
【Before】海外赴任を経験し、日々バタバタ働いていた30代半ば、社会人の苦痛に耐えられなくなり、株式投資に挑戦し始めた。
【After】個別株投資で大損を経験したが、インデックス投資で成功。妻、子供含めた家族ともどもフィリピンへ移住し、YouTuber活動などで収入を得ながら生活。
海外経験豊富な元サラリーマン
アキラさん
ごく普通のサラリーマンが〝ほったらかし投資〟で大成功
2019年、44歳の時に2人の子供と妻を連れてフィリピンに移住、現在はYouTubeやブログの広告収入を得ながら悠々自適なFIRE生活を送るアキラさん。海外赴任経験があるとはいえ、FIRE前は中小企業の製造業で働く、ごく一般的なサラリーマンだった。
「就職当初から、自分にはサラリーマンが向いていないと思ってました。毎朝、仕事に出かけようとすると吐き気を催して……」
と早期退職の道を模索していたが、転機が訪れたのは2007年。米国赴任が決まり給与が増えたことで投資を開始した。
「投資について右も左もわからなかったので、一番の経済大国である米国に投資しようと思いました。個別株だとリスク管理が難しそうだったので、ファンドが株式を買い付けてくれるインデックス投資を選びました」
投資を開始してすぐの2008年に起きたリーマンショックでは資産の大きな目減りを経験するも、あきらめずに米国インデックス投資をし続け、2019年には5000万円の資産形成に成功した。
アキラさんが行なったのは今でいう「ほったらかし投資」といわれる投資方法で、毎月一定額を投資していく、初心者にうってつけの投資方法だ。毎月の積立額は10万円と少なくない金額だが、「地方住まいで東京に比べて家賃が安かったので捻出できました。年2回のボーナス時はさらに積み増していました」と言う。
海外移住した理由についてアキラさんはこう話す。
「月20万円くらいの生活費で生活できるならどこでもよかった。日本の地方都市の移住制度も検討しましたが、最終的に子供の教育費が1人当たり月額1万円で済み、英語が通じて治安が悪くない所として、私が現在住んでいるフィリピンの地方都市ドゥマゲテに。家族には最終的に賛成してもらえました。会社勤めの時の私のつらそうな姿を見ていたからかもしれません。
リモートワークが普及した今、日本の仕事を海外でも受けられる。実際、妻は日本からの仕事をリモートでこなしています。また、子供を英語圏で学ばせることは、視野が広がるのでメリットのほうが多い。英語が苦手でも、生活の中で英語を使えば自ずと話せるようになりますよ」
【Q】海外で暮らした経験のない子供を連れて行くのは不安ですが……
【A】海外駐在の経験上、時間をかけて慣れていくので心配ないでしょう。学校で友達も増えて飛躍的に英語を覚えています。
【Q】家族4人で5000万円の資産って、正直言って少なくありませんか?
【A】個人年金や保険に別途加入し、老後の収入を確保しています。医療体制もフィリピン地方都市にしては意外とまともです。
『忙しい普通のサラリーマンでもセミリタイアできる本』
著/アキラ
Kindle版限定 500円
ごく一般的なサラリーマンがFIREして妻子共々フィリピンへ移住。その過程や資産形成の方法を、似たような境遇のサラリーマンが真似できるように分かりやすくまとめた一冊。
取材・文/久我吉史
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。