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コロナ禍に強い飲食店はハンバーガー、回転寿司、鰻?

2021.11.20

コロナ禍と飲食店

 東京では、今年の元日から9月末までの9か月間で、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も発出されていなかった日はたった28日。これでは、外食界が悲鳴を上げるのも当然の話。下の表のとおり、コロナ禍で特に落ち込みが激しかったのは、居酒屋とファミレスで、逆にへっちゃらだったのが、ハンバーガーと回転寿司。そのため、クラフトビア・パブのEVERBREWがグルメバーガーの『ショーグンバーガー』のフランチャイズ店(新宿店はコロナ禍でも月額1800万円の売り上げを記録したそうです)を秋葉原に出店したり、鳥貴族がチキンバーガー専門店『トリキバーガー』を大井町に出店したり、銀座で高級寿司店を経営しているLEOCが表参道に『廻転鮨 銀座おのでら』を出店したりと、外食界ではハンバーガーと回転寿司への業態転換が目立っています。

 この9月、麻生財務大臣が「外食の制限は本当に効果があったのか」という趣旨の発言をして波紋を呼びましたが、同じ声は時短要請をしっかり守ってきた飲食店からも上がっていました。確かに8月の人流はほとんど減らなかったのに9月に感染者数が急激に減ったため、「なぜ減ったのかわからない」と首をひねる専門家もいました。

 が、今回、時短や酒類販売停止の要請に従っていなかった店にインタビューしたところ、そういう店は口を揃えて、感染者数が5000人を超えた8月の2週目から9月の第1週にかけて客足が驚くほど減った、と証言しています(こういう話ってなかなか表には出てこないのですが……)。

 これから類推されるのは、やはり、要請に従っていない店の客が減れば、感染者数も減る、ということ。

 西村経済再生担当大臣も、それがわかっていたから、要請を守らない飲食店に卸売店が酒を売らないよう働きかけたり、金融機関に融資を止めさせようとしたり、SNSで客に密告させようとしたりしたのでしょうが、そうした強引な方策は批判の的となり、実行に移すことはできませんでした。また、東京都は、要請に従わない店は店名を公表すると宣言していましたが、これも、先に大阪府が要請に従わないパチンコ店の店名を公表したところ、「あの店はやってるんだ」とかえって客が集まってしまったため、実現しませんでした。さらに、多くの店で話を聞いたところ、この夏の都による飲食店の見回りはおざなりで、ほとんど見て見ぬふりだったようです。

 結局、感染者数を減らすうえで実際に効果があったのは、5000という数字を見て人々がビビって要請に従わない店に行かなくなった、人々の警戒心でしかなかったわけです。

 ところで、コロナ禍の今年、最も話題になった外食企業は、3月に時短命令は違憲・違法として都を訴えたグローバルダイニングではないでしょうか。『ラ・ボエム』や『モンスーンカフェ』を運営する同社は、緊急事態宣言下でも平常運転を続ける方針を示し、当初批判を浴びたものの、今年の第2四半期(4〜6月)の売り上げは47.1億円で、前年同期比92%アップ。しかも、新しい顧客を取り込むことにも成功し、3月には230円前後だった同社の株価は、今は420円前後で推移しています。

コロナ禍前後の主な外食企業の売上高

 こうしたやり方を真っ向から批判したのが、『紅虎餃子房』や『万豚記』の際コーポレーションの中島武社長です。彼は、日経ビジネスのインタビューで、名指しこそしなかったものの「ルールを守らない飲食店こそ、時短営業・酒類提供停止を延々と長引かせる要因だ」と指摘しました。

 際コーポレーションは、都の要請を守り続ける一方で、午後8時までの営業でも売り上げが見込める業態として鰻専門店に注目し、最初の緊急事態宣言が出てから3か月後の昨年7月、銀座に、従業員が客の前で鰻をさばき、炭火で焼き上げる『にょろ助』の1号店を出店。既存店の業態転換を進め、わずか1年で、都内でも12店に拡大しています。

 命令に従わないことを天下に宣言したグローバルダイニングは、こっそり酒を出している店に比べればフェアだと言えるし、批判されるリスクを取ったからこそ成功を手にできたのだとも思います。しかし、個人的には、際コーポレーションのこうした地道な取り組みのほうにシンパシーを感じてしまいます。

 時短要請に従った飲食店に出される協力金は、最初の緊急事態宣言の時は、どんなに店数が多い会社でも1社200万円が上限でした。ところが今では、1店ごとに1日最大20万円支給されることになっており、500店以上を展開するくら寿司は、この協力金だけで40億円以上の営業外収入を見込み、2021年10月期の最終損益は14億の黒字を予想しています。要請を守っても、黒字が出せるという実例です。

 今は、いくら要請しても、人々がビビり始めない限り行動変容は起きないことがわかりました。政府は法律を改正し、この先第6波、第7波がきた時、法的な力でイートインの飲食店を2週間だけ完全に閉めさせて(徹底すれば2週間で効果が出るはずです)、その代わり、後から協力金を出すのではなく、カリフォルニア州のように緊急融資として先に金をポンと渡して、後でチェックして条件にかなえば返済を求めないことにする。そして2週間経過したら深夜営業と酒類販売を再開させる──これを繰り返すのが賢明ではないでしょうか。

 緊急事態宣言を9か月も出し続けるより、このほうがお金もかからないと思うのですが。

『カフェ ラ・ボエム 麻布十番』

麻布十番の中央広場の前に2003年にオープンした『カフェ ラ・ボエム 麻布十番』。営業は午前3時まで。緊急事態宣言中は、連日深夜に行列ができていました(若者の酒離れが指摘されていますが、実はみんなこんなに飲みたかったんですね)。◆住所:港区麻布十番2-3-7グリーンコート麻布十番1・2F ◆電話:050・5444・1917

『にょろ助 銀座店』

際コーポレーションの『にょろ助 銀座店』は、東京では珍しい蒸さずに焼く「地焼き」の鰻専門店の1号店。2020年7月オープン。赤坂では和食店をこの店に業態変更したところ、1日の売り上げが3万円から70〜80万円近くに跳ね上がったそうです。◆住所:中央区銀座6-12-7 銀座新星ビル ◆電話:03・5537・5914

コロナ禍に強いのは、ハンバーガーと回転寿司と鰻コロナ禍に強いのは、ハンバーガーと回転寿司と鰻

【秘訣】コロナ禍に強いのは、ハンバーガーと回転寿司と鰻

取材・文/ホイチョイ・プロダクションズ

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