小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

サッカー日本代表オマーン戦取材でわかった滞在先でのPCR検査と日本の水際対策の実態

2021.11.22

オマーン戦前の国歌斉唱の様子(筆者撮影)

完全アウェーの中、行われたオマーン戦(筆者撮影)

敵地・オマーンで勝ち点3。グループ2位に浮上した日本代表

1116日の2022年カタールワールドカップ(W杯)最終予選・オマーン戦(マスカット)を伊東純也(ゲンク)の決勝弾によって1-0で勝ち切った日本代表。本大会ストレートインの2位以内を争うライバル・オーストラリアが同日の中国戦(シャルジャ)を1-1で引き分けたことから順位が逆転。日本は2位に浮上して、2022年のラスト4試合を戦えることになった。

「(来年)1月とか3月の時点でグループ3位とか4位にいるのは避けたいなとずっと思っていたので、1つよかったなと思います」とキャプテン・吉田麻也(サンプドリア)も安堵感を口にしたが、それはチーム全員に共通する思いだろう。2022年は1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦、3月29日のベトナム戦がいずれもホーム・埼玉スタジアム開催。このアドバンテージは大きい。それを生かすためにも、選手たちは個々の成長に努めるべき。森保一監督もより多彩な采配や選手起用を考えてもらうしかない。

帰国前に必須の滞在先でのPCR検査!

筆者も2年ぶりのアウェー戦取材で独特の緊張感と高揚感を味わったが、その前にやるべきことがあった。帰国前のPCR検査だ。日本入国に当たっては、滞在地出発72時間前以内にPCR検査を受け、陰性証明を取得することが必須。在オマーン日本大使館のサイトを事前にチェックし、マスカット市内には日本フォーマットの証明書を出してくれる病院が2つあることが分かっていたため、当初はそちらに行くつもりだった。

ドライブスルーのPCR検査場。日本もこういう施設が増えるといい(筆者撮影)

だが、滞在先のホテルスタッフが「すぐ隣のアスター病院(ASTER HOSPITAL)にもPCR検査施設があって外国人用の証明書を発行してくれる」と言うので、試合前日の15日に情報収集を実施。「日本語版にサインして、印を押します」と確認を取った。料金も大使館推奨病院が3545リアル(1万500円~1万3500円)なのに対し、隣の病院は18リアル(5400円)と安い。タクシー代が高いオマーンは移動1つ取っても大変なので、歩いて行けることに越したことはなかった。

そして試合当日の朝8時半。病院裏手の駐車場に行くと、そこがドライブスルー検査場になっていて、すでに数台の車が並んでいた。筆者は受付に話をし、パスポートを見せ、18リアルを払って検査用キットを受け取り、向かいにある検査場所へ。そこで担当が手際よく長い綿棒を鼻と口の奥に突っ込んで検体を採取してくれた。検査時間はものの2~3分。そして24時間後の17日9時頃に検査結果を取りに行くと「ネガティブ(NEGATIVE=陰性)」の判定。まずは安心して、病院正面の事務室で日本語版証明を作成してもらい、全てが終わった。

中東在住メディア仲間の話によれば、UAEの場合は日本語版対応の病院が3つあり、そこで検査を受けなければいけないとのこと。しかしサウジアラビアやエジプトなどはオマーン同様、複数の病院が柔軟に対応してくれて、値段も数千円レベルとそれほど高くないようだ。欧州に目を向けても、ドイツはフランクフルト、ベルリンなど主要空港にPCR検査施設があり、そこで手早く検査ができ、日本語版証明も発行してくれるという。

実際にPCR検査を受けてみた(筆者提供)

実は今回、フランクフルト経由だったため、ドイツに途中滞在して、ブンデスリーガの取材をしてから帰国することも考えたのだが、PCR検査事情がよく分からず、断念した経緯があった。しかし実際にはオマーンで取得した陰性証明を提示すればドイツに入国できたし、さらにドイツのフランクフルト空港で検査して日本語版証明を取得すれば、その足で日本に帰れたのだ。「惜しいこと」をしたという残念な気持ちになったが、コロナ禍初の海外出張だから不明点が多いのは仕方ない。次回は日本出国後、複数国を回って帰るパターンにトライしようと考えた。

フランクフルト空港の飲食店はワクチンかPCR陰性証明提示義務が

移動便は18日2時45分(日本時間7時45分)で、試合翌日の午後からは時間があったため、マスカットの名所の1つであるマトラスークに足を延ばし、港の夜景を眺めつつ、エビやマトンなど現地料理に舌鼓を打った。そしてマスカット空港へ移動。陰性証明を提示してチェックインが完了し、機上の人となった。

マトラスークから見える夜景(筆者撮影)

フランクフルトに着いたのは、現地時間7時(日本時間15時)前。往路同様、帰国便の搭乗券をカウンターでもらうまで少し時間があったため、空港内のレストランで簡単な朝食を摂ることにした。入店の際はワクチン接種証明かPCR陰性証明のいずれかを見せることが必須。ただ、ドイツ在住記者の話によれば「空港は厳格だが、高速鉄道のICEに乗る際の陰性確認などはないし、飲食店もそこまで徹底されていない」とのこと。フランスなどはかなり厳しいルール設定になっているようだが、各国独自のやり方でコロナ対策を進めつつ、「ウイズ・コロナ」を実践しようとしているのが伺えた。

