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【今月の一冊】陰謀論を痛快に描いたクリストファー・バックリーの傑作「リトル・グリーンメン〈MJ-12〉の策謀」

2021.11.20

『リトル・グリーンメン〈MJ-12〉の策謀』

 UFOやアブダクション(第4種接近遭遇)を扱った番組が好き、陰謀論が好物。そんな方々に自信をもって熱烈推薦できるのがクリストファー・バックリーの『リトル・グリーンメン』です。

笑えるUFO騒動の中に政府への風刺もピリリ

 時は、新ミレニアムを目前にした20世紀末。主な舞台は、アメリカ合衆国の首都ワシントンDC。主人公は、大統領にも舌鋒鋭く斬り込む姿勢で人気絶頂にあるテレビパーソナリティー、バニオンです。高視聴率トークショーの司会を務め、セレブたちとの優雅な社交で自尊心を肥大させていく日々。が、しかし! バニオンの順風満帆人生は、自然界ではあり得ない角度で飛んでいくゴルフボールのように、休日を謳歌していた4番ホールで激変してしまうんです、エイリアンに拉致されて。

〈玉虫色の肌がかすかに光を帯びている。頭はつるつるで黒い目はアーモンド形、左右の耳にはすっと切れ目がはいっている〉、そんな「いかにも」の見た目の宇宙人に果敢に話しかけるバニオン。

〈「おい」彼はすごんで見せた。「これは何の真似だ?」

「ウーガ、バカク」

「英語が喋れないのか?」

「クリーク、マク、フィート」

「エイゴ? ダメ? デスカ?」〉

 が、しかし! このすべてが政府内の超極秘プロジェクト組織〈マジェスティック・トゥウェルヴ MJ-12〉によるでっち上げなのでした。これは、冷戦時代にソ連をはじめとする共産圏への牽制の意図で創設され、現在は、エイリアンによる地球侵略をにおわせて国民の不安をあおることで、潤沢な宇宙開発費や軍事費を確保せんと、定期的に一般人を拉致している組織。スパイ活動に憧れて入局したのに、薄汚れたビルの地下でこんな茶番のお膳立てをする仕事に腐りきっていたスクラブスは、テレビに映るバニオンに反感を抱き、酒の勢いで彼を犠牲者に選んでしまったんです。

 UFOとエイリアンの存在を確信してしまったバニオンは、番組内でも自身の体験を話し、やがて全米200万人のUFO信者のリーダーに祭り上げられていきます。離れていってしまう妻や友人、スポンサー。番組の降板。が、しかし! 一度盲信してしまったバニオンの猪突猛進は止まりません。その暴走を危惧したMJ-12は暗殺を計画。バニオンを拉致した責任を問われ、逃亡していたスクラブスは、彼の人生をめちゃくちゃにしてしまった責任を感じ、真実を明かすのですが──。

 大統領をはじめとする政府の重鎮たち、「コスモスポリタン」なる怪しい雑誌の美人編集者など、大勢の人物が絡みながらスラップスティックに展開していくUFO騒動が笑えて愉快。が、しかし! 『ニコチン・ウォーズ』(創元推理文庫。これも傑作ですから古本屋で見かけたら即ゲット!)で、禁煙社会を背景にタバコ業界ロビイストの暗躍を通じて合衆国政府の裏側を赤裸々に描いたバックリーだけあって、この作品でもアメリカ社会やメディア、政府を風刺する知的な読み味も併せ持っているんです。「信じるか信じないかはあなた次第です」の関暁夫さんにも読んでほしいなあ。

『リトル・グリーンメン〈MJ-12〉の策謀』

著/クリストファー・バックリー 訳/青木純子 
東京創元社 1496円

豊﨑由美
この号が皆さんの手元に届く頃には、飲食店で酒が提供されるようになっているでしょうか。料理人が作ったつまみを肴に、酒が飲みたい飲みたい飲みたいの1億乗です。自宅飲みには飽き飽き!

人生前向きにいこうぜ!【編集部イチオシの3冊】

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『モテるかもしれない。』

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『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』

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時にお腹を抱えて笑い、時にグサッと心にくる言葉に出会える珠玉のエッセイ集。御年98歳とは思えない著者の生き様、視点の持ち方に活力をもらえるはず。断筆宣言もあるが、これは見なかったことにしたい。

文/編集部

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

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