親和性が高いことから、電子契約の導入を進める企業が急増しています。

電子契約書と紙の契約書は、締結や保管の方式が異なるため、各ステップにおける注意点にも自ずと違いが生じることに留意しましょう。

3-1. 電子契約は契約締結権限を要確認

電子契約は、オンライン上・非対面で締結されることになります。

そのため、相手方の側で誰が締結処理をしているのか、原則として確認することができません。

万が一、契約締結権限のない人が締結処理をした場合、後で契約が無効となってしまうおそれがあります。

このような事態を防ぐためには、契約締結権限のチェック機能を備えた電子契約サービスを利用するなどの対策が必要となるでしょう。

3-2. 電子契約には収入印紙の貼付が不要

紙の契約書の場合、契約内容によっては印紙税が課税されるため、収入印紙を貼付しなければならないケースがあります。

これに対して電子契約の場合には、印紙税の課税対象である「文書」に該当しないため、収入印紙の貼付は不要です。

3-3. いずれも情報漏えい対策が重要|方法は異なる

電子契約書・紙の契約書のいずれであっても、契約書に関する情報漏えいを防止するため、細心の注意を払う必要があります。

<電子契約書の情報漏えい対策の例>
・ファイルへのアクセス権限を設定し、閲覧者を限定する
・ファイルにパスワードをかける
・ハッキング対策のセキュリティソフトを導入する

<紙の契約書の情報漏えい対策の例>
・鍵のかかる部屋やロッカーに契約書を保管する
・鍵の貸出等につき、記録を残して厳重に管理する
・契約書の表紙に「社外秘」等と記載しておく

それぞれ方法は異なりますが、情報漏えい対策が重要である点は同じです。

契約書の取り扱いに関する従業員教育を含めて、情報セキュリティの向上に努めましょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年12月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「10インチデジタルメモパッドPRO」! 特集は「ヒット商品総まとめ」、「2022トレンド大予測」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。