レストランでは2年ぶりのドイツ料理であるニュルンベルガー・ソーセージの朝食セットとバイツェンビアを注文。コロナ前は年2回以上は訪れていたドイツがこんなにも遠くなるとは全く思わなかった。感慨深さを感じつつ、久しぶりの味を大いに満喫。「2022年は必ずこの地に取材に訪れよう」という意欲がグッと高まった。

フランクフルト空港のレストラン前の看板(筆者撮影)

そして1150分(日本時間1950分)発のルフトハンザ便(運行会社はANA)に搭乗。機内はガラガラで、乗客全員が3席占領して寝られるくらいだった。マスカット→フランクフルト行きも乗客はまばらだったが、それをはるかに超える少なさだ。その一因が日本の厳格な水際対策にあると痛感したのは、羽田空港に到着してからだった。

飛行機は19日7時前に着陸。だが、すぐには降りられず、1015分ほど待機することになった。その後CAの合図に従って外に出ると、大半のトイレが使用禁止になっていた。コロナ対策の一環で使える場所を制限しているとは聞いていたが、幼い子供連れの家族などは大変だろうと気になった。

羽田空港のトイレはほとんどが使用禁止だった(筆者撮影)

しばらく歩くとスタッフがいて、「質問状のQRコードはありますか?」と確認された。筆者は事前に厚生労働省のサイトを調べ、ワクチン・PCR証明証明を印刷し、誓約書の記入を済ませ、質問状も回答してQRコードを取得。さらに機内で渡された検疫提出用の書類なども書き終えていたので、先に進んだ。

次の窓口でPCR陰性、ワクチン接種証明を提示。その確認が終わると、空港でのPCR検査用キットを渡された。近くのブースで一定量の唾液を採取するのだが、昨年から何度か行っている木下グループの検査施設はテーブルがあってモノを置けるのに、空港は単に仕切りが設けられているだけ。荷物置き場は別にあったが、どこか使いにくい印象を受けた。

これを終えると、次はアプリの確認だ。「MySOS」と「COCOA」はすでにダウンロード済みだったが、設定担当者と使い方説明担当者がそれぞれいて、手際よくスマホをチェックしてくれる。テストメールの受信もあり、確認できたら「次へ行っていいです」と言われる。この先が質問状回答後のQRコード確認と誓約書提出のカウンター。これを提出し、検査待ちのエリアに辿り着いた時点で8時はゆうに回っていた。

到着時手続きの表示板。オマーンとは比較にならないほど煩雑だ(筆者撮影)

検査結果は20分程度で出て、陰性が確認されると、ようやく入国審査場に進めた。その先がバゲージクレームだが、今回は機内持ち込みの荷物だけだったので、受け取るものはなかったが、これだけ時間がかかったら当然、荷物の方が先に出てくる。係員に聞くと「その場合は航空会社で保管しておきます」ということだが、手間がかかって大変だろう。

筆者は幸いにして到着から1時間半で外に出られたが、昼~午後にかけて到着便が多い場合は倍くらいかかることもある模様。空港スタッフの負担は非常に大きいのだ。仮に乗客数が増えた場合にはパンクしてしまいかねない。水際対策自体は重要だが、手続きを簡素化しない限り、日本と海外へ自由自在に行き来するのは困難なのだ。

陰性確認後、入国審査前に渡される書類(筆者撮影)

加えて、公共交通機関利用不可。筆者は自家用車を運転して帰ったが、駐車場代は1週間で1万3000円程度と高額だ。それでもハイヤーやタクシーを使うよりは安い。さらには自宅で最低10日間の自主隔離を強いられる。11月8日からは「隔離期間が最短3日に短縮された」と盛んに報じられたが、それは事前に行動計画書など複数の書類を監督官庁に提出して、許可を得た場合だけだ。

実は今回のケースでも使得る可能性はないか模索し、8日からコールセンターに電話をかけたが全くつながらなかった。3日目の10日になってやっとスポーツ取材(活字メディア)の監督官庁が文部科学省だと分かり、電話をしたところ「フリーランスの方は依頼先に受け入れを頼んで、そちらから書類を出してもらってください。ただ、審査には2週間はかかります」と言われ、あえなく断念するに至った。大企業の出張でもこれはなかなか使えない。入国緩和へのハードルは高いのだ。

となれば、1129日にPCR検査を受けるまでは家にいるしかない。その間、MySOSのビデオ通話や位置確認を毎日求められるということだが、帰国後1日半が経過しても待機場所登録が完了していない。入国者健康確認センターに電話を入れると「まだデータが届いていないようです」との返事。本当にこの水際対策は大丈夫かと心配になった。

*結局、その後登録が済み、ビデオ通話と位置確認が来ている状態になった。

次の日本代表のアウェー戦は3月25日のオーストラリア戦。その時までに世界中のコロナ感染状況と日本の水際対策が改善されていることを切に祈る。

取材・文/元川悦子

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年11月16日(火) 発売

DIME最新号の特別付録は「自撮り棒一体型スマホ三脚」! 特集は「今聴くべき、ラジオと音声コンテンツ」、「家電進化論2022」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。