
肌の乾燥が気になりはじめる季節。洗顔後のスキンケアに力が入る時期だ。男性の肌は女性の肌より抗酸化力が弱いという研究結果も出ているため、紫外線からの防御も意識したいところだ。
そこで今回は、医師の日比野佐和子氏のアドバイスによる、シミやその他の肌老化をもたらす「光老化」に対抗するための対策を紹介する。
また最後には、ライターがリサーチした、メンズにおすすめのアイテムを3つ紹介する。
男性の肌は酸化ストレスの影響を受けやすい
昨年12月、資生堂が研究結果として、男性の肌は女性よりも抗酸化力が弱く、 酸化ストレスの影響を受けやすいことがわかったと報告した。
紫外線ダメージなどにより酸化ストレスが高まると、肌本来がもつうるおい、透明感、ハリなどを保つ機能が低下する。
また、過去の研究では、男性の肌は女性の肌よりもバリア機能が低いこともわかっているという。
男性はスキンケア・サンケア意識が女性よりも低い傾向にあるなど、生活習慣の違いもあり、結果的に男性は女性よりも老化や肌トラブルを引き起こしやすくなっていることが示唆されるという。
日焼け経験があるほうが肌の衰え実感が高い
また先日、資生堂が女性に対して行ったアンケート調査では、過去に日焼け経験がある人のほうが、現在の肌の衰え実感が多い結果となった。
同時に、日に焼ける経験をした人ほど、肌にいい成分が入っていかないという実感をもっていることも分かった。
この結果について、皮膚科医の日比野佐和子氏は、紫外線ダメージによる「光老化」の度合いの差が一つの原因だと述べている。
肌に紫外線量が増えるとメラニンの生成量が増え、蓄積されることにより、シミができやすくなる。紫外線による活性酸素による酸化ダメージも、気が付かないうちに肌に溜まっていく。
紫外線は、エラスチンなどの弾力線維やコラーゲンなどの膠原線維を酸化させ、変性させてしまうことで肌の光老化が進む。
皮膚科医が教える「光老化」徹底対策!
過去に、思いきり日焼けをした経験のある男性は多いだろう。肌の衰えを実感することもあるかもしれない。そのような光老化は、取り返せるのだろうか?
日比野氏によれば、紫外線ダメージを受ける前に予防するのが得策だが、すでに浴びてしまった紫外線ダメージも手遅れだとあきらめずにケアすることで、ある程度リカバーできる可能性が高いという。
【取材協力】
皮膚科医 日比野佐和子氏
アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも多数出演。
医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。
そこで日比野氏が教える、UVケアからスキンケア、食事・栄養面、生活習慣まで、あらゆる方面からの光老化対策テクニックを紹介する。
1.UVケア
屋外では日焼け止めを塗ることはやはり必要だ。日比野氏は、SPF50、PA++++くらいの紫外線防御効果があるUVケアをおすすめすることもあるという。特に外に長時間いるときは2~3時間おきの塗り直しも大切。サングラス、帽子、日傘、手袋などを活用し、肌への紫外線照射量をなるべく減らそう。
在宅勤務中も、窓から差し込む紫外線対策のために、UVケアの上にスキンケア成分や保湿成分を含むファンデーションを塗るとよい。
2.スキンケア
●皮脂は適度に洗い流す
皮脂は肌の酸化を加速させる要因となる。皮脂が過剰に出たらこまめにオフしたり、洗顔料でしっかり洗い流すことも大切。
しかし、洗いすぎや過度なピーリング、刺激の強すぎるマッサージは、肌のセラミドなどの細胞間脂質を損なってしまい、肌のバリア機能を低下させ、紫外線や乾燥といったダメージをもろに受けやすくしてしまうので注意が必要だ。
●スキンケアの一番最初に導入化粧水を使用してなじませる
紫外線ダメージが蓄積した肌は乾燥して保湿機能が低下していることが考えられるため、一気にうるおいを届けるのはむずかしい。そこで、しっかりと奥までうるおいを届けるためにある工夫をすると良い。
洗顔後のスキンケアの際には、化粧水や美容液などを使う前に、いちばん最初に導入化粧水などをつけると、そのあとで使う化粧水や美容液の浸透が良くなるという。
ポイントは、「できるだけ水っぽい感触の、水美容液のようなものを選ぶ」ことと、「3回に分けて、適量を段階的に、丁寧になじませていく」こと。またなじませながら「マッサージする」ことも勧める。
【参考】スキンケアの一番最初に3回に分けて化粧水をなじませるためのマッサージ法(資生堂)
また、抗酸化成分が入っているアイテムも良いという。特に、紫蘇やローズマリー、ラベンダー、シャクヤク、木苺といった紫色の植物のエキスは、抗酸化成分として注目されているそうだ。商品例としては資生堂「リバイタル ローションセラム」がある。
3.食事
食事では、抗酸化物質の摂取を勧める。高い抗酸化力を持つ、色の濃いカラフルな野菜やフルーツを積極的に摂ることを意識すると良い。
4.生活習慣
●心身ストレス対策
活性酸素を増やす心身のストレスもできるだけ避けたい。血流を悪化させ、身体の循環を停滞させてしまう。なるべくストレスを感じないリラックスした精神状態で、規則正しい生活を送ろう。
●軽い運動やストレッチで血行を促す
ウォーキングなどの軽い運動や身体全体のストレッチで血行を促すことも効果的だという。
特に、肩甲骨周りを動かすと腋下リンパ節や鎖骨下リンパ節などが刺激され、顔や首まわりのリンパの流れが促進される。食器を洗うなどの「ちょこまか動き」を習慣化すると良い。
紫外線が招く光老化とうまく付き合っていくために、これらの抗酸化に役立つ対策を心がけよう。
スキンケアの導入に使いたいメンズにおすすめのアイテム3選
今回紹介された対策の中には、スキンケアのいちばん最初に、導入化粧水などを使うという方法があった。そこでライターがリサーチした、男性がスキンケアの導入にも使える美容液や化粧水を紹介する。
1.SHISEIDO MEN「SHISEIDO メン アルティミューン パワライジング コンセントレート」
7,700円(税込)
過剰な皮脂、乾燥、肌荒れに代表される、男性の肌悩みを引き起こす3つの弱点にアプローチする美容液。明るく、生きいきとした健やかな印象へ導く。べたつかないテクスチャーが特徴。洗顔後に、これ1本でのケアもOK。シェービング後にもおすすめだ。
2.BONOTOX「Timeless CODE(タイムレスコード)デュアルステムセルエッセンス」
7,150円(税込)
スキンケアのファーストステップに使用できる導入化粧水。ユニセックスで、男性にも使用されているシリーズだ。このTimeless CODEシリーズは、ヒト臍帯血幹細胞由来培養液「HSCM」、ハス幹細胞由来培養液のダブルの幹細胞培養液を配合しているのが特徴。最先端の技術で、必要な美容成分が必要なところに合理的に届き、肌の奥までしっかりと浸透し、ハリ・弾力のある肌へ導く。
3.アジャイル コスメティクス プロジェクト「整え与える化粧水 ver.1.15」
6,600円(税込)
ユニセックスのコスメブランド。これ1本で拭き取り化粧水・導入美容液・化粧水の3機能を叶える便利なアイテムだ。
生乳100%のヨーグルトから得られる発酵成分「ホエイエキス」やモズク由来の天然保護成分などを配合。気になる肌のごわつきをほぐし、角質ケアしながら、肌にうるおいと弾力を与えてくれる。
乾燥が気になる今の時期、これらの光老化対策も意識しながら、理想の肌づくりを行おう。
取材・文/石原亜香利
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