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スナックの店主になったリリー・フランキーさんが語る、今も昔も変わらないラジオの「正直さ」

2021.12.18

俳優、文筆家、画家など多才な顔を持つリリー・フランキーが、スナックの〝店主〟となって放送される『スナックラジオ』。実に14年ぶりのパーソナリティーとなった彼が語る、今も昔も変わらないラジオの正直さとは?

TOKYO FM/JFN『リリー・フランキースナックラジオ』

毎週土曜日16:00~16:55

『リリー・フランキースナックラジオ』

スナックの店主に扮するリリー・フランキーと、川村那月、BABIの〝バイト女子〟が「誰も聞いてないと思って話す」という、力の抜けたラジオ。TikTokとコラボしたコーナーが好評。

[リスナー層]10~80代まで幅広く聴取している

ラジオは嘘をつけない。だからリスナーとの間に信頼が生まれる

リリー・フランキーさん

『スナックラジオ』店主
リリー・フランキーさん

1963年生まれ、福岡県出身。イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、多分野で活動。初の長編小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社)は2006年本屋大賞を受賞、また絵本『おでんくん』(小学館)はアニメ化された。映画では、第71回カンヌ国際映画祭にて、主演を務めた『万引き家族』(是枝裕和監督)がパルムドールを受賞している。

──久しぶりのラジオパーソナリティーはいかがですか。

リリー コロナ禍に始まった番組だったので、俺にとって唯一コミュニケーションをとっているのが、リスナーでした。リスナーとの圧倒的距離の近さが、いつになっても変わらない、ラジオのよさ。テレビはマスに向けてですけど、ラジオはパーソナリティーとリスナー1対1ですから。

 今、『スナックラジオ』をやっていて一番うれしいのは、10代から80代までという幅広い世代のリスナーがいて、メールを送ってくださること。土曜の夕方という時間帯もあるんでしょうね。

──出演メディアは多岐にわたりますが、ご自身がお好きなのは?

リリー ラジオみたいに、少人数で作れるものは好きですね。瞬発力が発揮できるのもいい。その場で曲を決めたり、ゲストを引っ張ってきたり、内容も話しながら決められる。実は、ラジオが一番贅沢なことができるんですよ。テレビや映画で宇宙を作ろうと思ったら、どうしてもしょぼくなるけど、ラジオは一言「ここは宇宙」と呟けば、リスナーが最高の宇宙を思い描いてくれる。何を形にするにも、人間のイマジネーションに勝るものはありませんから。

──リスナーを信頼しているメディアですよね。

リリー うん。それに、ラジオで嘘つくと一瞬で見透かされますね。声でわかるんですよ。逆にこちらもわかります。昔、僕が構成作家を始めたばかりだった頃は、お便りはハガキで来てましたから、やっぱり、〝つくりハガキ〟は字でわかる。そういうハガキは選ばないようにしてました。作家や小説家が考える話より、自分自身の経験っていうもののほうがよっぽどおもしろいでしょ。だから、あったことをそのまま書いてきてくれたらいい。無理におもしろくする必要はないんだから。

──リリーさんのお気に入りのラジオ番組はありますか?

リリー そう言われて今、一番に思い浮かんだのは中学生の頃、熱心に聴いた(笑福亭)鶴光さんの『オールナイトニッポン』かな。あれは深夜1時開始とかで始まるまで起きてるのがつらいんだよね。最後まで聴けたことはなかったです。

ラジオで絶対に嘘はつけないですね

──今とは違って、当時は生で聴くしかなかったですもんね。

リリー radikoができて、ラジオの存在が変わりましたよ。どこに住んでいてもジャストチューニングで聴けるし、リスナー全体の年齢層も若返ったし。今はローカルの単局でやってるような番組だってradikoだったら、どこでも聴けますから。実際、ラジオはある程度突っ込んだ話をしなきゃいけないと思っているのは、あの頃聴いたラジオの影響だと思いますね。桑原茂一さんの『スネークマンショー』での〝ラジオドラマ〟にはすごく文化を感じたし、おしゃれだなって思ってました。

──今年、リリーさんもTOKYO FMでラジオドラマ『「東京」 2021春 サヤカとトモヤ ~君の牛、再び~』を書き下ろされてますね。

リリー 今年の作品は、昔、僕がTOKYO FMで書いたドラマを勝手にオマージュした内容なんだけど、出典が古すぎて誰も気づいてくれなかったんだよ。

──どんなオマージュだったんですか?

リリー TOKYO FMの『ジェットストリーム』で昔、矢沢永吉さんの特集があって、永ちゃんが出てくれるというラジオドラマの脚本を書いたことがあったんだけど、脚本がなかなかできなくて。ディレクターが、「アメリカにお帰りになるので、矢沢さんのセリフだけでもください!」って言うんですよ。まだ何も決まってないのに。

──大変ですね(笑)。結局、どうされたんですか?

リリー 永ちゃんが、いや、人が一生言わないようなことをって考えて書いたのが「これ、君の牛?」ってセリフ。矢沢さんは真面目な人で、最終的に11テークくらいやってくれて。そのセリフをもとにラジオドラマを作ったんですよね(笑)。でも、これができるスピード感もラジオのよさなんだと思いますよ。

リリー・フランキーさん

『「東京」 2021春 サヤカとトモヤ ~君の牛、再び~』

4月に放送されたリリー脚本のオリジナルラジオドラマ『「東京」 2021春 サヤカとトモヤ ~君の牛、再び~』。

●番組プロデューサーが話す〝ここがツボ!〟

土曜の夕方に聞くにはスパイシーなトークもありつつも、リリーさんは、ラジオでは何がおもしろいのかを判断し、皆が感じる言葉にならない感覚を的確に表現していきます。その繊細さと大胆さが混ざったトークが魅力です。

取材・文/小西 麗

*1:1976年春から1980年初夏にかけてラジオ大阪、ラジオ関東(現・RFラジオ日本)、東海ラジオ、TBSラジオで放送された音楽番組。先鋭的な選曲と曲間でのラジカルなコントが話題になった。
*2:1967年7月4日に、東海大学の超短波放送実用化試験局FM東海にて放送を開始。1970年4月からは、FM東海を引き継いで開局したTOKYO FMに移り、今も放送を続ける長寿番組。現在は福山雅治が6代目パーソナリティーを務める。

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