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炎症を促す作用がある食品の摂取量が多い人は認知症の発症リスクが高い、ギリシャ国立カポディストリアコス・アテネ大学研究報告

2021.11.26

炎症を起こしやすい食事が認知症リスクに関与

抗炎症作用のある果物や野菜、豆類などの食品の摂取量が多い人は、加齢に伴う認知症の発症リスクが低い一方で、炎症を促す作用のある食品の摂取量が多い人は、認知症の発症リスクが高いことを示した研究結果が明らかになった。

国立カポディストリアコス・アテネ大学(ギリシャ)のNikolaos Scarmeas氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に11月10日掲載された。

この研究では、1,059人のギリシャ人(平均年齢73.1歳、男性40.3%)を対象に、平均で3.05年追跡し、炎症を起こしやすい食事と認知症発症との関連が調べられた。

研究開始時に認知症のある対象者は含まれていなかった。

炎症を起こしやすい食事については、食事性炎症指数(dietary inflammatory index;DII)のスコアを基に評価した。DIIスコアは、食事記録や食物摂取頻度調査票から得た情報を基に、45種類の栄養素や食品について炎症を促進するか抑制するかをスコア化したもので、スコアが高いほど炎症を起こしやすい食事であることを意味する。

対象者のDIIスコアは-8.87から7.98の範囲に分布していた。スコアに応じて対象者を3群に分けて解析を行ったところ、スコアが最も高い群では最も低い群に比べて、認知症を発症するリスクが3倍高いことが明らかになった。

また、同スコアが1ポイント上昇するごとに、認知症リスクは21%増大することも判明した。

なお、DIIのスコアが最も低い群では、1週間当たりに果物を20サービング(SV)、野菜を19SV、豆類を4SV、コーヒーまたは茶を11SV程度摂取していたのに対し、同スコアが最も高い群では、果物が9SV、野菜が10SV、豆類が2SV、コーヒーまたは茶が9SV程度にとどまっていた。

こうした結果を受けてScarmeas氏は、「炎症を促しにくい食事は、認知症発症リスクの低下に関連していた」と話す。

ただし、その機序が解明されたわけでも、また、食事により認知症の予防や脳の健康状態の維持が可能になるのかどうかが明確になったわけでもない。

その点を踏まえた上で同氏は、「食事はさまざまな機序で脳の健康状態に影響を与える可能性がある。今回の研究から、食事の炎症に対する作用がその一つとして浮かび上がってきた」と説明している。

同氏はまた、「DIIスコアが脳の健康状態に与える影響について確固たる結論を導き出すには、より長期にわたって追跡する必要がある」と話し、慎重な解釈を求めている。

Scarmeas氏らの研究報告を受けて、米ラッシュ大学医療センターのThomas Holland氏は、「この研究は炎症、とりわけ神経炎症のメカニズムの重要性を強く示したものだ。神経炎症は認知機能の低下やアルツハイマー型認知症を引き起こす主な要因の一つだと考えられている」と述べている。

また、Holland氏は脳の健康に良い食事としてMIND食や地中海食、DASH食を挙げている。

これらはいずれも脂肪の少ない肉、魚、全粒穀物、新鮮な果物や野菜などの生鮮食品、オリーブ油などを中心とした食事である。その上で、「全脂肪乳製品や揚げ物、ファストフード、ペイストリー類、赤肉の摂取量を減らすなど、西洋式の食事を回避することが重要だ」と述べている。(HealthDay News 2021年11月11日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://n.neurology.org/content/early/2021/11/10/WNL.0000000000012973

構成/DIME編集部

 

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