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みんなが辞めていく会社にはそれなりの理由がある

2021.12.03

■連載/あるあるビジネス処方箋

大企業やメガベンチャーの社員はなぜ謙虚な人が多いのか?」では、新卒(主に大卒)の採用試験の採用力において各企業間で大きな差があると書いた。そのランキングの詳細はその記事をご覧いただきたい。

今回は、私の観察では2005年前後から目立つ傾向を取り上げたい。それは「B級のC級化(21位以下」だ。B級=業界で上位4~20位の会社のエントリー者数が年々減ってきて、C級のレベルと差がないようになってきた。

背景には少子化で学生が減ったり、業績難で新卒採用に投下できるコストが少なくなったりして、従来のような母集団形成が難しくなってきたことがある。B級の会社の採用試験のハードルが下がり、人材の質の低下を意味する。

2021年現在、例えば、出版界のB級の会社(4位~20位)の総合職の平均相場で言えば、プレエントリーで1200~1000人以下、本エントリーで800~500人以下に落ち込んでいる。本エントリーで500人前後から5~15人を採用すると、倍率は100~50倍。この数字は、一流であるA級のレベルとは程遠い。むしろ、C級に近い。その意味で「B級のC級化」と言える。

A級の出版社の場合(1位~3位)、総合職の平均相場はプレエントリーで40~50年前から5~12万、本エントリーで5000~1万5千人。ここから、15~40人を選ぶ。倍率は、少なくとも150~200倍を推移する。エントリー者が多い年は、400~700倍を超える。依然として人気企業であり、エントリー者は高止まりだ。

A級もB級もともに新卒採用において少子化の影響を受けているが、B級はもともと経営体力が弱いだけに落ち込みは深刻だ。B級の15~20社のうち、5~8社ほどはこの15年で毎年、新卒採用をすることができなくなっている。

B級にとって致命的なのはこの30年間、特に1990年代後半に主な事業の柱(雑誌)が倒れたことだ。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の調査では、この時期から雑誌の出版市場規模は年々小さくなっている。特に雑誌は、縮小が止まらない。2019年の販売部数は9億7554万冊ほどで、55年前の水準だ。

売上や経常利益が伸び悩み、採用コストを減らさざるを得ない。経費削減の一環として例えば、新卒採用グループを作ることができずに、総務部の数人(1~2人のパターンが多い)で対処する。こんな少人数では、A級のような母集団形成は不可能だ。

B級の新卒採用の難易度が相対的に下がってきたために人材の質も劣化しつつある。私の実感では、A級の会社の編集者の仕事力と比べると5~7ランクは低い。採用が杜撰になり、マッチするか否かをシビアに捉えることができなくなり、定着率は低くなってきた。1990年代前半の頃に比べると、ここ20年は下がり続けている。

一例を挙げると、B級のP社(社員数250人)に1990年に入社した編集者の同期生は6人。2007年の時点で残りの5人全員が退職。その後、現在に至るまでこの男性は副編集長、編集長を歴任し、現在(55歳)は部長だ。私の実感で言えば、男性の編集者としての仕事力はA級の出版社の同世代の編集者よりもやはり、5~7ランクは低い。このレベルでも、重要なポストを歴任できるのだ。

この会社の1988年、89年、91年、92年、93年の入社数は毎年平均で6人ほどで、ほぼ全員が15年以内に退職しているという。残った1人(同期生の中の1人)が、役職を歴任する。つまり、ほぼ全員が管理職はもちろん、役員にもなれるのだ。これはP社の社員や役員、元役員、退職者が話すことだ。

他の業界もまた、B級の採用力が低下している。それにともない、力をつけてきたのが一部のベンチャー企業だ。それが、今日のメガベンチャー企業の20~30社とも言える。このような新陳代謝は大切だ。

読者諸氏が新卒採用試験を受けるならば、「B級のC級化」を心得たうえで決断を勧めたい。C級の会社になっていくB級へのエントリーは避けたほうがいい。あなたの人生を沈んでいく会社に捧げるなんてナンセンス!みんなが辞めていく会社には、何かの理由があるのだ。

文/吉田典史

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