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テレワーク中にケガをしたり急病になったら労災は適用されるのか?

2021.12.07

テレワーク中であっても、

・長時間のデスクワークで腰痛を発症する
・上司からひどい叱責を受けてうつ病に罹る

といったケガや病気に見舞われる可能性がある点は、オフィス勤務時と同様です。

このような場合、労災保険から補償を受けることができれば、仕事を休む必要が生じたとしても、経済的な不安が解消されます。

今回は、テレワーク中のケガや病気が労災に当たるのかどうかにつき、労災認定の要件に基づいて考えてみたいと思います。

1. 業務中のケガや病気が労災に当たるための要件

労災には「業務災害」と「通勤災害」の2種類があるところ、業務中にケガをしたり病気に罹ったりした場合には、「業務災害」に当たるかどうかが問題になります。

業務災害が認定されるための要件は、「業務遂行性」と「業務起因性」の2つです。

①業務遂行性

使用者の支配下にある状態で、ケガや病気が発生したことを意味します。

②業務起因性

業務によってケガや病気が生じたという「因果関係」があり、その因果関係が社会通念に照らして、通常想定される範囲内であることを意味します。

上記の業務災害の認定要件は、オフィス勤務であっても、テレワークであっても同様に適用されます。

したがって、テレワーク中のケガや病気が業務災害(労災)に当たるかどうかは、業務遂行性と業務起因性の2つが認められるかどうかによって判断されます。

2. テレワーク中のケガや病気は労災に当たる?

業務遂行性・業務起因性の2つの要件に沿って、テレワーク中のケガや病気が業務災害(労災)に当たるかどうかを、具体的に検討してみましょう。

2-1. 勤務時間中であれば、原則として労災に当たる

就業規則などで定められた勤務時間中にケガや病気が発生した場合、労災に当たる可能性が高いです。

(例)
・長時間椅子に座っていた結果、腰痛を発症した場合
・上司からパワハラを受けた結果、うつ病に罹った場合
・トイレから座席へ帰ってくる際、椅子に躓いて足の小指を骨折した場合
など

勤務時間中は労働の義務が課されるため、労働者は使用者の支配下にあり、「業務遂行性」が認められます。

また、勤務時間中の行動については、業務との関連性が緩やかに認められるので、「業務起因性」も認められるケースが多いです。

ただし後述するように、仕事と全く関係がない行動をした結果、ケガや病気が発生したような例外的場合には、業務起因性が否定される可能性があるので注意しましょう。

2-2. 自主的な残業中でも、労災に当たる可能性がある

テレワークをしている方は、深夜帯などに自主的な残業をする場合があるかもしれません。

会社の具体的な指示がない自主的な残業でも、一定の場合には「労働時間」と認められる可能性があります。

その場合、自主的な残業中(=労働時間中)に発生したケガや病気については、原則として労災の対象となります。

自主的な残業が労働時間と認められるかどうかについては、以下の記事で解説しているので、併せてご参照ください。

参考:
自主的なサービス残業は退職時に残業代を請求することはできる?|@DIME

2-3. 積極的に私的な行為をした場合は、労災に当たらない可能性あり

勤務時間中であっても、仕事とは関係がない私的な行為を積極的に行った結果としてケガや病気が発生した場合には、労災が認められません。

(例)
・勤務時間中に料理をした結果、包丁で指を切った場合
・勤務時間中に子どもを抱っこしていた結果、腰痛を発症した場合

このような場合には、業務とケガや病気の因果関係(=業務起因性)が否定されるため、労災が認められないのです。

2-4. 休憩時間中の場合は、労災に当たらない

勤務時間の合間の休憩時間にケガや病気が発生した場合も、労災は成立しません。

休憩時間中の労働者は、使用者の支配下にはないと解され、業務遂行性が否定されるためです。

(例)
・休憩時間にコンビニへ弁当を買いに行く途中に、交通事故に遭ってケガをした場合
・休憩時間にトイレへ行く途中で、壁に足の小指をぶつけて骨折した場合

ただし、使用者から待機命令が出ているなど、業務に取り掛かることができる態勢を整えている場合には、休憩時間ではなく労働時間であると判断されます。

その場合、休憩時間(実は労働時間)中に発生したケガや病気は、労災の対象となる点に注意しましょう。

3. まとめ

テレワーク中にケガをしたり、病気に罹ったりした場合には、仕事を休まなければならなくなるかもしれません。

さらに、治療費などにもお金がかかってくることが想定されます。

テレワーク中のケガや病気についても、労災保険給付を請求できる場合がありますので、忘れずに請求を行いましょう。

労災保険給付の請求方法については、労働基準監督署の窓口などで確認できます。

受給できる労災保険給付の種類も多岐にわたるので、ケガや病気の状況を踏まえて、漏れのないように手続きを行ってください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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