
仮想現実ネット霊園
仮想現実空間で故人を供養するネット霊園『風の霊』が、今年11月にオープンする予定だ。
スマホやPCから専用サイトにアクセスし、自分が選んだアバターで参列するのが特徴。納骨にあたる「遺影埋葬」や、三回忌などの法事「誕生会」では、地球から「時空列車」に乗って、月や火星などに設けられた霊園へ出発し、その道中、参列者は故人を偲びながらチャットで語り合える。
「一族の墓が遠方にあって管理できない、経済的に維持が難しいといった理由での〝墓じまい〟が増え、令和元年には12万件を超えています。そうしたお墓の悩みを解消し、ご遺族が安心できる空間として開発しました」(テクニカルブレイン代表取締役・根本憲夫さん)
根本さんの年齢は70代。こうした悩みを知人から聞くことが増えたのが、同サービスを開発する動機となった。独身者のほか、諸事情で同じお墓に入ることができないLGBTの人たちからも好意的な声が寄せられているとか。
開発当初には想定されていなかったが、現在のコロナ禍で親族以外の参列を遠慮してもらう葬儀も増えている。こうした環境や、高齢のために参加できない問題も「ネット霊園」なら解決できるのだ。
自分の墓を持たない30〜50代を中心に、仮想現実空間の霊園は受け入れられそう。日本のみならず海外でも、それぞれの死生観、宗教観を取り込みながら広がっていくだろう。
汽車に乗って
月面に到着し
アバターで参拝
『風の霊』の費用は、入会費1万1000円、埋葬費11万円、誕生会費5万5000円、管理費6600円(年額)。墓参りの費用は無料。詳しくはWebサイト(http://kazenorei.jp/)へ。
取材・文/小口 覺
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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